サーサイティーズさあ、あいつら激しく殴り合っているぞ。俺は見物に行くとしよう。あの二枚舌の忌々しい悪党ダイアミディーズめ、あの薄汚い惚け狂った愚かなトロイの若造の袖を兜に飾りやがって——あいつらがぶつかり合うのをぜひ見たいものだ。あの娼婦を愛するトロイの若ロバが、あの袖付きのギリシャの女たらしの悪党を、あの二枚舌の好色な売女のもとへ、袖なし(実なし)の用事で追い返してやればいいのだが。一方で、あの悪賢くののしる悪党ども、あの古びてネズミに食われた干からびたチーズのネスターと、あのずる賢いキツネ犬のユリシーズの策謀とやらは、キイチゴ一粒の価値もないことが分かった。奴らは策謀とやらで、あの一代雑種の犬ころエイジャックスを、負けず劣らずたちの悪い犬アキリーズに対抗させようとしたのだ。ところが今や、犬ころエイジャックスのほうが犬ころアキリーズよりも傲慢になりやがって、今日は武装もしようとしない。そのせいでギリシャ勢は無秩序を叫び始め、策謀の評判は地に落ちた。おっと。あそこに袖と、もう一人がやってくるぞ。
トロイラス逃げるな。たとえ冥府の川ステュクスへ逃げ込もうとも。
俺は泳いで追いかけるぞ。
ダイアミディーズ退却を逃亡と言い間違えるな。
俺は逃げない、有利な配慮から
多勢に無勢の不利を避けただけだ。
いざ勝負だ!
サーサイティーズお前の売女を守れ、ギリシャ野郎!——さあお前の売女のために戦え、トロイ野郎!——それ、袖だ、袖だ!
ヘクター何者だ、ギリシャ兵? ヘクターの相手にふさわしいか?
高貴な血統と名誉の持ち主か?
サーサイティーズとんでもない、俺は下衆の極みだ。悪口ばかりの卑しい小悪党。この上なく薄汚い悪党さ。
ヘクター信じる。生きるがいい。
サーサイティーズ信じてくれてありがたいことだ。だが俺を脅かしやがって、首の骨でも折れやがれ!あの女狂いの悪党どもはどうなった?お互いを飲み込み合ったんじゃないか。そんな奇跡なら大笑いしてやる。だが、ある意味、色欲は自らを食い尽くすものだからな。あいつらを探しに行くか。
