ペリクリーズこの大いなる海原の神よ、天と地獄をともに洗う
この大波を叱りつけてくれ。そして風を
意のままにする神よ、深みから呼び出した風を
青銅の鎖で縛りつけてくれ。ああ、その耳を聾する
恐ろしい雷鳴を鎮め、素早く走る硫黄の稲妻を、
静かに消してくれ。ああ、ライコリダ、
王妃はどうしている。この嵐め、毒々しく荒れ狂い、
自分をすべて吐き出すつもりか。水夫の笛も
死の耳には囁きにすぎず、聞こえない。
ライコリダ。——ルキナよ、おお、夜中に叫ぶ女たちの
この上なく神聖な守護者、優しい産婆よ、
神の身を、踊り狂うこの船へ運んでくれ。
王妃の産みの苦しみを、
早く終わらせてくれ。
ペリクリーズどうだ、ライコリダ。
ライコリダこのような場所には、あまりに幼い者がここに。
もし物心があれば、死んでしまうでしょう、
私もそうなりそうなように。お腕にお抱きください、
亡き王妃様の、このひとかけらを。
ペリクリーズ何だ、何を言う、ライコリダ。
ライコリダお耐えください、殿下。嵐に力を貸してはなりません。
王妃様から、生きて残ったすべてがここに。
小さな姫君です。この子のためにも、
男らしく心を強く持ち、お慰めを。
ペリクリーズおお、神々よ。
なぜ人に、見事な贈り物を愛させておきながら、
たちまち奪い去るのだ。地上のわれらは、
一度与えたものを取り戻しはしない。それゆえ、
あなた方より名誉ある振る舞いができる。
ライコリダお耐えください、殿下。
この託された御子のためにも。
ペリクリーズさあ、その生涯は穏やかであれ。
これほど荒れ狂う誕生を迎えた赤子はいない。
その気性は静かに、優しくあれ。王の子として
この世へ迎えられた者のうち、
最も乱暴な歓迎を受けたのだから。この先は幸せであれ。
火、風、水、大地、天が力を合わせても、
これほど激しく叱りつける誕生は作れまい。
お前を母胎から先触れするために。命の初めから、
お前が失ったものは、この世で見つけるものを
すべて積み込んでも、償いきれぬほど大きい。
さあ、善き神々よ、最も慈愛に満ちた目を、この子へ向けたまえ。
第一の水夫気を強く、殿下。神のお守りを。
ペリクリーズ気力なら十分だ。この突風は恐れぬ。
すでに私へ、できるかぎりの最悪をなした。
だが、この哀れな赤子、海へ出たばかりの
新米の船旅人のため、静まってほしい。
第一の水夫そこ、帆桁綱を緩めろ。嫌か、そうか。なら吹け、自分が裂けるまでな。
第二の水夫海を走る余地さえあれば、塩辛い、雲のような大波が月へ口づけしても、俺は構わん。
第一の水夫殿下、王妃様は海へ投じねばなりません。海は高く荒れ、風は大声で叫び、死人を船から降ろすまで鎮まりません。
ペリクリーズそれは、そなたらの迷信だ。
第一の水夫お許しください、殿下。海に生きるわれらは、昔から必ずそうしてきました。習わしには固く従います。ですから、手短に王妃様をお渡しください。今すぐ海へ投じねばなりません。
ペリクリーズそなたらがよいと思うようにせよ。何と不幸な王妃だ。
ライコリダこちらに横たわっておられます、殿下。
ペリクリーズ何と恐ろしい産みの床だったことか、愛する人よ。
灯りも、火もない。敵意ある四大元素は、
お前をすっかり忘れた。聖別された墓へ
葬る時間さえなく、今すぐに、
棺へ収めるのもそこそこに、海底の泥へ投じねばならぬ。
そこで、お前の骨に立つ記念碑、
永遠に燃える灯火の代わりに、げっぷする鯨と
唸る水が、お前の亡骸を覆い尽くす。
飾りもない貝殻とともに横たわる亡骸を。ああ、ライコリダ、
ネスターに命じ、香料、墨と紙、
私の小箱と宝石を持って来させろ。ナイカンダーには、
繻子張りの櫃を持って来させよ。赤子は
枕の上へ寝かせろ。急げ、私が王妃へ
聖職者として別れを告げる間に。すぐにだ。
第二の水夫殿下、甲板の下に、継ぎ目を詰め、瀝青を塗って用意した櫃があります。
ペリクリーズ礼を言う。船乗りよ、ここはどこの海岸だ。
第二の水夫タルソスの近くです。
ペリクリーズそちらへ向かえ、善き船乗りよ。
タイア行きの進路を変えるのだ。いつ着ける。
第二の水夫風が止めば、夜明けまでには。
ペリクリーズおお、タルソスへ急げ。
そこでクリーオンを訪ねよう。この赤子は
タイアまで持ちこたえられぬ。タルソスへ預け、
大切に育ててもらう。持ち場へ行け、善き船乗りよ。
私はすぐ、亡骸を運んで来る。
