クインスボトムの家へ人をやったか? もう帰っていたか?
スターヴリングどこにも知らせがない。間違いなく、どこかへ運び去られたんだ。
フルート帰ってこなければ、芝居は台無しだ。上演できない、そうだろう?
クインスできるわけがない。アテネじゅう探したって、あいつ以外にピラマスを務められる男はいない。
フルートそうとも、アテネの職人の中で、文句なしにいちばん頭がいい。
クインスああ、姿だっていちばんだ。それに甘い声では、まさに色男だ。
フルート「お手本」と言わなきゃ。「色男」なんて、神様お守りください、ろくでもないものだ。
スナッグ諸君、公爵が神殿から戻ってくる。それに、さらに二、三組の殿方とご婦人が結婚したぞ。俺たちの余興が上演できていたら、みんな一生安泰だったのに。
フルートああ、愛しい豪傑ボトム! これであいつは、一生、日当六ペンスをもらい損ねた。日当六ペンスは絶対だった。ピラマスを演じた褒美に、公爵が日当六ペンスをくださらなかったら、俺は吊られてもいい。それだけの値打ちはあった。ピラマスなら日当六ペンス、それ以下はない。
ボトムみんな、どこにいる? 勇者たちはどこだ?
クインスボトム! ああ、なんと勇ましい日だ! なんと幸せな時だ!
ボトム諸君、驚くべきことを語らねばならん。だが、何かは聞くな。話してしまったら、俺は真のアテネ人じゃない。起きたとおり、何もかも話してやる。
クインス聞かせてくれ、愛しいボトム。
ボトム俺のことは一言も話さん。教えられるのは、公爵が食事を済ませたことだけだ。衣装を集めろ、髭には丈夫な紐、舞台靴には新しいリボンをつけろ。すぐ宮殿に集まれ。全員、役を読み直せ。短くも長くも要するに、俺たちの芝居が選ばれた。何があっても、シスビーには清潔な下着を着せろ。獅子役は爪を切るな、獅子の鉤爪として突き出しておくんだ。それから、こよなく愛する役者諸君、玉葱も大蒜も食うな。甘い息で台詞を言うんだからな。きっと見物人から「あれは甘い喜劇だ」と聞けるぞ。もう言葉はいらん。急げ! 行け、急げ!
