リチャード三世
第 3 幕 第 6 場
書記、手に書類を持って登場。
書記これが善良なヘイスティングズ卿の起訴状だ。
正式の書体で、きれいに清書してある、
今日、セント・ポール大聖堂で読み上げられるようにな。
それにしても、前後の辻褄のよく合っていることよ。
わたしはこれを清書するのに十一時間かけた。
昨夜、ケイツビーから届けられたのだからな。
下書きにも、たっぷり同じだけかかったはず。
ところが、ほんの五時間前まで、ヘイスティングズ卿は生きていた。
咎めも受けず、取り調べも受けず、自由の身でな。
たいした世の中があったものだ! どこの誰が鈍いというのか、
この見え透いた仕掛けが見えぬほど?
だが、どこの誰が命知らずだというのか、見えないと言わずにいられるほど?
悪い世の中だ。何もかもが滅びに向かう、
こんな悪事を、心の中でしか見てはならぬというのなら。
退場。
