ポリクシニーズ頼む、善きカミロよ。もう迫らないでくれ。そなたの願いを何か拒むだけでも病になるが、この願いをかなえるのは死ぬのと同じなのだ。
カミロ故国を目にしてから十五年になります。人生の大半を異国の空気にさらしてきましたが、骨は故郷に埋めたいのです。それに、悔い改めたわが主君、シチリア王が私を呼び戻しておられます。王が身に染みて味わう悲しみを、私ならいくらか和らげられるかもしれません。そう考えるのが思い上がりだとしても、それが国へ帰ろうとするもう一つの拍車となっています。
ポリクシニーズカミロ、私を愛しているなら、今ここを去って、これまでの奉公を消し去らないでくれ。そなたの善良さが、私にそなたを必要とさせたのだ。今こうしてそなたを失うくらいなら、初めから持たぬほうがましだった。そなたなしには誰も十分に処理できぬ仕事を作り上げた以上、ここに留まり自ら果たすか、これまで果たした奉公そのものまで持ち去ることになる。私がそなたの功を十分に心へ留めていないなら、いや、留めすぎることなどありえぬが、さらに深く感謝することを努めとし、その利益として友情を積み重ねよう。あの運命に呪われた国、シチリアについては、もう話さないでくれ。その名を聞くだけで、そなたが悔い改めたと言う、和解したわが兄弟を思い出し、心が責められる。最も尊い王妃と子供たちを失った悲しみは、今なお新しく嘆かねばならぬ。ところで、わが息子フロリゼル王子を最後に見たのはいつだ。王にとって、子が立派でないことは、その徳を確かめた子を失うのと同じほど不幸なことだ。
カミロ陛下、王子をお見かけしたのは三日前です。どんな幸せな用事をお持ちなのか、私にはわかりません。ただ近ごろ、宮廷から離れて過ごすことが多く、王子にふさわしい稽古にも、以前ほど姿を見せないのが気にかかっておりました。
ポリクシニーズ私もそこまで気づき、いささか心配していた、カミロ。王子が遠ざかる様子を見張る目を、配下の者に持たせている。その者から、王子はひどく素朴な一人の羊飼いの家を、ほとんど離れぬと知らされた。噂によれば、その男は無一物から、近隣の者の想像も及ばぬほど、言葉に尽くせぬ財産を築いたそうだ。
カミロ陛下、私もその男の噂を聞きました。世にも稀な評判を持つ娘がいるとか。その名声は、あのような小屋から生まれたとは思えぬほど、遠くまで広がっております。
ポリクシニーズそれも報告の一部だ。だが、その娘こそ息子をあそこへ引く釣り針ではないかと恐れている。そなたも一緒に来てくれ。身分を隠し、羊飼いと話をしよう。あの男の素朴さにつけ込めば、息子が通う理由を引き出すのも難しくあるまい。頼む、今はこの一件の相棒となり、シチリアのことは脇へ置いてくれ。
カミロ喜んでご命令に従います。
ポリクシニーズさすがはカミロ。われらは変装せねばならぬ。
