クランマー遅すぎなければよいが。だが枢密院から
迎えに来た紳士は、大急ぎでと
言っていた。戸が閉まっている? これは何事だ? おい!
誰かいないのか? 私を知っているな?
看守はい、猊下。
ですが、お通しすることはできません。
クランマーなぜだ?
看守お呼びがかかるまで、ここでお待ちいただきます。
クランマーそうか。
バッツ(傍白。)これは悪意の仕業だ。運よく
ここを通りかかってよかった。王に
すぐさまお知らせしよう。
クランマー(傍白。)バッツだ、
王の侍医だ。通りすがりに、
なんと真剣な目で私を見たことか!
どうか、この屈辱を見抜かれていませんように! 確かに、
これは私を憎む何者かが仕組んだこと——
神よ、その者たちの心をお改めください! 私は一度も敵意を招こうとはしなかった——
私の名誉を消し去るためだ。さもなければ同じ枢密顧問官である私を、
扉の外に立たせ、
小僧や馬丁や従僕に交じって待たせるなど、恥じるはず。
だがご大人方のお気に召すままにせねばならぬ、私は辛抱して待とう。
バッツ陛下に、世にも奇妙な光景をお見せしましょう——
ヘンリー王何だ、バッツ?
バッツ陛下も長いご治世のうちにご覧になった覚えがおありかと。
ヘンリー王なんたることだ、どこにある?
バッツあそこです、陛下。
カンタベリー猊下が大出世なさったお姿。
扉口で威儀を正し、紋章官の従者や
小姓や走り使いに交じっておいでです。
ヘンリー王はっ! 確かに本人だ。
あれが仲間同士で示す敬意か?
まだあやつらの上に一人いてよかった。私はてっきり、
あの連中もせめて、誠実さのひとかけら、
いや、礼儀くらいは分け合っていて、
あれほど地位が高く、われらの寵愛も篤い者を、
ご大人方のお気に召すまで足踏みさせ、
しかも扉口で、書状袋を背負った飛脚同然に待たせはすまいと思っていた。
聖母マリアにかけて、バッツ、これは奸計だ。
しばらく放っておけ、幕をぴたりと閉めよ。
やがて続きが聞けよう。
