タイタスさあ、さあ、もう座れ。そして食べすぎてはならぬぞ。
この身に、せめてそれだけの力を残す分よりは。
われらの苦い悲しみに復讐できるだけの力を。
マーカス、その悲しみで固く結ばれた眉をほどけ。
おまえの姪とわたしは、哀れにも手がないゆえ、
折り重なる十倍の悲しみを、
腕を組んで嘆き表すことさえできぬ。この右手だけが、
まだ残り、わたしの胸を責めさいなむ。
悲惨さに狂った心臓が、
この肉の空ろな牢獄を打ち鳴らすとき、
こうして叩き伏せるのだ。
タイタス悲しみの地図よ、そうして身振りで語るのだな。
おまえの哀れな心臓が激しく打っても、
このように叩いて、静めることはできぬ。
娘よ、ため息で傷つけ、うめき声で息の根を止めよ。
さもなくば、小さな刃物を歯の間にくわえ、
胸の真上に、ひとつ穴を開けるのだ。
そうすれば、その哀れな目から落ちる涙がことごとく、
その流し口へ注ぎ込み、染みわたって、
嘆き続ける愚かな心を、塩辛い涙の海に沈めよう。
マーカスよせ、兄上、よせ。そんなふうに教えてはならぬ。
か弱い命に、むごい手をかけさせるなど。
タイタス何だと。悲しみでもう、たわごとを言うようになったか。
マーカスよ、狂ってよいのは、このわたしだけだ。
この娘が、どんなむごい手を命にかけられる。
ああ、なぜおまえは「手」などという言葉を持ち出すのだ。
まるでアイネイアースに、トロイアが焼け、
自らが不幸になった物語を、もう一度語れと言うように。
ああ、手を話の種にしてくれるな。
われらに手がないことを、いつまでも思い出させぬように。
何ということだ。わたしの話は、ひどく取り乱している。
まるでマーカスが「手」と言わなければ、
われらに手がないことを忘れられるとでもいうように。
さあ、食べよう。優しい娘よ、これを食べなさい。
飲み物がないぞ。聞け、マーカス、この娘が何と言うか。
わたしには、責め苦を受けた身振りがすべて読める。
悲しみを醸し、頬で濾した涙のほかは、
何ひとつ飲みたくないと、そう言っている。
声なき訴え手よ、わたしはおまえの思いを学ぼう。
物言わぬ仕草を、余すところなく読み取ろう。
托鉢の隠者が、聖なる祈りを極めるように。
ため息をつこうと、切られた腕を天へ上げようと、
まばたきしようと、うなずこうと、ひざまずこうと、合図をしようと、
その一つひとつから、わたしが文字を編み出して、
絶えず学び、おまえの心を知れるようになろう。
幼いルーシアスおじいさま、こんな深く苦い嘆きは、もうおやめください。
何か楽しいお話で、おばさまを喜ばせてください。
マーカスああ、優しいこの子は、胸を揺さぶられ、
祖父の悲しむ姿を見て、泣いている。
タイタス泣くな、柔らかな若木よ。おまえは涙でできている。
涙を流せば、その命はたちまち溶けてしまうぞ。
タイタスマーカス、そのナイフで何を刺している。
マーカスわたしが殺したものです、兄上。蠅を一匹。
タイタス何ということだ、人殺しめ。おまえはわたしの心を殺す。
暴虐を見ることに、この目はもう耐えきれぬ。
罪のないものに死を与える行いは、
タイタスの弟にふさわしくない。出て行け。
おまえは、わたしとともにいるべき者ではない。
マーカスああ、兄上、殺したのは、ただの蠅一匹です。
タイタスだが、その蠅に父や母がいたなら、どうする。
細く金色に光る羽を垂らして、
空の中で、悲しい出来事を羽音に訴えるだろう。
哀れな、何の害もない蠅よ。
愛らしい羽音の調べで、
われらを楽しませに来たのに、おまえは殺してしまった。
マーカスお許しください。黒く醜い蠅でした。
皇后のムーア人にそっくりだったので、殺したのです。
タイタスおお、おお、おお。
ならば、おまえを責めたわたしを許してくれ。
おまえは慈悲深い行いをしたのだ。
ナイフを貸せ。わたしもこいつをなぶってやる。
このムーア人が、わざわざここへ来て、
わたしに毒を盛ろうとしたのだと思い込んでな。
これは、おまえ自身の分。こちらはタモーラの分だ。
さあ、どうだ。
それでも、われらはまだ、そこまで落ちぶれてはいまい。
二人がかりなら、蠅の一匹ぐらい殺せる。
石炭のように黒いムーア人の姿で現れる蠅ならば。
マーカスああ、哀れな人だ。悲しみに心を乱され、
偽りの影を、まことの姿と思い込んでいる。
タイタスさあ、膳を下げてくれ。ラヴィニア、わたしと来なさい。
おまえの部屋へ行き、ともに読もう。
昔の世に起きた、悲しい物語を。
さあ、坊や、おまえも一緒に来なさい。若い目をしているから、
わたしの目がかすみ始めたら、おまえが読んでくれ。
