シンベリン
第 5 幕 第 2 場
一方からルーシアス、イアーキモ、ローマ軍、他方からブリテン軍が登場。ポステュマス・レオネータスが貧しい兵士の姿であとに続く。両軍は行進して通り抜け、退場。やがてイアーキモとポステュマスが小競り合いをしながら再登場。ポステュマスがイアーキモを破って武器を奪い、その場を去る。
イアーキモ胸の内を押し潰す重さと罪が
俺から男の力を奪う。俺は一人の貴婦人、
この国の王女を嘘で汚した、その国の大気が
仇を討つように俺を弱らせる。でなければ、こんな野卑な男、
自然が使い捨てる奴隷同然の者に、この俺が
武芸で負けるものか? 俺のように帯びる
騎士の位も名誉も、嘲りの肩書にすぎぬ。
ブリテンよ、もしこの田舎者より先を行くのが、お前の貴族、
それも、こいつが我らの貴族を凌ぐほど先なら、違いは歴然、
我らはかろうじて人間、お前たちは神々だ。
退場。
戦いは続く。ブリテン軍は敗走し、シンベリンは捕らえられる。そこへ救出のため、ベレアリアス、ギデリアス、アーヴィラガス登場。
ベレアリアス踏みとどまれ、踏みとどまれ! 地の利はこちらにある。
この狭道は守り切れる。我らを潰走させるものはただ一つ、
己の恐怖という卑劣さだ。
ギデリアスとアーヴィラガス踏みとどまれ、踏みとどまって戦え!
ポステュマス再登場、ブリテン軍に加勢する。一同はシンベリンを救出して退場。続いてルーシアスとイアーキモが、イモージェンを連れて再登場。
ルーシアス行け、若者、軍勢から離れて身を守れ。
味方が味方を殺すほどの混乱だ、
まるで戦そのものが目隠しされている。
イアーキモ敵の新手だ。
ルーシアス今日は形勢が奇妙にひっくり返った。すぐにも
戦力を立て直すか、さもなくば逃げるぞ。
一同退場。
