マクベス夫人「あの者たちは、勝利の日に私と出会った。そして、この上なく確かな報告によって、あの者たちには人知を超えるものが備わっていると知った。もっと問い質したいと燃える思いでいると、あの者たちは大気と化して、その中へ消えてしまった。私が驚きに打たれて立ち尽くしていると、王からの使者が来て、私を『コーダーの領主』と呼んで讃えた。まさにその称号で、あの運命の姉妹たちは先に私に挨拶し、さらに来たるべき時を指して『万歳、やがて王となるお方』と呼びかけたのだ。このことをおまえに伝えておくのがよいと思った、わが偉大さの最愛の伴侶よ、どれほどの偉大さが約束されているかを知らずにいて、当然受け取るべき歓びを取り逃がさぬように。これを胸に納めて、達者でいてくれ。」
約束されたものになるお方。けれど、心配なのはあなたの気性——
人の情けという乳があまりにも満ちすぎていて、
近道をつかみ取れない。偉くなりたい気持ちはある。
野心がないわけではない。ただ、野心に付き従うべき
毒気がない。高く昇りたいと望みながら、
清らかなままで昇りたいと望む。不正はしたくない、
それでいて、不正な勝ちは手に入れたい。あなたが欲しがるものは、偉大なグラームズ様、
「手に入れたくば、こうするのだ」と叫んでいます。
そしてそれは、あなたが、やってしまいたくないと願うことではなく、
やるのが怖いというだけのこと。急いで帰っておいで、
あなたの耳に、わたしの魂を注ぎ込んであげます。
この舌の勇猛で、追い払ってあげましょう、
あの黄金の輪とあなたを隔てるものを、すべて。
運命も、この世ならぬ力も、あの冠をあなたの頭に
載せようとしているように見えるのだから。
マクベス夫人何の知らせです。
使者王が今夜、こちらへお越しになります。
マクベス夫人気でも狂ったか。
おまえの主人は王と御一緒のはず。それが本当なら、
支度のために知らせをよこすはずでしょう。
使者恐れながら、まことでございます。殿はお帰りの途上——
仲間のひとりが殿を追い越して参りましたが、
息も絶え絶えで、この知らせを伝えるのが
やっとのことでございました。
マクベス夫人その者を労ってやりなさい。
大きな知らせを持って来たのだから。
マクベス夫人鴉さえ、声を嗄らして、
ダンカンの命取りの入城を、この城壁の下で
啼き告げている。来たれ、悪霊たちよ、
死の想いに仕えるおまえたち、今ここで、わたしから女を抜き取り、
頭のてっぺんから爪先まで、なみなみと
残虐の限りで満たしておくれ。わたしの血をどろりと濁らせ、
悔恨へ通じる道も入口も、塞いでしまえ。
自然の情けが疼いて訪れて、
わたしの残忍な決意を揺るがすことも、決意と実行のあいだに
割って入ることもないように。来たれ、この女の乳房へ、
わたしの乳を胆汁に取り替えよ、人殺しの死の使いたちよ、
姿の見えぬその身で、どこにいようとも、
自然を壊す悪事に付き従うおまえたち。来たれ、濃い夜よ、
地獄の煙の、いちばん暗い色で己を覆え、
わたしの鋭い短刀に、おのれの刻む傷を見せぬように、
天が暗闇の毛布から覗き込んで、
「待て、待て」と叫ばぬように。
マクベス夫人偉大なグラームズ様。立派なコーダー様。
そしてそのどちらよりも偉大な、「やがて王」のお方。
あなたの手紙が、わたしを運んでくれました、
何も知らぬ現在の彼方へ。わたしは今、この瞬間の中に、
未来を感じています。
マクベス最愛のおまえ、
ダンカンが今夜ここへ来る。
マクベス夫人それで、発たれるのはいつ。
マクベス明日——王はそのおつもりだ。
マクベス夫人おお、その明日を、
太陽が見ることは決してない。
あなたのお顔は、殿様、一冊の本のよう。人はそこに、
異様な事柄を読み取ってしまいます。世を欺くには、
世と同じ顔をなさい。目にも、手にも、舌にも、
歓迎の色を浮かべて。無垢な花のように見せかけて、
その下に潜む蛇におなりなさい。おいでになるお方には、
それなりのおもてなしの支度が要ります。今夜の大仕事は、
わたしの手に委ねてくださいまし。
その一仕事が、これから来るわたしたちの夜と昼のすべてに、
比べるもののない主権と支配を授けてくれるのです。
マクベスその話は、後でまた。
マクベス夫人ただ、晴れやかな顔をしていらっしゃい。
顔色を変えることは、いつだって恐れの証。
あとのことは、すべてわたしにお任せを。
