レノックスこれまでの私の話は、あなたの考えを言い当てただけのこと。
その先は、ご自分で読み解かれるがいい。ただ、これだけは言っておこう——
物事は、奇妙な運ばれ方をしてきた、と。恵み深いダンカン王は、
マクベスに憐れんでいただいた。なるほど、死んでからのことだがな。
剛勇そのもののバンクォー卿は、夜歩きが過ぎた。
あの方は、何ならこう言ってもよろしいが、フリーアンスが殺したのだ、
なにしろフリーアンスは逃げたのだから。人間、夜歩きが過ぎてはいかん。
それに、誰が思わずにいられよう、マルコムとドナルベインが、
あの恵み深い父君を殺すとは、
なんと極悪非道か、と。呪われた所業よ。
マクベスは、どれほどお嘆きになったことか。敬虔なる怒りにかられて、
即座に、あのふたりの下手人を斬り裂かれたではないか——
酒の奴隷、眠りの虜になっていた、あのふたりをな。
実に気高い行いではなかったか。ああ、そのうえ賢い行いでもあった。
あの者たちが白を切るのを聞かされたら、
生きた心臓なら誰でも、腹を立てたろうからな。というわけで、私に言わせれば、
あの方は何もかも、実に見事に運ばれた。それに、こうも思うのだ——
もしダンカンの息子たちを鍵の下に納めておいでなら——
天のお恵みで、そうはなるまいが——ふたりは思い知ったろうよ、
父殺しがどういうものかをな。フリーアンスも同じこと。
だが、静かに。話が過ぎたのと、暴君の宴に
顔を出さなかったのとが咎で、聞けば、
マクダフどのは睨まれの身の上とか。ご存じか、
あの方がどこに身を寄せておられるのかを。
貴族ダンカンの子息が——
生まれながらの権利を、あの暴君に奪われたお方だが——
イングランドの宮廷に住まわれ、信心深いエドワード王から、
それは手厚い遇され方をお受けだ。運命の意地悪も、
あの方への高い敬意を、
何ひとつ削り取れずにいるという。マクダフどのは、そこへ、
あの聖なる王に加勢を願いに行かれたのだ——
ノーサンバランドと、戦巧者のシーワードを起こしてもらうために。
その助けによって——上なる神が
この企てを裏書きしてくださって——われらが再び、
食卓に肉を、夜々に眠りを取り戻し、
祝いの宴から血まみれの刃物を追い払い、
まことの忠誠を捧げ、汚れのない栄誉を頂けるように、と。
今のわれらが、飢え渇いて求めているものばかりだ。そして、この知らせが、
王をひどく苛立たせて、
何やら戦の支度を始めているそうな。
レノックスマクダフどのに、使いを出したのか。
貴族出した。だが、「いや、私は参らん」ときっぱり断られ、
むっつり顔の使者は、くるりと背を向けて、
何やら唸ったそうだ、「この返事を持たされたことを、
悔やむ日が来ますぞ」とでも言いたげにな。
レノックスそれならそれで、あの方も、
用心なさるがいい。その知恵の許す限り、
距離を取っておかれることだ。どこかの聖なる天使が、
イングランドの宮廷へ飛んで行って、あの使者の着く前に、
その使いの趣を告げてくれるといい。素早い祝福が、
呪われた手の下で苦しむ、このわれらの国へ、
一日も早く戻って来るように。
貴族私の祈りも、その天使に持たせてやろう。
