オートリカス水仙がそっと顔を出し、
ほいさ、谷越え、あの娘、
一年の甘い季節が来る。
冬の青白さに赤い血が勝つ。
ほいさ、小鳥はよく歌う。
盗みの歯がむずむずするぞ。
麦酒一升、王様のご馳走。
ほいさ、鶫に懸巣も歌う。
俺と女たちの夏の歌、
干し草の中で転げ回る。
夜には青白い月が照る。
あちらこちらとさまようときこそ、
俺はたいてい正しい道を行く。
豚革袋を担いでよいなら、
俺も帳尻を合わせられる。
さらし台でも言い張ろう。
道化ええと。去勢羊十一頭ごとに羊毛一包。一包が一ポンドと何シリングかになる。千五百頭の毛を刈ったら、羊毛はいくらだ。
オートリカス(傍白)罠が働けば、この雄鶏は俺のものだ。
道化数え石なしでは計算できないな。ええと、羊毛刈りの宴に何を買うんだ。砂糖三ポンド、干し葡萄五ポンド、米。妹は米で何をする気だ。親父があいつを宴の女主人にして、好き放題やらせている。毛刈り男たちのために花束を二十四個も作った。みんな三人組で歌う、なかなかの歌い手だ。もっとも大半が中声と低声で、清教徒が一人混じり、輪舞の笛に合わせて聖歌を歌う。梨の焼き菓子を染めるサフランがいる。肉桂の花、乾し棗。いや、それは書いてない。肉豆蔲を七つ、生姜を一房か二房。生姜ならもらえるかもしれない。干し李四ポンド、それと同じだけ天日干しの葡萄だ。
オートリカスおお、どうして俺など生まれたのだ。
道化これは、何てことだ――
オートリカスおお、助けて、助けてください。このぼろを脱がせてください。そうしたら、死よ、さあ死を。
道化ああ、かわいそうに。脱がせるより、もっとぼろを上から掛けてもらう必要がありそうだ。
オートリカス旦那様、この服の忌まわしさは、私が受けた鞭より苦しいのです。何百万発もの、ひどい鞭でした。
道化何百万発も打たれたら、そりゃ大変なことになるだろう。
オートリカス旦那様、私は金も服も奪われ、殴られたのです。そしてこのおぞましい服を着せられました。
道化何だ、相手は騎馬の男か、徒歩の男か。
オートリカス徒歩の男です、優しい旦那様。徒歩の男です。
道化残していった服を見れば、確かに徒歩の男だろう。この服が騎馬の男の上着なら、ずいぶん熱い戦場をくぐったものだ。手を貸せ、起こしてやる。さあ、手を出せ。
オートリカスおお、善い旦那様、優しく。ああ。
道化ああ、かわいそうに。
オートリカスおお、善い旦那様、そっと、どうかそっと。肩の骨が外れているかもしれません。
道化どうだ。立てるか。
オートリカスそっと、優しい旦那様。どうか、そっと。慈悲深いお力添えをいただきました。
道化金はいらないか。少しならやれるぞ。
オートリカスいいえ、善良で優しい旦那様。どうか、おやめください。ここから四分の三マイルも離れていない所に親類がおり、そこへ向かっていたのです。そこで金でも必要なものでも手に入ります。どうか金を差し出さないでください。胸が張り裂けます。
道化おまえを襲ったのは、どんな男だ。
オートリカス旦那様、女王回しの賭け事をして歩くのを見たことがある男です。以前は王子の召使いでした。どんな美徳のせいだったかは存じませんが、確かに鞭打たれて宮廷を追い出されました。
道化悪徳と言いたいのだろう。美徳が鞭打たれて宮廷を出ることはない。宮廷では美徳が居残るよう大切に育てる。もっとも、それでも居残る以上のことはしないがな。
オートリカス悪徳と申すつもりでした、旦那様。私はその男をよく知っています。その後は猿回しになり、次には令状配達人、廷吏となり、それから放蕩息子の人形芝居一座を組み、私の土地と屋敷から一マイルほどの所で鋳掛け屋の妻と結婚しました。多くの悪党稼業を飛び回った末、ついにはごろつき一筋に落ち着いたのです。オートリカスと呼ぶ者もいます。
道化何てやつだ。命にかけて、掏摸だ、掏摸だ。祭りや市や熊いじめの場に出没する。
オートリカスまったくそのとおりです、旦那様。その男、その男です。この服を私に着せた悪党は。
道化ボヘミア中で、あれほど臆病な悪党はいない。おまえが怖い顔をして、唾の一つも吐きかければ、逃げ出しただろうに。
オートリカス白状します、旦那様。私は喧嘩ができません。そちらの勇気には偽りがありまして。あの男も、きっとそれを知っていたのです。
道化今の具合はどうだ。
オートリカス優しい旦那様、ずっとよくなりました。立って歩けます。ここでお別れして、親類の家までゆっくり歩いてまいります。
道化途中まで連れていこうか。
オートリカスいいえ、善いお顔の旦那様。いいえ、優しい旦那様。
道化では達者でな。俺は羊毛刈りのため、香辛料を買いに行かねばならない。
オートリカスご幸運を、優しい旦那様。
オートリカスおまえの財布では、香辛料を買えるほど懐が温かくないぞ。俺も羊毛刈りへ行ってやる。この詐欺からもう一つ詐欺を生み出せず、毛刈り男たちが羊にならなかったら、俺の名を悪党名簿から消し、美徳の帳面に載せてくれ。
オートリカス進めや進め、小道を行け。
陽気に柵を越えてゆけ。
明るい心は一日歩く。
沈んだ心は一里で疲れる。
