ミラノ公爵スューリオ殿、案ずるな、娘もきっとお前を愛する、
今やヴァレンタインは、娘の目の届かぬ地へ追放された。
スューリオあの男が追放されて以来、姫は前にもまして私を蔑み、
私との交際を拒み、私を罵ってばかりです。
もはや姫を得る望みなど持てません。
ミラノ公爵この弱々しい恋の刻印など、一つの姿にすぎぬ、
氷に刻みつけた姿だ。一時間も熱すれば、
水に溶け、形を失う。
少し時が経てば、娘の凍った思いも溶け、
何の値打ちもないヴァレンタインは忘れられる。
ミラノ公爵どうした、プローテュース殿! お前の同郷人は、
我らの布告どおり、立ち去ったか?
プローテュース立ち去りました、殿下。
ミラノ公爵娘は、あの男が去ったことをひどく悲しんでいる。
プローテュース少し時が経てば、その悲しみも死に絶えましょう。
ミラノ公爵私もそう思う。だが、スューリオはそう思わぬ。
プローテュース、私がお前を高く買っているのは——
お前が立派な働きのしるしを見せてくれたからだ——
だからこそ、いっそう胸の内を話したくなる。
プローテュース殿下への忠節を証し続けられなくなったなら、
その先、殿下のお顔を見る命など私にお許しなきよう。
ミラノ公爵スューリオ殿と娘との縁組を、私がどれほど、
心から実現したいか、お前は知っていよう。
プローテュース存じています、殿下。
ミラノ公爵そして、娘が私の意志にどれほど逆らっているかも、
お前は知らぬわけではあるまい。
プローテュース逆らっておられました、殿下、ヴァレンタインがここにいた時は。
ミラノ公爵ああ、今もひねくれたまま、頑として逆らい続けている。
どうすれば、あの娘にヴァレンタインへの恋を忘れさせ、
スューリオ殿を愛させることができる?
プローテュース最善の手は、ヴァレンタインを悪く言うことです。
嘘つき、臆病者、卑しい生まれだと。
女がとりわけ嫌う、その三つを並べるのです。
ミラノ公爵ああ、だが娘は、憎しみから出た悪口だと思うだろう。
プローテュースええ、敵がそれを口にするならば。
ですから、もっともらしい事情を添え、
彼が友と信じている者から語らせねばなりません。
ミラノ公爵ならば、お前があの男を悪く言う役を引き受けねばならぬ。
プローテュースそれは、殿下、まことに気の進まぬ役目です。
紳士にはふさわしからぬ務め、
ましてや、この上ない友を陥れるなど。
ミラノ公爵お前の褒め言葉が、あの男の得にならぬところでは、
お前の悪口も、決してあの男の害にはならぬ。
ならば、どちらを言おうと同じこと、
しかも友である私から、そうしてくれと頼まれているのだ。
プローテュース殿下には負けました。彼を貶めるため、
この口で言えることなら、何を語ってでも、
姫君が彼を愛し続けぬようにいたしましょう。
ですが、それで姫の恋をヴァレンタインから引き抜けても、
姫がスューリオ殿を愛すことにはなりません。
スューリオだから、姫の恋の糸を彼からほどくそばから、
その糸がもつれ、誰の役にも立たなくならぬよう、
私という糸巻きへ、きちんと巻き取ってくれ。
そのためには、ヴァレンタイン殿の値打ちを貶すだけ、
私のことを褒め上げてもらわねばならぬ。
ミラノ公爵そして、プローテュース、この役目ならお前を信頼できる。
ヴァレンタインの話から、我らは知っているからだ、
お前はすでに、恋の神へ固い誓いを立てた信徒、
そうたやすく背き、心変わりなどできぬとな。
この保証があるから、娘のもとへ出入りを許そう。
そこでお前は、シルヴィアと存分に話せる。
娘はふさぎ込み、気が重く、憂鬱だから、
お前の友ゆえに、お前が来れば喜ぶだろう。
そこで、言葉を尽くして娘の心を加減し、
若いヴァレンタインを憎ませ、我が友を愛させてくれ。
プローテュースできる限りのことは、成し遂げてみせます。
ですが、スューリオ殿、あなたにはまだ鋭さが足りません。
鳥もちを仕掛けて、姫の望みをからめ取るのです、
悲嘆に満ちた十四行詩、その練り上げた韻に、
献身を誓う言葉を、ぎっしり詰め込んで。
ミラノ公爵そうだ、
天から生まれた詩の力は、実に大きい。
プローテュース姫の美しさを祭る壇上で、こう言うのです、
あなたの涙、ため息、心臓を、いけにえに捧げると。
インクが乾くまで書き続け、乾いたなら涙で、
もう一度それを湿らせ、胸を打つ一行を作り、
まことの心を、余すところなく示すのです。
オルフェウスの竪琴には、詩人の筋が弦として張られ、
その黄金の調べは、鋼も石も柔らげ、
虎を手なずけ、巨大な海の怪物さえ、
底知れぬ深みを捨て、浜辺で踊らせました。
恐ろしいほど嘆きに満ちた哀歌を書いた後は、
夜ごと、あなたの姫君の部屋の窓辺を訪れ、
甘美な合奏を奏でさせ、その楽器に合わせて、
嘆きの曲を歌うのです。死んだように静かな夜は、
甘く訴えかける、その悲しみによく似合う。
これでなければ、何をしても姫を手に入れられません。
ミラノ公爵その教えぶりを見れば、お前が恋をしてきたと分かる。
スューリオそして今夜、その助言を実行に移そう。
だから、優しいプローテュース、我が道案内よ、
今すぐ一緒に町へ行き、
音楽に長けた紳士たちを何人か選ぼう。
お前の名案を仕掛け始めるのに、
ちょうど役立つ十四行詩を、私は持っている。
ミラノ公爵取りかかれ、諸君!
プローテュース夕食が済むまでは、殿下のお供をいたし、
その後で、我らの段取りを決めましょう。
ミラノ公爵今すぐ取りかかれ! 私への供は免じてやる。
