エドマンド公爵に確かめて参れ——最後に決めた方針のままか、
それとも、その後、誰かの入れ知恵で、
進路を変える気になられたのかを。あの方は、心変わりと
自責の念のかたまりだ。動かぬご意向を、聞いて来い。
リーガン姉の使いの者は、きっと途中で災難に遭ったのです。
エドマンドその心配は、ありますな。
リーガンねえ、あなた、
わたくしがあなたに差し上げるつもりの厚意は、ご存じのはず。
教えてくださいな——正直に——いいこと、まことだけを仰い——
あなた、姉を愛しているのではなくて?
エドマンド敬愛はしております。
リーガンでも、義兄上だけの道を通って、
あの禁じられた場所まで、行ったことはないの?
エドマンドそのお考えは、御身を貶めるだけのもの。
リーガン心配なのです、あなたが姉と結ばれて、
懐の底まで、あの人のものになっているのではないかと。
エドマンド断じて、名誉にかけて、ありません。
リーガン姉を許しておくことなど、わたくしには決してできない。ねえ、あなた、
あの人と親しくしないで。
エドマンドご心配なく。——
あの方と、その夫君の公爵のお出ましだ。
ゴネリル(傍白。)戦に負けるほうがましだわ、あの妹に、
あの方とわたくしの仲を引き裂かれるくらいなら。
オールバニわが親愛なる義妹どの、よくぞお会いできた。
——卿よ、聞くところでは、王は娘御のもとに身を寄せられたそうだ。
わが国政の苛烈に、声を上げるほかなくなった
人々も一緒にな。わしは、正直でいられぬところでは、
勇敢であれたためしがない。この度の戦は、
フランスがわが国土を侵すからこそ、わしらに関わるのだ。
フランス王が王を担ぎ、その旗の下に、まことに正当で重い訳あって
立ち向かって来る人々が集うから、ではない。
エドマンド気高い仰せです。
リーガンなぜ、そんな理屈をお並べに?
ゴネリル敵に向かって、力を合わせればよいこと。
こんな内輪の、私ごとの揉めごとは、
ここで争う話ではないでしょう。
オールバニそれでは、歴戦の者たちを交えて、
われらの手筈を決めるとしよう。
エドマンドすぐに、御陣所へ参上いたします。
リーガンお姉様も、ご一緒でしょう?
ゴネリルいいえ。
リーガンそのほうが都合がよろしくてよ。どうぞ、ご一緒に。
ゴネリル(傍白。)ははあ、その謎々なら解けているわ。——参りましょう。
エドガーこれほど貧しい男と、お言葉を交わされたことがおありなら、
ひと言だけ、お聞きください。
オールバニすぐに追いつく。——申せ。
エドガー戦を始められる前に、この手紙をお開けください。
勝利を得られましたら、これを持参した者のために、
喇叭を吹かせてください。こんな惨めな身なりですが、
そこに書かれたことを証してみせる闘士を、
連れて参ることができます。万一、敗れられたときは、
あなたのこの世の御用も終わり、
たくらみも、それまでのこと。運命のご加護を。
オールバニ手紙を読むまで、待たんか。
エドガーそれは禁じられております。
時が参りましたら、伝令に呼ばわらせてください。
そうすれば、再び姿を見せまする。
オールバニでは、達者でな。その紙には、目を通しておこう。
エドマンド敵が見えました。軍勢の陣立てを。
これが、入念な物見で探り出した、
敵のまことの兵力の見積もりです。ですが、今は、
お急ぎこそが肝要。
オールバニ時に合わせて、参ろう。
エドマンドこの姉妹の両方に、俺は愛を誓った。
互いに相手を妬み合うことといったら、まむしに刺された者が、
まむしを憎むほどのもの。さて、どちらを取る?
両方か。片方か。それとも、どちらも取らぬか。両方が生きていては、
どちらも楽しめん。寡婦のほうを取れば、
姉のゴネリルが怒り狂う。
かといって、あの夫が生きていては、
俺の側の分け前も、まず取り立てられん。よし、当面は、
戦のために、あの男の看板を使わせてもらおう。それが済んだら、
あの男を厄介払いしたがっている女に、
手早い始末を工夫してもらうまでよ。あの男が心づもりしている、
リアとコーディリアへの慈悲とやらについては——
戦が済んで、ふたりがこちらの手に落ちたら、
その赦しの沙汰は、金輪際、日の目を見させん。俺の身の上は、
守り抜くためにあるので、談合するためにあるのではないのだ。
