ヘンリー王副官よ、今や、神と友らが、
エドワードを王座から振り落とし、
囚われの身を、自由へ、
恐れを、希望へ、悲しみを、喜びへ変えてくれた。
われらの解放に際し、そなたへ支払うべき報酬は、何だ?
副官臣下は、君主へ、何一つ求める権利を持ちません。
ですが、卑しい願いが、お聞き届けいただけるなら、
陛下のお許しを、お願い申し上げます。
ヘンリー王何についてだ、副官? 私を手厚く扱ったことか?
いや、安心せよ。そなたの親切には、十分に報いよう。
それが、わが幽閉を、楽しみに変えてくれた。
そう、籠の鳥が味わうような、楽しみに。
陰鬱な思いを、幾度も巡らせた末、
家の中に響く、調和した歌声を聞き、
ついには、自由を失ったことを、すっかり忘れる鳥のように。
だが、ウォリック、神に次いで、私を解放したのは、そなただ。
ゆえに、何より、そのことで、神とそなたへ感謝する。
神が、事を始めた方、そなたが、その手段だった。
そこで、身を低くして生き、運命が傷つけられぬ所へ退き、
運命の悪意に勝つために、
また、この祝福された国の民が、
私に逆らう星の巡りによって、罰せられぬために、
ウォリック、わが頭が、なお王冠をかぶるとはいえ、
ここに、国の統治を、そなたへ譲る。
そなたは、行うすべてにおいて、幸運だからだ。
ウォリック陛下は、これまでも、徳高き方として名を知られてきました。
そして今、運命の悪意を見抜き、避けることによって、
徳高いのと同じほど、賢明にも見えましょう。
星の巡りへ、正しく身を合わせられる者は、僅かですから。
それでも、一点だけ、陛下を、お責めせねばなりません。
クラレンスが、ここにいるのに、私を選ばれるとは。
クラレンスいや、ウォリック、統治するに値するのは、そなただ。
そなたの生まれたとき、天は、
平和にも戦にも、祝福される者として、
オリーブの枝と、月桂冠を授けると、定めた。
ゆえに、私は、進んで同意する。
ウォリックならば、私は、クラレンスだけを、護国卿に選ぶ。
ヘンリー王ウォリック、クラレンス、ともに、手を出してくれ。
さあ、手と手を、そして、手とともに、心と心を結べ。
いかなる不和も、国の統治を妨げぬように。
そなたたち二人を、この国の護国卿とする。
その間、私自身は、私人として暮らし、
晩年を信仰に捧げよう。
罪を戒め、わが創造主を讃えるために。
ウォリック君主のご意志へ、クラレンスは、どう答える?
クラレンスウォリックが同意するなら、私も同意する。
わが身を、そなたの幸運に委ねているからだ。
ウォリックならば、不本意ではあるが、受け入れねばなるまい。
われらは、ヘンリーのお体へ添う、二重の影のように、
一つの軛につながれ、その役目を代わりに果たそう。
つまり、国王が名誉と安らぎを享受する間、
統治の重荷を、われらが背負うのだ。
そして、クラレンス、今や、何より必要なのは、
ただちに、エドワードを逆賊と宣言し、
その領地と財産を、すべて没収することだ。
クラレンスそれだけではない。王位継承の順も、定めねばならぬ。
ウォリックそうだ。その点でも、クラレンスの取り分を、欠かせはしない。
ヘンリー王だが、そなたたちが行う、最初の大事として、
お願いしたい。私は、もはや命じはしない。
そなたたちの王妃マーガレットと、わが息子エドワードへ使いを送り、
急ぎ、フランスから帰らせてほしい。
二人を、ここで見るまでは、
疑いに満ちた恐れにより、自由を得た喜びも、半ば翳る。
クラレンスわが君主、ただちに、そのとおりいたします。
ヘンリー王サマセット卿、そなたが、
それほど優しく気遣う、その若者は、誰だ?
サマセット陛下、若きヘンリー、リッチモンド伯爵でございます。
ヘンリー王こちらへ来なさい、イングランドの希望よ。
ヘンリー王目に見えぬ力が、わが予言する思いへ、
真実だけを囁いているのなら、
この愛らしい少年は、わが国の祝福となるだろう。
その顔には、穏やかな威厳が満ち、
その頭は、生まれながら、王冠をかぶる形に作られ、
その手は、王笏を握るためのもの。
そして、この者自身も、時が来れば、
王座へ祝福をもたらす者と見える。
皆、この者を大切にせよ。この少年こそ、
私が、そなたたちを傷つけた以上に、そなたたちを助ける者だ。
ウォリック友よ、知らせは何だ?
急使エドワードが、あなたの兄上のもとから脱走し、
その後に聞いたところでは、ブルゴーニュへ逃げました。
ウォリック不快な知らせだ! だが、どうやって逃れた?
急使グロスター公爵リチャードと、ヘイスティングズ卿が、
エドワードを連れ去りました。
森の外れで、密かに待ち伏せし、
大司教の猟師たちから、救い出したのです。
狩りが、エドワードの日課だったために。
ウォリック兄は、預かった者への注意が、足りなさすぎた。
だが、わが君主、ここを発ち、
これから生じる、どのような傷にも、
塗る薬を、用意いたしましょう。
サマセットオックスフォード卿、私は、エドワードの、この逃亡が気に入らぬ。
ブルゴーニュが、奴へ援助を与えることは、疑いない。
遠からぬうち、われらには、さらなる戦が起ころう。
先程の、ヘンリーの先を見通す予言が、
この若きリッチモンドへの希望で、わが心を喜ばせたのと同じく、
今、わが心は、この争いの中で、
この者と、われらを害する、どのような災いが、
降りかかるかもしれぬと、胸騒ぎを覚えている。
ゆえに、オックスフォード卿、最悪の事態を避けるため、
ただちに、この者を、ここからブルターニュへ送りましょう。
内戦という嵐が、過ぎ去るまで。
オックスフォードそうだ。エドワードが、再び王冠を手にすれば、
リッチモンドも、ほかの者たちとともに、倒されるだろう。
サマセットそのようにしよう。この者を、ブルターニュへ送る。
さあ、急いで取りかかろう。
