大法官議題を述べよ、秘書官。
なぜわれわれは枢密院に集まった?
クロムウェル皆様、恐れながら、
主な案件はカンタベリー猊下に関するものです。
ガーディナー本人には知らせてあるのか?
クロムウェルはい。
ノーフォークそこに誰かいるか?
看守扉の外の者でしょうか、閣下?
ガーディナーそうだ。
看守大主教猊下です。
ご意向を伺うため、もう半時間もお待ちです。
大法官中へ通せ。
看守猊下、もうお入りいただけます。
大法官善き大主教、今ここに座り、
あの椅子が空のままなのを見るのは、まことに残念です。
だが、われわれは皆人間、
生まれつき脆く、肉欲に
屈しうる。天使はわずかです。その脆さと
知恵の欠如から、本来われわれを最もよく教えるべきあなたが、
不品行を働いた、しかも軽いものではない。
まず王に、次に王の法に背き、
あなたと配下の礼拝堂司祭の教えによって、
王国全体を新しい見解で満たした、
そう報告を受けています。多岐にわたり、危険な見解、
すなわち異端であり、改めなければ破滅を招くものです。
ガーディナーしかも、改革はただちに行わねばなりません、
高貴なる諸侯。荒馬を馴らす者は、
手綱をゆるめて歩かせ、穏やかにはしない。
頑丈な轡で口を止め、拍車を当て、
馬場の作法に従わせる。もしわれわれが、
安易さと、一人の男の名誉への
子供じみた憐れみから、この伝染病を見逃せば、
あらゆる薬に別れを告げることになる。その先に何が続く?
騒乱、暴動、そして国家全体の
腐敗です。近ごろ、隣国の
上ドイツが痛切な証人となり、
今なお記憶の中で生々しく憐れまれています。
クランマー善き諸侯、これまで、わが生涯と職務の
歩みすべてにおいて、私は努めてきました。
少なからぬ研鑽を重ね、私の教えと
強い権威の働きが
同じ安全な道を進むように。そして目的は
常に善をなすことでした。今生きている者の中に、
偽りのない心で申します、諸侯、
公の平和を損なう者を、私より
激しく忌み嫌い、立ち向かう者はいません。
己の良心においても、公の職においても。
王が、これより忠誠の乏しい心を
決して見いだされぬよう、天に祈ります! 嫉妬と
ねじれた悪意を糧とする者なら、
最善の人にも噛みつく。諸侯にお願いします、
この正義の審理において、私を告発する者が
誰であろうと、私と面と向かって立ち、
自由に申し立てられるようにしてください。
サフォークいや、大主教、
それはできぬ。そなたは枢密顧問官、
その地位ゆえ、誰も告発する勇気を持てない。
ガーディナー大主教、もっと重大な案件がありますので、
手短に済ませます。陛下の御意向と、
われらの同意により、あなたをさらに正しく審理するため、
ここからロンドン塔へ収監します。
そこで再び私人の身となれば、
あなたを大胆に告発する者が大勢いると分かるでしょう。
恐らく、あなたの備えを越えるほどに。
クランマーああ、善きウィンチェスター卿、感謝します。
いつでも私の善い友でおられる。あなたの意志が通れば、
あなたは裁判官と陪審を兼ねるでしょう、
なんと慈悲深いことか。狙いは見えています。
私を破滅させること。愛と柔和こそ、大主教、
野心より聖職者にふさわしい。
道を外れた魂は、慎みをもって取り戻し、
誰一人見捨ててはならぬ。私が身の潔白を証すことは、
わが忍耐にどれだけ重荷を載せられようと、
疑ってはいません。あなたが日々不正を働く時に
良心を用いぬ、その程度にも。もっと言えますが、
あなたの聖職への敬意が、私の言葉を慎ませます。
ガーディナー大主教、大主教、あなたは分派の徒だ、
それが明白な真実。塗りたくった注釈は、
あなたを理解する者に、言葉と弱みをさらすだけだ。
クロムウェルウィンチェスター卿、失礼ながら、
いささか言葉が鋭すぎます。これほど高貴な方なら、
たとえ過ちがあろうとも、これまでの働きに
敬意を受けるべきです。倒れかけた者へ
重荷を載せるのは残酷です。
ガーディナー善き秘書官殿、
失礼をお許し願いたい。この卓で誰よりも
あなたにこそ、そう言う資格がありますな。
クロムウェルなぜです、猊下?
ガーディナーあなたがこの新しい分派を
ひいきする者だと、私が知らぬとでも? あなたは健全ではない。
クロムウェル健全ではない?
ガーディナー健全ではない、と言っている。
クロムウェルあなたが私の半分でも誠実ならよかった!
そうすれば、人々の恐れでなく祈りが、あなたを求めるでしょう。
ガーディナーその大胆な物言いは覚えておこう。
クロムウェルどうぞ。
あなたご自身の大胆な生き方も、お忘れなく。
大法官もう十分だ。
恥を知って、お二人とも控えられよ。
ガーディナー終わりました。
クロムウェル私も。
大法官では、大主教、決定を伝える。全員の票により、
合意が成立したと私は理解する。そなたをただちに
囚人としてロンドン塔へ護送し、
王のさらなる御意向が
われらへ知らされるまで留め置く。諸侯、異議はないか?
一同異議なし。
クランマーほかに慈悲の道はないのですか、
私はどうしてもロンドン塔へ行かねばなりませんか、諸侯?
ガーディナーほかに何を
期待する? まことに手間を取らせる男だ。
衛兵を何人か、そこに用意させよ。
クランマー私のために?
反逆者のように、そこへ行けと?
ガーディナーこの男を引き取り、
ロンドン塔まで確実に連行せよ。
クランマーお待ちください、善き諸侯、
まだ少し申し上げることがある。これをご覧ください。
この指輪の力により、わが訴えを
残酷な者たちの爪から取り上げ、
最も高貴な裁判官、わが主君たる王へ委ねます。
侍従長これは王の指輪だ。
サリー偽物ではない。
サフォーク天にかけて、間違いなく本物だ。皆に申したはず、
この危険な石を最初に転がし始めた時、
いずれわれら自身の上へ落ちてくると。
ノーフォーク諸侯、本当に思うのか、
王がこの男の小指一本でも
苦しめられるのを許すと?
大法官今や、あまりに明らかだ。
まして、この男の命を王がどれほど大切に思うか?
穏便に、この件から抜け出せたらよいが!
クロムウェルこうなる気がしていました。
この男に不利な噂や密告を探し集めた時から。
この誠実さを妬むのは、悪魔と
その弟子だけ。あなた方は自分を焼く火を
吹き起こしたのです。さあ、今度はこちらの番だ!
ガーディナー畏れ多き陛下、このような君主を授けられたことに、
われらは日々、どれほど天へ感謝すべきでしょう。
善良で賢明なだけでなく、この上なく信仰深く、
あらゆる服従の中で、教会を
御名誉の第一の目的となさる君主。その聖なる
務めを強めるため、深い御配慮から、
国王自ら裁きの場へお越しになり、教会と
この大罪人との訴えをお聞きくださる。
ヘンリー王急ごしらえの賛辞なら、いつも達者だな、
ウィンチェスター主教。だが知れ、今ここで、
そのような世辞を聞きに来たのではない。
あまりに薄く、裸同然で、罪を隠せぬ。
私には届かぬぞ。そなたは愛玩犬を演じ、
舌を振れば私を勝ち取れると思っている。
だが、私を何だと思っていようと、確かなのは、
そなたの性根が残酷で、血に飢えていることだ。
ヘンリー王善き人よ、座れ。さあ、最も高慢で、
最も大胆な者が、そなたへ指一本でも振れるか見よう。
あらゆる聖なるものにかけて、その者は飢え死にしたほうがましだ、
そなたにこの席がふさわしくないと、一度でも思うより。
サリー陛下、どうか——
ヘンリー王いや、私の意にかなわぬ。
枢密院には多少の分別と
知恵を持つ者がいると思っていた。だが一人もいない。
諸侯、この男を、
この善人を——そなたらの中で、その名に値する者は少ない——
この誠実な男を、部屋の扉で、しらみだらけの走り使いのように
待たせるのが、思慮ある行いか? そなたらと同じ高い地位の者を?
なんたる恥だ! 私の委任が、
そこまで己を忘れよと命じたか? 私は
枢密顧問官として、この男を審理する権限を与えた、
馬丁としてではない。見るところ、そなたらの何人かは、
誠実さより悪意に駆られ、
手段さえあれば、どこまでも追い詰めようとした。
私が生きるかぎり、その手段は決して得られぬ。
大法官ここまでについて、
畏れ多き陛下、どうかお許しいただき、
私の口から全員を弁明させてください。投獄を
考えたのは、人に誠実さがあるなら、むしろ
この方を審理し、世に対して公正に
潔白を証すためで、悪意からではありません。
少なくとも私は、そうです。
ヘンリー王もうよい、諸侯、この男を尊重せよ。
迎え入れ、丁重に扱え、その価値がある。
これだけは言おう。もし君主が臣下に
恩を受けることがありうるなら、私は
この男の愛と奉仕に恩を受けている。
これ以上、騒ぎ立てるな。全員、この男を抱擁せよ。
恥を知り、友となれ、諸侯! カンタベリー卿、
そなたに断ってはならぬ願いがある。
まだ洗礼を受けていない美しい幼い姫の
名付け親となり、この子に代わって信仰を誓ってくれ。
クランマー今生きる最も偉大な君主でさえ、
その名誉を誇るでしょう。陛下の
貧しく卑しい臣下にすぎぬ私が、どうして値しましょう?
ヘンリー王さあ、さあ、大主教、祝いの匙を惜しむ気だな。高貴な二人を仲間につけてやる。老ノーフォーク公爵夫人とドーセット侯爵夫人だ。このお二人で不満か?
もう一度、ウィンチェスター卿、そなたに命ずる。
この男を抱擁し、愛せよ。
ガーディナー真心と
兄弟愛をもって、そういたします。
クランマーそして天よ、
この和解をどれほど大切に思うか、証ししてください。
ヘンリー王善き人よ、その喜びの涙が真の心を示している。
そなたについて世間で言われる言葉は、まことだった。
こうだ。「カンタベリー卿に
ひどい仕打ちをせよ、さすれば永遠に友となる」。
さあ、諸侯、時を無駄にしている。この幼子が
キリスト教徒となるのを、私は待ちきれぬ。
私がそなたらを一つにしたのだ、諸侯、これからも一つであれ。
そうすれば私は強くなり、そなたらの名誉も増す。
