ノーフォーク今こそ皆で訴えを一つにし、
揺るがぬ決意で押し通せば、枢機卿は
その重みに耐えられぬ。この好機を
逃すなら、約束はできない、
いま背負う屈辱に加えて、さらに新たな辱めを
受けずに済むとは。
サリー嬉しいことだ、
どんな些細な機会でも出会えれば、
義父の公爵を思い起こし、
あの男へ復讐できるなら。
サフォーク貴族のうち誰が、
あの男に侮られず通り過ぎた? 少なくとも、
不当に無視されなかった者が? あの男が
自分以外の誰かにある
高貴な血の刻印を、いつ尊んだ?
侍従長猊下方、お望みのままお話しだ。
あの男があなた方や私から何を受けるに値するかは分かる。
だが今、時勢がこちらに道を開いていても、
われらに何ができるか、私はひどく不安だ。国王への
接近を阻めぬなら、決して
手を出してはならない。あの男の舌には、
国王を惑わす魔力がある。
ノーフォークああ、恐れるな。
その呪文はもう切れた。国王は、
あの甘い舌を永遠に台無しにする
証拠をつかんだ。もう駄目だ、陛下の怒りは
固まり、逃げ道はない。
サリー閣下、
こんな知らせなら喜んで、
一時間ごとに聞きたい。
ノーフォーク信じろ、本当だ。
離婚問題での反対工作が
すべて明るみに出た。その姿たるや、
敵がこうなれと私が望むまま。
サリーどうして、
あの企みが露見した?
サフォークまことに奇妙な成り行きで。
サリーああ、どうして、どうして?
サフォーク枢機卿が教皇に宛てた手紙が届き損ね、
国王の目に入った。そこには、
枢機卿が教皇聖下へ、離婚の裁定を
止めるよう願ったとあった。成立すれば、
「私には分かります」と言うのだ、「わが国王は
王妃の侍女、アン・ブーリンという者への
恋情に絡め取られております」と。
サリー王はこれを?
サフォーク間違いない。
サリー効き目はあるか?
侍従長国王はここに、あの男がどう自分の進路を
迂回し、生垣で守るかを見抜かれた。だがこの点で
策はすべて座礁、薬を運んでも
患者の死後では遅い。国王はすでに
あの美しい方と結婚された。
サリーそうであってほしい!
サフォーク閣下、そのお望みが叶ったことをお喜びください!
確かに、もう叶っています。
サリーならば、わが喜びのすべてよ、
その結びつきに続け!
サフォーク私も「アーメン」と!
ノーフォーク誰もがそう言う!
サフォーク王妃の戴冠式を行うよう命が出た。
もっとも、これはまだ生まれたての話、聞かせずに
おくべき耳もあろう。だが、猊下方、
あの方は華やかで、心も
姿も申し分ない。きっと、あの方から
この国へ何か祝福が降り、
末永く記憶されるだろう。
サリーだが国王は、
枢機卿のこの手紙を呑み込んでしまわれるのか?
神よ、お許しになりませんよう!
ノーフォークまさしく、アーメン!
サフォークいや、いや。
まだほかにも蜂があの鼻先でうなり、
この針を早く刺させる。カンペイアス枢機卿が
ローマへひそかに逃げた。暇乞いもせず、
国王の訴えを手つかずで残し、そして
わが枢機卿の手先として急ぎ、
その企みをすべて援護しに行った。断言する、
これを知った国王は「何!」と叫ばれた。
侍従長さあ、神よ、陛下の怒りを燃え立たせ、
もっと大声で「何!」と叫ばせたまえ!
ノーフォークだが閣下、
クランマーはいつ戻る?
サフォーク意見書はもう戻ってきた。それが、
離婚について国王を納得させた、
キリスト教世界のほぼすべての
名高い大学の意見とともに。近く、
再婚と、その方の
戴冠が公表されるだろう。キャサリンはもう
王妃とは呼ばれず、皇太子未亡人、
アーサー王子の寡婦と呼ばれる。
ノーフォークそのクランマーは
立派な男だ、国王の案件で
大いに骨を折った。
サフォークそのとおり。そしてその働きで、
大主教になる姿を見られよう。
ノーフォークそう聞いている。
サフォークそのとおりだ。
枢機卿だ!
ノーフォーク見ろ、見ろ、ひどく沈んでいる。
ウルジーあの書類包みだ、クロムウェル。
国王へ渡したか?
クロムウェル寝室で、陛下ご自身の手へ。
ウルジー陛下は中の書類をご覧になったか?
クロムウェルすぐに
封を切られました。最初の一通をご覧になると、
真剣なご様子で、お顔には
注意深い色がありました。猊下には、
今朝ここで待つよう仰せでした。
ウルジー陛下はもう、
表へお出ましか?
クロムウェルもう、そうかと存じます。
ウルジーしばらく一人にしてくれ。
ウルジー相手はアランソン公爵夫人、
フランス王の妹だ。国王には彼女を娶らせる。
アン・ブーリンだと! 断じてならぬ。ブーリン女など御免だ。
美しい顔だけの話ではない。ブーリンだと!
いや、ブーリン女はならぬ。早く
ローマから知らせを受けたい。ペンブルック侯爵夫人だと!
ノーフォーク不満らしい。
サフォークおそらく、国王が
あの男への怒りを研いでいると聞いたのだ。
サリー十分に鋭くあれ、
神よ、あなたの正義のために!
ウルジー(傍白。)前王妃の侍女、騎士の娘が、
女主人の女主人になる! 王妃の上の王妃だ!
この蝋燭は濁って燃える。私が芯を切らねば。
そうすれば消える。貞淑で、
功績ある女だと知ってはいるが、それでも
短気なルター派だとも知っている。あの女が、
意のままにならぬ国王の胸に寝るのは、われらの
大義にとって健全ではない。さらにまた、
異端者、それも大物のクランマーが頭をもたげた。
国王の寵愛へ這い込み、
いまやご託宣役だ。
ノーフォーク何かに腹を立てている。
サリーその何かが、心の琴線を、
命の根弦を、すり切らせればいい!
サフォーク国王だ、国王だ!
ヘンリー王なんという富の山を、あの男は
自分の取り分に積み上げた! しかも時々刻々、
なんという出費が流れ出る! 節倹の名にかけて、
どうやってこれを掻き集めたのだ! ところで、諸卿、
枢機卿を見たか?
ノーフォーク陛下、私どもは
ここであの男を観察しておりました。何か異様な騒ぎが
頭の中にあります。唇を噛み、はっと身を震わせ、
突然立ち止まり、地面を見つめ、
それからこめかみに指を当て、たちまち
足早に歩き出し、また止まり、
胸を強く叩いたかと思えば、
月へ向けて目を放つ。このうえなく奇妙な姿を
幾度も取るのを見ました。
ヘンリー王それも道理だ、
心の中で反乱が起きている。今朝、
私が求めたとおり、国務の書類を
調べるよう送ってきた。何を見つけたと思う、
その中に——良心にかけて、うっかり入れたのだろう?
なんと、財産目録だ。内容はこうだ。
あの男が持つ銀器、財宝、
豪奢な織物、家の調度の数々。どれも
あまりに法外な値で、
一臣下の所有を超えている。
ノーフォーク天のご意志です。
何かの霊がこの紙を包みに入れ、
陛下のお目を祝福したのでしょう。
ヘンリー王あの男の黙想が地上を超え、
霊的なものへ注がれていると思えるなら、
その思索に浸らせておこう。だがどうも、
考えは月より下、これほど
真剣に思い巡らす
値打ちもないものらしい。
ウルジー天よ、私をお赦しください!
神よ、常に国王陛下を祝福したまえ!
ヘンリー王枢機卿、
そなたは天上の事柄で満ち、心の中に
最高の徳の目録を携えている。それを
いま繰っていたのだな。霊的な余暇から
わずかな時を盗み、地上の勘定を
つける暇もほとんどない。まこと、その点で
そなたは家計の下手な亭主だ。そこだけは
私の仲間だと思えて嬉しいぞ。
ウルジー陛下、
聖務にはその時間を。私が国のうちで
担う政務を考えるにも、その時間を設けております。
また自然は、命を保つための
時間を求めます。そのため必然に、
そのか弱い息子たる私は、死すべき同胞と同じく、
心を配らねばなりません。
ヘンリー王よく申した。
ウルジーそして常に陛下が、私の
正しい行いと正しい言葉を、私が理由を差し出すまま、
一つの軛につないでくださいますよう!
ヘンリー王また、うまく申した。
よいことを言うのも、一種の善行だ。
だが言葉は行いではない。父王はそなたを愛した。
そう言い、さらに行いによって、
その言葉に冠を授けた。私が王位を得てからも、
そなたを心のすぐそばに置いた。高い利益を
得られる職へ任じただけではなく、
いま持つものを削ってまで、
そなたへ恩恵を授けた。
ウルジー(傍白。)これは何を意味する?
サリー(傍白。)神よ、この成り行きをさらに大きく!
ヘンリー王私はそなたを、
国の第一人者にしなかったか? 答えてみよ、
いま私が述べたことを真実と認めるか。
認められるなら同時に、私へ
恩義があるかないかも申せ。どうだ?
ウルジーわが君、日々私に降り注ぐ王恩は、
周到に考えた私の務めでは報いきれぬほどで、
その大きさは、あらゆる人の努力を
超えております。私の努力はいつも
願いに届かぬながら、
能力の限りを尽くしました。私自身の目的は
私のものであっても、常にその先を
陛下の至聖なる御身の幸福と
国家の利益へ向けておりました。過分な恩寵を
値せぬ私に積み上げてくださったことへ、
お返しできるのは忠節な感謝と、
陛下のため天へ捧げる祈り、そして忠誠のみ。
その忠誠はこれまでも、これからも育ち続け、
冬なる死に枯らされるまで。
ヘンリー王見事な答えだ。
忠実で従順な臣下が
そこに描き出された。その誉れが
行いへの報酬となる。反対なら、
醜さそのものが罰となる。思うに、
私の手がそなたへ惜しみなく恩恵を開き、
心が愛を滴らせ、力が誉れを雨と降らせたのは、
誰よりそなたへ多かった。それゆえ、そなたの手も心も、
頭脳も、力の働きの一つ一つも、
臣下としての義務の絆に加えて、
いわば特別な愛から、誰よりも
友である私のためにあるはずだ。
ウルジー誓って申し上げます、
陛下のため、常に自分のためより
多く働いてきたと。今も、過去も、未来も——
たとえ全世界が陛下への義務を砕き、
魂から投げ捨てようと。たとえ危険が
思い描けるかぎり密集してあふれ、
さらに恐ろしい姿で現れようと——なお私の忠誠は、
荒れ狂う流れに立ちはだかる岩のように、
この猛る川の襲来を砕き、
揺るがず陛下のものです。
ヘンリー王気高い言葉だ。
諸卿、よく見よ、忠実な胸の内だ、
本人が開いて見せたのだから。これを読め。
ヘンリー王そのあと、こちらも。それから朝食を取れ、
残っている食欲でな。
ウルジーこれはどういうことだ?
この突然の怒りは何だ? 私はどうして招いた?
陛下は破滅が目から
飛び出すように、私を睨んで去った。傷つけられ、
怒った獅子が大胆な猟師を睨む顔だ。
そして一瞬で無にする。この紙を読まねば。
恐らく、陛下の怒りの顛末だ。やはり。
この紙が私を滅ぼした。これは、
自分の目的のため掻き集めた
あの莫大な富の総目録。そう、教皇位を得て、
ローマの友に金を握らせるための。何という不注意!
愚か者が身を滅ぼすにふさわしい。どんな邪悪な悪魔が
この最大の秘密を、国王へ送る
包みに入れさせた? 治す手立てはないか?
新たな策で、陛下の頭から追い払えぬか?
激しく怒らせるのは分かる。だがそれでも
うまく運べば、運命に逆らって
また切り抜ける策を知っている。これは何だ? 「教皇へ」!
手紙だ、間違いない。教皇聖下へ書いた
案件のすべてまで。ならば、さらばだ!
わが栄華の最高点へ触れた。
そして、栄光の真昼の頂から、
いま沈む方へ急ぐ。私は落ちる、
夕空に光る流星のように、
二度と誰の目にも映らない。
ノーフォーク枢機卿、国王のご意向を聞け。陛下は命じられた、
ただちに国璽を
われらの手へ返し、そして、
ウィンチェスター卿のアッシャー館へ蟄居し、
さらにご沙汰あるまで待てと。
ウルジー待て。
諸卿、委任状はどこにある? 言葉だけでは、これほど重い
権限を運ぶことはできぬ。
サフォーク王ご自身の口から出た御意志を
運ぶ言葉に、誰が逆らうというのだ?
ウルジーそれを行うに足る、意志や言葉以上のものを示されるまでは、
つまり、そなたらの悪意以上のものをな、知っておけ、お節介な諸卿、
私は拒む勇気がある、拒まねばならぬ。今こそ分かった、
嫉妬よ、そなたらがどれほど粗悪な金属から鋳られたか。
なんと貪欲に、わが不名誉を追いかける、
それが餌であるかのように! そしてわが破滅をもたらすものなら、
何に対しても、なんと艶やかに浮かれ騒ぐことか!
嫉妬の道を進むがよい、悪意の者ども。
キリスト教徒としてのお墨付きがあるのだろう。そして疑いなく、
時が来れば、ふさわしい報いを見つける。この国璽は、
そなたらがそれほど乱暴に求めているものは、王が、
私とそなたらの主君が、その御手で私に授けられた。
地位と栄誉とともに、それを保つよう命じ、
生涯にわたり。そして御厚意を確かなものにするため、
勅許状で保証された。さあ、誰が奪う?
サリーそれを与えた王だ。
ウルジーならば、王ご自身が来られねばならぬ。
サリー高慢な反逆者め、坊主。
ウルジー高慢な貴族め、嘘をつくな。
四十時間前のサリーなら、そう言うより
その舌を焼くほうを選んだはずだ。
サリーそなたの野心が、
緋色をまとった罪人め、この嘆き悲しむ国から
高貴なバッキンガム、わが義父を奪った。
そなたの同輩たる枢機卿全員の首を、
そなたと、そなたの最上の部分すべてに束ねても、
あの方の髪一本の重さにもならぬ。呪われよ、そなたの奸計!
そなたは私をアイルランド総督として送り出した。
あの方を助ける者からも、王からも、
そなたが着せた罪に慈悲を示しうる者すべてからも遠くへ。
その間に、そなたの偉大な善意は、聖なる憐れみから、
斧でもってあの方を赦免した。
ウルジーこのことも、それ以外のすべても、
この口数の多い貴族がわが名誉に着せるものは、
まったくの偽りだと答えよう。公爵は法により
相応の報いを受けた。その最期について、私に
個人的な悪意がまったくなかったことは、
高貴な陪審と、おぞましい訴因が証している。
私が多弁を好むなら、こう言ってやるところだ、
そなたは名誉に劣らず誠実さにも乏しい。
わが永遠の王たる主君への
忠誠と真実の道において、
サリーと、その愚行を愛する者全員より
健全な男へ、あえて張り合おうとするのだから。
サリー魂にかけて、
坊主、その長衣がそなたを守っている。さもなければ、
この剣を命の血の中に感じさせるところだ。諸卿、
この傲慢を聞いて耐えられるのか?
しかも、この男から? われらがこれほどおとなしく生き、
緋色の布切れに駄馬のように酷使されるなら、
貴族の身分に別れを告げよ。猊下にはそのまま進ませ、
雲雀をおびき寄せるように、帽子を振ってわれらを挑ませればよい。
ウルジーあらゆる善が
そなたの胃には毒なのだ。
サリーそう、その善行だ。
国じゅうの富を一か所へ刈り集める善行、
枢機卿、強奪によって、そなた自身の手の中へ。
王に背いて教皇へ書き、差し押さえられた
そなたの書状という善行。そなたの善行を、
私を挑発したからには、天下に知れ渡らせてやる。
ノーフォーク卿、あなたが真に高貴な方なら、
公共の善と、蔑まれた
われら貴族の境遇と、われらの子孫を心にかけるなら、
この男が生きていれば、紳士でいることさえ難しくなる子孫のため、
罪の総計、生涯から集めた
告発条項をお示しください。枢機卿、そなたを
警鐘よりひどく震え上がらせてやる、褐色の女が
そなたの腕で口づけしていた時に鳴った警鐘よりもな。
ウルジーこの男をどれほど軽蔑できることか、
慈愛の掟に止められていなければ!
ノーフォーク告発条項は、王のお手元にある。
ただし、これだけは言える、おぞましい内容だ。
ウルジーならば、なおさら美しく、
一点の汚れもなく、わが無実は立ち上がる、
王が私の真実を知れば。
サリーそれでは救われぬ。
記憶に感謝しよう、まだいくつかの条項を
覚えている。すべて吐き出してやる。
さあ、赤面して「有罪」と叫べるなら、枢機卿、
少しは誠実さを見せられるぞ。
ウルジー続けよ、閣下。
最悪の異議でも受けて立つ。私が赤面するとすれば、
貴族に礼儀が欠けているのを見るからだ。
サリー礼儀より首を欠くほうが御免だ。さあ、参るぞ!
第一に、王の同意も承知もなく、
教皇特使の地位を得ようと画策し、その権力で
すべての主教の裁判権を損なった。
ノーフォーク次に、ローマや、ほかの
異国の君主へ送るあらゆる文書に、「我とわが王」と
常に記し、それによって王を
そなたの召使いの位置へ置いた。
サフォーク次に、王にも
枢密院にも知らせず、皇帝への
大使として出向いた際、勝手にも
国璽をフランドルまで持ち出した。
サリー加えて、グレゴリオ・デ・カサドへ
広範な権限を送って、王の御意志も
国家の承認もなく、陛下とフェラーラとの
同盟を締結させた。
サフォーク純粋な野心から、王の貨幣に
そなたの聖なる帽子を刻印させた。
サリーさらに、数え切れぬ財産を送り——
どう得たかは、そなた自身の良心に任せる——
ローマを潤し、そなたが望む
高位への道を整えた。それによって
王国全体をただ破滅させた。まだ数多くあるが、
そなたに属し、あまりに忌まわしいゆえ、
私の口を汚してまで語るまい。
侍従長おお、閣下、
倒れゆく者を、そこまで追い詰めてはなりません! 徳をお示しください。
罪は法の前にさらされている。閣下でなく、
法に正させるのです。かつての偉大な姿を
これほど失った方を見ると、心が泣きます。
サリーこの男を赦そう。
サフォーク枢機卿、王のさらなる御意向を伝える。
そなたが近ごろ、教皇特使の権限を用いて
この王国内でなした行為はすべて、
王権蔑視罪に該当する。
ゆえに、そなたを訴追する令状を請求する。
すべての動産、領地、家屋、
財物、そのほか一切を没収し、
王の保護の外へ置く。以上が私の任務だ。
ノーフォークでは、そなたを瞑想のうちに残そう、
どうすればもっと善く生きられるかを。国璽をわれらへ
返すことについての強情な返答は、
王のお耳に入れよう。疑いなく、お褒めにあずかるだろう。
ではごきげんよう、わが小さな、善き枢機卿。
ウルジーならば、そなたらが私に抱く、わずかな善意にも別れを。
さらば! 長い、長い別れだ、わが栄華のすべてよ!
これが人の身の有様。今日、希望の
柔らかな葉を広げ、明日は花咲き、
頬を染めた栄誉の実を、身いっぱいにつける。
三日目に来るのは霜、命を奪う霜。
そして善良で気楽な男が、自分の栄華は
もう実りつつあると信じ切った時、根を噛み切り、
男は倒れる、今の私のように。私は賭けた、
膨らませた浮き袋で泳ぐ、やんちゃな小僧のように、
長い夏のあいだ、栄光の海へ。
だが、とうに足の届かぬ深みへ来ていた。高く膨れた高慢は
ついに私の下で破れ、今、私を置き去りにした、
奉仕に疲れ、老いた身を、
荒々しい流れの慈悲に委ねて。その流れが永遠に私を隠す。
この世の空しい華美と栄光よ、私はそなたらを憎む。
心が新たに開くのを感じる。おお、なんと哀れなのだ、
君主の寵愛にすがる貧しい男は!
われらが届こうと望むあの微笑み、
君主の優しい御顔と、君主がもたらす破滅との間には、
戦や産みの苦しみより、さらに多くの激痛と恐怖がある。
そして男が落ちる時、ルシファーのように落ち、
二度と希望を抱けない。
ウルジーどうした、クロムウェル!
クロムウェルお言葉を申し上げる力もありません、猊下。
ウルジー何だ、わが不運に
呆然としているのか? 偉大な男が衰えることを
そなたの魂は不思議に思うのか? いや、そなたが泣くなら、
私は本当に落ちたのだ。
クロムウェルお加減はいかがです、猊下?
ウルジーああ、よい。
これほど真に幸せだったことはない、善きクロムウェル。
今や自分自身を知った。身の内に感じるのは、
地上のあらゆる高位を越える平安、
静かで穏やかな良心だ。王が私を治してくださった、
謹んで陛下に感謝する。そして、この両肩から、
崩れた柱から、憐れみによって取り除いてくださった、
艦隊さえ沈める重荷、過大な栄誉を。
おお、これは重荷だ、クロムウェル、重荷なのだ、
天国を望む人間には重すぎる!
クロムウェル猊下がそれを正しく受け止められたことを、嬉しく思います。
ウルジーそうできたと思う。今の私なら、
魂に感じる、この強さによって、
さらに多く、はるかに大きな苦難にも
耐えられる、心弱き敵どもが加える勇気を持つ以上の。外には
どんな知らせがある?
クロムウェル最も重く、最悪の知らせは、
王の御不興を受けたことです。
ウルジー神よ、王を祝福したまえ!
クロムウェル次に、トマス・モア卿が猊下に代わり、
大法官に選ばれました。
ウルジーいささか急だな。
だが、学識ある方だ。長く
陛下の御寵愛を受け、真実と
良心のために正義を行われますように。そして生涯を
走り終え、祝福のうちに眠る時、その遺骨に
孤児たちの涙で築いた墓が置かれますように!
ほかには?
クロムウェルクランマーが歓迎のうちに戻り、
カンタベリー大主教に就任しました。
ウルジーそれはまことの知らせだ。
クロムウェル最後に、アン様が、
王と長らく密かに結婚しておられましたが、
今日、礼拝堂へ向かう折、公に王妃として披露されました。
今、人々が口にするのは、
あの方の戴冠式のことばかりです。
ウルジーそれこそ私を引きずり下ろした重りだ。おお、クロムウェル、
王は私の先を行かれた。わが栄光のすべてを
あの一人の女によって永遠に失った。
二度と太陽が、わが栄誉を先導して昇ることはなく、
わが微笑みに付き従った高貴な一団を、
再び金色に輝かせることもない。さあ、私から離れよ、クロムウェル。
私は哀れな失脚者、もはや
そなたの主となるに値しない。王のもとへ行け。
あの太陽が決して沈まぬよう、私は祈る! 王には伝えてある、
そなたがどんな人間で、どれほど誠実かを。王はそなたを引き立てる。
私についてのわずかな記憶も、王の心を動かし——
その高貴な性質を私は知っている——
将来を約束されたそなたの奉仕まで滅ぼさせはしない。善きクロムウェル、
王をおろそかにするな。今こそ機会を使い、
自らの未来の安全を備えよ。
クロムウェルおお、猊下、
では、私はあなたを離れねばならないのですか? どうしても手放すのですか、
これほど善く、高貴で、誠実な主を?
鉄の心を持たぬ者は、すべて証人となってください、
どれほどの悲しみで、クロムウェルが主と別れるかを。
王には奉仕を捧げます。ですが、私の祈りは
永遠に、いつまでも、あなたのものです。
ウルジークロムウェル、あらゆる苦難の中でも
涙を流すまいと思っていた。だがそなたの
誠実な真心が、私に女の役を演じさせた。
目を拭おう。そして、ここまでは聞いてくれ、クロムウェル。
やがて私が忘れられ、必ずそうなるのだが、
鈍く冷たい大理石の中で眠り、もう誰も
私のことを口にしなくなった時、私が教えたと言ってくれ。
かつて栄光の道を踏み歩き、
栄誉の深みも浅瀬も、ことごとく測ったウルジーが、
その難破から、そなたが昇る道を見つけたと。
確実で安全な道を、そなたの主は見失ったが。
ただ、わが転落と、私を滅ぼしたものを心に刻め。
クロムウェル、命ずる、野心を投げ捨てよ。
その罪によって天使も堕ちた。ならば人間が、
造物主の似姿にすぎぬ者が、それで勝てるとどうして望める?
己を愛するのは最後にせよ。そなたを憎む心をいたわれ。
不正が、誠実さより多くを勝ち得ることはない。
いつも右手に、穏やかな平和を携え、
妬みの舌を黙らせよ。正しくあれ、恐れるな。
そなたが目指すすべての目的を、祖国のため、
神のため、真実のためとせよ。そうすれば倒れても、おお、クロムウェル、
そなたは祝福された殉教者として倒れる! 王に仕えよ。
そして——どうか私を中へ導いてくれ。
そこで、私の持つすべての目録を取れ、
最後の一ペニーまで。すべて王のものだ。わが法衣と、
天に捧げる誠実さ、それだけが
今、自分のものと呼べるすべて。おお、クロムウェル、クロムウェル!
私が王に仕えた熱意の半分でも
神に仕えていたなら、神は老いた私を
敵の前へ裸で置き去りにはしなかっただろう。
クロムウェル猊下、どうかお心を強く。
ウルジーそうしている。さらば、
宮廷への望みよ! わが望みは天に住む。
