タイモン最後に振り返って、おまえを見てやろう。ああ、城壁よ、
あの狼どもを囲い込む城壁よ、地中へ沈み、
アテネを守るな。貞淑な妻たちは淫婦になれ。
子らから従順が消え失せろ。奴隷と道化は、
威厳ぶった皺だらけの元老どもを議席から引きずり下ろし、
代わって政を執れ。世間の売女に
今すぐ変われ、青い処女たち、
親の目の前でやれ。破産者は金を手放すな。
返すくらいなら、刃物を抜き、
信用して貸した者の喉を切れ。年季奉公人は盗め。
おまえらの厳格な主人こそ、大手を振る強盗、
法の名で略奪する。女中は主人の寝床へ行け。
女主人は娼家にいる。十六の息子は、
年老いた足萎えの父から、裏打ちした杖を奪い、
その杖で頭を叩き潰せ。孝心も、畏れも、
神々への信仰も、平和も、正義も、真実も、
家の中の敬いも、夜の眠りも、隣人のよしみも、
教えも、礼儀も、奥義も、仕事も、
身分も、しきたりも、習慣も、法律も、
すべて崩れ、互いを滅ぼす正反対のものとなり、
混沌だけが生き残れ。人を襲う疫病ども、
強く伝染する熱病を、幾重にも積み上げろ、
一撃を受けるほど熟れきったアテネの上へ。冷たい坐骨神経痛よ、
元老どもを不具にしろ。その手足の歩みも、
奴らの品行と同じく、無様に足を引きずるように。情欲と放縦は、
若者たちの心と骨髄へ忍び込み、
美徳の流れへ逆らって、もがかせ、
放蕩の中で溺れ死なせろ。疥癬、腫れ物よ、
アテネ人すべての胸へ種を蒔き、その実りを
一面の癩病にしろ。吐く息が、次の息を汚し、
奴らの交わりを、奴らの友情と同じ、
ただの毒にしろ。憎むべき町よ、おまえからは何一つ
持って行かぬ、この裸の身のほかには。
その裸も受け取れ、数を増してゆく呪いとともに。
タイモンは森へ行く。そこなら、どれほど薄情な獣でも、
人間より情け深いと知るだろう。
神々よ、滅ぼしたまえ。善き神々よ、皆、俺の声を聞け。
あの城壁の内と外、すべてのアテネ人を。
そしてタイモンが生きるほど、その憎しみも育つように、
身分の高きも低きも、人類すべてへの憎しみが。
アーメン。
