パンダーボールト。
ボールト旦那。
パンダー市場をくまなく探せ。ミティリーニは、遊び人でいっぱいだ。今度の市では、女があまりに足りず、大損した。
女将こんなに玉が不足したのは初めてだよ。哀れな三人しか残ってない。できる以上のことはできないし、休みなしに働かされて、腐ったも同然さ。
パンダーだから、どんな値でも、新しいのを仕入れよう。どんな商売にも使うべき良心がある。そうしなけりゃ、繁盛できん。
女将そのとおりさ。私たちが哀れな私生児を育てているからじゃない——私も十一人ばかり育てたと思うけど——
ボールトああ、十一歳まで育てて、それからまた落としてやった。で、市場を探してきましょうか。
女将ほかに何をするんだい。今ある品は、強い風が吹けば、ばらばらになるよ。情けないほど、ふやけちまってるから。
パンダーまったくだ。良心にかけて、不健康すぎる。あのちびのあばずれと寝た、気の毒なトランシルヴァニア人は死んだぞ。
ボールトああ、あの女があっという間に、あいつの船尾へ止めを刺した。蛆虫どもの焼肉にしちまった。じゃ、市場を探してきます。
パンダー三、四千ゼッキーノもあれば、静かに暮らして、商売を畳むのに、ちょうどいい額なんだが。
女将なぜ畳むんだい。歳を取って稼ぐのは、恥だとでも。
パンダーああ、信用は商品ほど入ってこないし、商品は危険に見合う稼ぎを生まん。だから若いうちに、ちょっとした財産を拾い集められたなら、店の戸口に閂をかけるのも悪くない。それに、神々と結んだ厳しい契約も、商売をやめるなら、こちらに有利に働くだろう。
女将何を言うんだい、ほかの稼業だって、私たちと同じに罪を犯すよ。
パンダー同じだと。ああ、もっと上手にな。だが、われらの罪のほうが悪い。それに、これは商売でさえない。天職とも呼べん。おっと、ボールトが来たぞ。
ボールト(マリーナへ。)さあ、こっちだ。旦那方、この娘は生娘だと言ったな。
第一の海賊ええ、旦那、間違いありません。
ボールト旦那、この品のため、俺が話をまとめたのは見てのとおりだ。気に入れば、それでよし。駄目なら手付金は俺の損だ。
女将ボールト、この娘に何か芸はあるのかい。
ボールト顔がよく、話し方も上品、着物もとびきり上等だ。断る理由になるような芸の不足は、もう何もない。
女将値はいくらだい、ボールト。
ボールト千金貨から、びた一文まけさせられません。
パンダーよし、旦那方、ついて来い。すぐ代金を払おう。おい、お前、娘を中へ入れろ。何をするのか教え込み、客のもてなしで、初心な真似をさせぬようにな。
女将ボールト、娘の特徴を書き留めるんだ。髪の色、肌の色、背丈、歳、それに処女の保証もつけて、「一番高く払う者が、最初に抱ける」と触れ回りな。男が昔の男らしさを残しているなら、こんな処女は安くないよ。命じたとおりにやるんだ。
ボールトすぐ実行します。
マリーナああ、リオニンがあんなにのろく、鈍かったなんて。
口を利かず、打てばよかった。あるいは、あの海賊たちに
もう少し野蛮さがあり、私を船から海へ投げ、
母を捜しに行かせてくれればよかった。
女将なぜ嘆くんだい、可愛い娘。
マリーナ私が可愛いからです。
女将さあ、神々はあんたの中で、自分たちの仕事を果たしたんだよ。
マリーナ神々を責めてはいません。
女将あんたは私の手へ舞い降りた。ここなら、生きていけそうだよ。
マリーナ死ぬはずだった、あの男の手を逃れたことが、
ますます私の過ちになります。
女将そうさ、それに快楽の中で生きるんだよ。
マリーナ嫌です。
女将嫌でも、そうなる。あらゆる姿の紳士を味見するんだ。たらふく食べ、あらゆる肌の違いを知ることになる。何だい。耳を塞ぐのかい。
マリーナあなたは女ですか。
女将女じゃないなら、何であってほしいんだい。
マリーナ貞節な女です。さもなければ、女ではありません。
女将まったく、鞭で打つよ、この雛鳥め。こいつは手がかかりそうだね。さあ、あんたは若く愚かな若木、私の望む形に曲げなきゃならない。
マリーナ神々よ、お守りください。
女将神々が男を使って、あんたを守りたいとお考えなら、男に慰めてもらい、男に食べさせてもらい、男に元気を出させてもらわなきゃ。ボールトが戻ったよ。
女将どうだい、市場じゅうで娘を触れ回ったかい。
ボールト髪の毛の数まで、ほとんど触れ回りましたよ。声で娘の肖像を描いてやりました。
女将それで、どうだい。人々の食いつき、特に若い連中は。
ボールトいやあ、父親の遺言を聞くように、俺の話へ耳を傾けましたよ。あるスペイン人なんざ、口からよだれが出すぎて、娘の話だけで寝床へ入っちまった。
女将明日には、一番上等な襞襟をつけて来るだろうよ。
ボールト今夜です、今夜。ところで女将、膝の裏を丸めて歩く、あのフランス騎士をご存じで。
女将誰だい、ヴェロール殿かい。
ボールトそう、あの人。触れを聞いて飛び跳ねようとしたが、呻き声を上げちまってね。明日、娘を見に来ると誓いましたよ。
女将まあ、まあ。あの男は病気を、よそからここへ持って来た。ここでやるのは、ただその病気を仕立て直すことさ。うちの看板の陰へ来て、日の当たるところで金貨をばらまくよ。
ボールトまったく、あらゆる国の旅人が一人ずついれば、この看板一つで、全員泊められますね。
女将(マリーナへ。)ちょいと、こっちへおいで。幸運が、あんたへ押し寄せてる。よくお聞き。自分から進んでやることを、怖々やっているように見せ、最も儲かるところで、金なんか軽蔑する顔をするんだ。こんな暮らしが悲しいと泣けば、客は憐れんでくれる。その憐れみは、たいてい客に、あんたへの好意を生み、その好意がそっくり儲けになる。
マリーナ仰る意味が分かりません。
ボールトおお、奥へ連れて行け、女将、連れて行くんだ。この娘の赤面は、今すぐ実地で消してやらなきゃならん。
女将本当だよ、そうしなきゃね。花嫁だって、正当な道として許されていることへ、恥ずかしがりながら行くんだから。
ボールトまあ、恥じる女も、恥じない女もいる。ところで女将、俺がこの肉の塊を買いつけたんなら——
女将焼串から、一切れ切り取っていいよ。
ボールトそうしていいんで。
女将誰が駄目と言うんだい。さあ、お若いの、あんたの着物の仕立ては、ずいぶん気に入ったよ。
ボールトええ、誓って、まだ着替えさせちゃいけません。
女将ボールト、その話を町じゅうへ振りまくんだ。どんな逗留客が来たか、言いふらせ。客が慣れ親しんでも、何も損はしない。自然がこの品を炎のように仕上げたとき、お前にもいい思いをさせるつもりだったんだ。だから、どれほど並ぶ者のない女か触れ回れ。自分の評判から、自分で収穫を得るんだよ。
ボールトお任せを、女将。雷鳴だって、鰻の寝床を、俺が娘の美しさを触れ回って助平どもを起こすほどには、揺り起こせません。今夜、何人か連れて帰りますよ。
女将さあ、こっちだ。ついておいで。
マリーナ炎が熱く、刃が鋭く、水が深くとも、
この処女の結び目は、解かれぬまま守ります。
ダイアナよ、この決意をお助けください。
女将私たちとダイアナに、何の関係がある。さあ、一緒に来るかい。
