タイタス来い、マーカス。来い、親族たち。こちらだ。
坊や、さあ、弓の腕前を見せてくれ。
弦を十分に引き絞れば、まっすぐ届くぞ。
「アストライアは地上を去った」
覚えておけ、マーカス。あの女神は去った、逃げたのだ。
皆、道具を手に取れ。いとこたちは、
海の深さを測り、網を投げに行け。
運がよければ、海の中で女神を捕まえられる。
もっとも、海にも陸と同じほどしか正義はない。
いや、プーブリアスとセンプローニアス、おまえたちがやれ。
つるはしと鋤で掘り進み、
大地の最も深い中心を貫くのだ。
そして、プルートーの国へ着いたら、
どうか、この嘆願書を渡してくれ。
正義と救いを求めるものだと伝えよ。
恩知らずのローマで、悲しみに揺さぶられる、
老アンドロニカスから届いたものだとな。
ああ、ローマよ。そうか、そうか。おまえを惨めにしたのは、わたしだ。
民の投票を、あの男へ与えたときに。
今こうして、わたしを暴虐に苦しめる男へ。
さあ行け。皆、くれぐれも念入りにな。
軍船を一隻たりとも、捜さず残してはならぬ。
あの邪悪な皇帝が、女神を船で追い払ったかもしれぬ。
親族たちよ、そうなら、正義を求めても笛を吹くだけの無駄だ。
マーカスああ、プーブリアス、胸の痛むことではないか。
気高い叔父上が、こうして取り乱す姿を見るのは。
プーブリアスだからこそ、マーカス様、われらには重い務めがあります。
昼も夜も、注意深く叔父上を見守り、
できる限り優しく、その気持ちに合わせるのです。
時が、心を配った治療を生み出すまで。
マーカス親族たちよ、兄の悲しみは、もはや癒やせぬ。
ゴート人たちと手を結べ。そして復讐の戦を起こし、
この恩知らずへ報いるため、ローマを罰し、
裏切り者サターナイナスへ復讐せよ。
タイタスプーブリアス、どうした、どうした、皆の者。
何だ、女神に会えたのか。
プーブリアスいいえ、兄上。ですがプルートーから伝言です。
地獄から復讐の女神を望むなら、与えようと。
ただし、正義の女神は、あまりに忙しく、
天上でユピテルといるか、別のどこかにいるらしいので、
どうしてもしばらく待ってもらいたいとのことです。
タイタス待たせてばかりとは、わたしを侮辱している。
地下の燃える湖へ飛び込み、
アケローンから、その踵をつかんで引きずり出してやる。
マーカスよ、われらは低い灌木、杉の大木ではない。
キュクロープスほど、骨太に作られた大男でもない。
だが、われらの気質は、背骨まで鋼だ、マーカス。
それでも背負いきれぬほど多く、不正にねじ伏せられた。
地上にも地獄にも、正義がないのなら、
われらは天へ訴え、神々の心を動かし、
正義の女神を降ろさせて、受けた不正へ報いてもらおう。
さあ、仕事にかかれ。マーカス、おまえは弓の名手だ。
タイタス「ユピテルへ」、これはおまえだ。こちらは「アポローンへ」
「マルスへ」、これはわたしが射る。
坊や、これはパラスへ。こちらはメルクリウスへ。
カイアス、これはサトゥルヌスへだ。サターナイナスではないぞ。
それなら風に逆らって射るのと、同じほど無駄だからな。
さあ射て、坊や。マーカス、わたしが言ったら放て。
誓って、手紙は効き目があるように書いた。
訴えかけていない神は、一柱も残っておらぬ。
マーカス親族たちよ、矢をすべて宮廷へ射ち込め。
思い上がる皇帝を、悩ませてやろう。
タイタスさあ皆、弓を引け。
タイタスおお、見事だ、ルーシアス。
よいぞ、処女宮の膝に届いた。パラスへ渡してくれ。
マーカス兄上、わたしは月の向こう、一マイルを狙いました。
今ごろ、あなたの手紙はユピテルのもとです。
タイタスはっ、はっ。
プーブリアス、プーブリアス、何をした。
見ろ、見ろ。金牛宮の角を一本、射ち落としたぞ。
マーカス兄上、面白いことになりました。プーブリアスが射ると、
傷つけられた牡牛が、白羊宮へ激しくぶつかり、
牡羊の角が二本とも、宮廷へ落ちたのです。
それを拾ったのが、よりにもよって皇后の悪党。
皇后は笑い、ムーア人に命じました。
その角は必ず、ご主人への贈り物にしなさいと。
タイタスほら、飛んでいったぞ。神が殿へ喜びを与えたまわんことを。
タイタス知らせだ、天からの知らせだ。マーカス、使者が来た。
おい、何の知らせだ。手紙を持ってきたのか。
わたしは正義を得られるのか。ユピテルは何と言っている。
田舎者ああ、絞首台を作る人のことですか。来週まで誰も吊せないので、また取り外したと言っていましたよ。
タイタスだが、ユピテルは何と言っているのかと聞いている。
田舎者いや、旦那、ユピテルなんて知りません。生まれてこのかた、一緒に酒を飲んだこともありませんよ。
タイタス何だ、ならず者め、おまえは運び屋ではないのか。
田舎者ええ、鳩を運んではいますよ。それ以外は何も。
タイタスでは、おまえは天から来たのではないのか。
田舎者天からですって。いや、旦那、一度も行ったことはありません。こんな若いうちから、押しかけて天国へ入るほど厚かましくならないよう、神さまに祈りますよ。わたしは鳩を持って、平民の護民官のところへ行く途中です。叔父と皇帝の家来の喧嘩を、仲裁してもらうんで。
マーカス兄上、その件こそ、あなたの訴えを役立てるのに、これ以上なく好都合です。この男に、あなたからの鳩を皇帝へ届けさせましょう。
タイタス教えてくれ、おまえは皇帝へ、優雅に口上を述べられるか。
田舎者いいえ、本当のところ、食前の祈りなら、生まれて一度も唱えられたためしがありません。
タイタスおい、こちらへ来い。余計な騒ぎはせず、
おまえの鳩を皇帝へ差し出せ。
わたしを通せば、皇帝の手から正義を授かるだろう。
待て、待て。それまでの費用に、この金をやる。
筆と墨をくれ。おい、優雅に嘆願書を渡せるか。
田舎者はい、旦那。
タイタスならば、これがおまえのための嘆願書だ。皇帝のもとへ着いたら、まず近づくときにひざまずき、次にその足へ口づけし、それから鳩を差し出し、褒美を待つのだ。わたしも近くにいる。立派にやり遂げろ。
田舎者任せてください、旦那。わたし一人で大丈夫です。
タイタスおい、ナイフを持っているか。こちらへ来い、見せてみろ。
マーカス、そのナイフを口上書の中へ包め。
おまえが、へりくだって訴える者のような姿にしたのだからな。
皇帝へ渡し終えたら、
わたしの家の戸を叩き、何と言われたか教えてくれ。
田舎者神のご加護を、旦那。そうします。
タイタス来い、マーカス、行こう。プーブリアス、ついて来い。
