ダイアミディーズ行け、行け、我が召使いよ、トロイラスの馬を引いていけ。
この麗しき駿馬を、我が佳人クレシダに届けるのだ。
これ、あの方の美しさに、私の敬意を伝えてくれ。
恋に狂うトロイアの男を叩きのめしてやったと伝え、
確かな証拠をもって、あの方の騎士になったと告げるのだ。
召使い承知いたしました、旦那様。
アガメムノン立て直せ、立て直せ!獰猛なるポリダマスが
メノンを打ち倒した。私生児マーガレロンは
ドレウスを捕虜とし、
巨像のごとく立ちはだかって大槍を振り回している、
叩き潰された王たちの屍を踏みつけにしてな、
エピストロファスとセディウス両王の。ポリクセネスは討たれ、
アンフィマカスとトアスは致命傷を負った、
パトロクラスは生け捕られたか討たれ、パラメデスもまた
深手を負って打ちのめされた。恐るべき半人半馬の怪物が
我らの兵をおののかせているのだ。急いでくれ、ダイアミディーズ、
加勢に向かわねば、我らは皆ことごと力尽きて終わりだ。
ネスター行け、パトロクラスの骸をアキリーズの元へ運べ。
そして、のろまなエイジャックスに、恥を知って武装しろと伝えよ。
戦場には千人ものヘクターが暴れ回っているかのようだ。
今ここで彼が愛馬ガラテに乗って戦ったかと思えば、
そこではもう獲物が足りず、すぐさまあちらで徒歩立ちとなり、
そこでは敵が逃げ惑うか死に絶える、まるで鱗ある魚の群れのようだ、
潮を吹く鯨を前にした。そうかと思えばあちらに現れ、
そこでは藁屑のようなギリシャ兵が、彼の刃に刈られるばかりになって、
彼の前になぎ倒される、まるで草刈り人の刈り跡のようにな。
ここでも、そこでも、至る所で、彼は手にかけては立ち去り、
その神速の技はあまりにも闘争本能のままに動くため、
己が望むことは何でも成し遂げ、あまりに多くの働きを示すので、
現実に目撃された事実さえ、あり得ぬ作り話と呼ばれてしまうのだ。
ユリシーズおお、勇気を出せ、勇気を出せ、諸公よ!偉大なるアキリーズが
武装を整えながら、涙を流し、呪い、復讐を誓っているぞ。
パトロクラスの受けた傷が、彼の眠れる血を呼び覚ましたのだ、
無残に切り刻まれたミュルミドン兵たちの姿とともにな。
鼻を削がれ、手を失い、切り刻まれ切り裂かれて、彼の元へ押しかけ、
ヘクターの名を叫んで訴えている。エイジャックスも友を失って
口から泡を飛ばし、すでに武装して戦場へ飛び込んでいった、
トロイラスを求めて咆哮している。そのトロイラスは、今日
狂気とも言うべき凄まじい大立ち回りを演じておるのだ。
敵陣深くへ切り込んでは、自ら窮地を脱するその姿は、
無頓着なまでの力強さと、力みを感じさせぬ細心さをもって、
まるで運命の女神が、知略を嘲笑うかのように、
彼にすべての勝利を約束したかのようにな。
エイジャックストロイラス!この臆病者め、トロイラス!
ダイアミディーズそうだ、あそこだ、あそこだ。
ネスターよし、よし、我らも合流するぞ。
アキリーズあのヘクターはどこだ?
来い、来い、この小童殺しめ、面を拝ませろ。
怒れるアキリーズを敵に回すのがいかなることか思い知るがいい。
ヘクター?ヘクターはどこだ?俺はヘクター以外の者とは戦わんぞ。
