アルシバイアディーズこの臆病で淫らな町へ響かせろ、
われらの恐るべき進軍を。
アルシバイアディーズ今日まで貴様らは勝手に歩み、時代を満たしてきた、
あらゆる放縦な振る舞いで、自分の意志を
正義の限界にしてきた。今日まで俺も、
貴様らの権力の影で眠っていた者たちも、
腕を固く組んだままさまよい、
苦痛の息を虚しく吐いてきた。今、時は満ちた。
強い体の中で、身を屈めてきた骨髄が、
自ら叫ぶ、「もうたくさんだ」と。息を切らした悪事が、
貴様らの大きな安楽椅子に座り、喘ぐ時だ。
息の太い傲慢は、息の根を止めるだろう、
恐怖と、凄まじい逃走のために。
第一元老院議員高貴なる若者よ、
初めの悲しみが、まだ胸に抱く思いにすぎず、
あなたに力がなく、われらにも恐れる理由がなかった時から、
われらは使いを送り、その怒りへ膏薬を与え、
われらの忘恩を、それ以上に大きな
愛で拭い去ろうとした。
第二元老院議員われらは同じように、
変わり果てたタイモンへ、わが町の愛に戻ってほしいと願った、
謙虚な使者と、償いの約束によって。
われら全員が薄情だったのではない。全員が
戦争の一撃を、ひとしく受けるいわれもない。
第一元老院議員われらのこの城壁を
建てたのは、あなたを悲しませた者たちの手ではない。
また城壁そのものも罪人ではない。ゆえに、この巨大な塔、
戦勝の記念碑、学問の場を、
一部の者の罪のため倒してはならない。
第二元老院議員あなたを初めに追放へ追いやった者たちは、
もう生きてはいない。知恵が足りなかったことへの恥が、
あまりに膨れ上がり、
その心臓を破ったのだ。進軍してください、高貴なる閣下、
旗を広げ、われらの町へ。
十分の一を選び、十分の一だけを殺してください。
もし復讐が、自然も嫌悪する食物に
飢えているなら、定められた十人目を取り、
印のついた賽の目が選ぶ者、
罪の染みがある者だけを死なせてください。
第一元老院議員全員が罪を犯したのではない。
昔いた者の罪を、今いる者へ
復讐するのは正しくない。罪は土地と違い、
相続されるものではない。ならば、親愛なる同胞よ、
隊列を町へ入れても、怒りは外へ置いてください。
あなたを育てたアテネと、同胞たちをお救いください。
怒りの暴風の中では、罪を犯した者と
ともに倒されてしまいます。羊飼いのように、
囲いへ近づき、病んだものだけを選び出し、
すべてを一緒に殺さないでください。
第二元老院議員あなたの望むものは、
剣で切り取らずとも、微笑み一つで
われらに差し出させることができます。
第一元老院議員胸壁に守られた門へ、
足を一つ掛けるだけで、門は開きます。
ただし、優しい心を先に遣わし、
友として入ると告げてください。
第二元老院議員手袋を投げてください、
あるいは、あなたの名誉を示す何かを。
戦争を、御自分の不当な扱いを正すため使い、
われらを破滅させるためには使わないという印を。そうすれば全軍を、
われらの町へ宿営させましょう、あなたの望みすべてに
われらが承認の印を押すまで。
アルシバイアディーズならば、これが俺の手袋だ。
城壁を下り、武装を解いた門を開けろ。
タイモンと俺の敵、
貴様ら自身が罰するため差し出す者だけを
倒し、それ以上は倒さぬ。そして貴様らの恐れを、
俺のより高貴な意図と和解させるため、どの兵にも
割り当てられた持ち場を越えさせず、町の中を流れる
正規の法を害させぬ。
だが破る者は、貴様らの公の法へ引き渡し、
最も重い責任を取らせる。
二人実に高貴なお言葉です。
アルシバイアディーズ下りて来て、言葉を守れ。
兵士高貴なる将軍、タイモンは死にました。
まさに海の縁へ葬られています。
墓石には、この文字が刻まれていました。
柔らかな蝋へ型を取り、持ち帰りました。
文字を読めぬ哀れなわたしに代わり、その形が意味を伝えます。
アルシバイアディーズ(墓碑銘を読む。)「ここに横たわるは、惨めな魂を失った、惨めな骸。
わが名を探すな。生き残った邪悪な悪党どもを、疫病が食らえ。
ここに眠るはタイモン、生きとし生ける人を、生前すべて憎んだ。
通りすがりに好きなだけ呪え。だが足を止めず、先へ行け。」
この言葉は、晩年のおまえの心をよく表している。
おまえは、われらの人間らしい悲しみを嫌悪し、
脳から流れ出るものを、物惜しみする自然から
落ちる、わずかな涙の滴を軽蔑した。だが豊かな想像力が、
広大なネプチューンに教えたのだ、永遠に涙を流せと、
おまえの低い墓の上へ。過ちは許そう。死んだのだ、
高貴なタイモンは。その記憶については、
またのちに語ろう。俺を町へ入れてくれ。
俺は剣とともに、オリーブの枝を用いる。
戦争に平和を産ませ、平和に戦争を止めさせる。それぞれを、
互いの病を治す医者として、互いへ処方しよう。
太鼓を鳴らせ。
