クリーオンわがダイオナイザよ、ここで腰を下ろし、
人の悲しみを物語ることで、
自分たちの悲しみを忘れられるか、試してみようか。
ダイオナイザそれは火を消そうと、息を吹きかけるようなもの。
高くそびえるからと丘を掘る者は、
一つの山を崩して、さらに高い山を築きます。
ああ、苦しみに沈むあなた、私たちの悲しみも同じ。
ここでは災いの目で感じ、見るだけですが、
木々のように梢を切れば、かえって高く伸びるのです。
クリーオンああ、ダイオナイザ、
食べ物に事欠きながら、そうと言わぬ者がいるか。
飢え死にするまで、空腹を隠せる者がいるか。
舌と悲しみで、われらは嘆きを
大気の奥深くへ響かせる。目は涙を流し続け、
舌が息を取り戻して、さらに声高く叫べる時を待つ。
天が、その造った者たちの窮乏にも眠っているのなら、
助けを呼び覚まし、慰めてもらうためだ。
ならば幾年も味わった苦難を語ろう。
言う息が尽きたら、涙で力を貸してくれ。
ダイオナイザ力の限り、そういたします。
クリーオン私が治める、このタルソスは、
豊かさが両手いっぱいに恵みを与えた都だった。
富そのものが、通りにまで身を横たえていた。
塔は雲に口づけするほど高く頭を掲げ、
よそ者は見るたび、驚嘆せずにいられなかった。
男も女も、これ見よがしに着飾り、
互いを鏡にして装いを整えた。
食卓は、目を喜ばせる品で埋まり、
腹を満たすより、眺めを楽しむためにあった。
貧困はことごとく蔑まれ、驕りはあまりに大きく、
「助け」という言葉さえ、口にするのを嫌った。
ダイオナイザああ、まったくそのとおりです。
クリーオンだが見よ、天が何をなしうるか。今の変わりようを。
つい先ごろまでは、大地も海も空も、
そこに生きるものをふんだんに差し出したというのに、
満足させ、喜ばせるには狭すぎた、あの口々が、
使わぬ家が荒れ果てるように、
今では食べる営みを失い、飢えている。
二年の夏も経たぬ前には、舌を喜ばせるため、
料理人に新趣向を求めたあの口が、
今は一片のパンを喜び、物乞いまでしている。
わが子を大切に育てるためなら、
どんな珍味も惜しまぬと思った母たちが、
今は愛した小さな宝を食べようとしている。
飢えの歯はそれほど鋭く、夫と妻は、
命を長らえるため、どちらが先に死ぬか籤を引く。
ここでは一人の貴族が、あちらでは一人の貴婦人が泣く。
ここでは大勢が倒れる。だが倒れる者を見る人々にも、
埋葬する力すら、ほとんど残っていない。
これは真実ではないか。
ダイオナイザこの頬と、落ちくぼんだ目が証言しています。
クリーオンああ、豊かさの杯と、その繁栄を
惜しみなく味わう諸都市よ、
あり余る放埒のさなか、この涙を聞け。
タルソスの惨状は、明日のそなたらのものかもしれぬ。
諸侯総督閣下はどちらに。
クリーオンここだ。
急ぎ運んで来た悲報を、はっきり申せ。
慰めなど、われらの期待できぬほど遠くにある。
諸侯ほど近い海岸から、こちらへ向かう
堂々たる船団の帆を発見しました。
クリーオンやはりそうか。
悲しみは一人では来ず、必ず跡継ぎを連れて来て、
その遺産を受け継がせる。
われらの場合もそうだ。近隣の国が、
この窮状につけ込み、
あの空洞の船へ軍勢を詰め込み、
すでに倒れているわれらを、さらに打ち倒しに来た。
不幸な私を征服するために。
こんな者に勝っても、何の栄光も得られぬのに。
諸侯それは最も小さな恐れです。掲げた白旗の
様子から見れば、運んで来るのは平和です。
敵ではなく、味方として来るのでしょう。
クリーオン世間をまだ教わっておらぬ者の言い草だ。
最も美しく見せる者こそ、最も深い欺きを企む。
だが何を運び、何ができるにせよ、
われらが何を恐れる必要がある。
どん底は大地の底、われらはもう半ばまで来ている。
行って、将軍に伝えよ。ここでお待ちして、
何のため、どこから来たか、
何を求めるか伺いたいとな。
諸侯参ります、閣下。
クリーオン平和を守るなら、喜んで迎えよう。
戦ならば、われらに抗う力はない。
ペリクリーズ総督閣下、そうお聞きしているが、
わが船と兵の数を、目を脅かすために
燃え上がる烽火とは、お考えにならぬよう。
あなた方の窮状は、遠くタイアまで届き、
この通りの荒廃も目にしました。
われらはその涙に悲しみを加えるためではなく、
重い荷を取り除くために来たのです。
この船々は、もしや血に飢えた兵を腹に詰め、
滅亡を待ち構えるトロイの木馬のようだと
お思いかもしれない。だが積んでいるのは穀物です。
窮する人々のパンとなり、飢えに苦しみ、
半ば死んだ者へ命を与えるための。
一同ギリシャの神々が、あなたをお守りくださいますように。
われらはあなたのため祈ります。
ペリクリーズ立ってください、どうかお立ちを。
われらが求めるのは崇拝ではなく、愛情と、
この身、船、兵を迎え入れる港です。
クリーオンその願いに応えぬ者、
心のうちで恩を仇で返す者が一人でもあれば、
妻であれ、子であれ、われら自身であれ、
その悪行を天と人の呪いが追いますように。
その日までは——決して来ぬよう願いますが——
殿下を、この町とわれら一同、歓迎いたします。
ペリクリーズその歓迎を受け、しばらくここで宴を楽しもう。
顔をしかめる星々が、われらに微笑むまで。
