ヘンリー王この戦いは、朝に起きる争いのようだ。
消えゆく雲と、育つ光が競い合い、
羊飼いが、冷えた指へ息を吹きかける時刻には、
明らかな昼とも、夜とも、呼べぬ。
今は、こちらへ傾く。大いなる海が、
潮に押され、風と戦うように。
今度は、あちらへ傾く。同じ海が、
風の猛威に押され、退くように。
ある時は、潮が勝り、次には風が。
今は一方が優れ、次には、もう一方が最も優れる。
互いに、勝者となろうと、胸と胸で引き合いながら、
どちらも勝者でなく、敗者でもない。
この激しい戦は、それほど、等しく釣り合っている。
ここ、この土くれの丘へ、腰を下ろそう。
神が望む者に、勝利あれ!
わが王妃マーガレットと、クリフォードが、
ともに、私を戦場から叱り出した。
私がいないときにこそ、最も勝運があると、二人とも誓うのだ。
死んでしまえればよい! それが、神の善き御心なら。
この世に、悲しみと苦しみ以外の、何がある?
おお、神よ! 平凡な田舎者にすぎぬ身となれば、
何と幸せな暮らしであろうと、思える。
今の私のように、丘へ座り、
日時計を、一目盛りずつ、巧みに刻み、
それによって、時の流れを眺めるのだ。
幾つの分が集まり、一時間を満たすか。
幾つの時が巡り、一日となるか。
幾つの日が、一年を終わらせるか。
幾つの年を、人は生きられるか。
それが分かれば、次に、時を分ける。
これだけの時間は、羊の群れを世話する。
これだけの時間は、休みを取る。
これだけの時間は、思索する。
これだけの時間は、自ら楽しむ。
これだけの日々、雌羊は、子を宿し、
哀れで愚かな羊が、子を産むまで、これだけの週。
毛を刈れるまで、これだけの年。
そうして、分、時、日、月、年が、
造られた目的を果たし、過ぎていけば、
白髪の頭を、静かな墓へ運んでくれる。
ああ、何という暮らしだろう! 何と甘く、何と愛らしい!
純真な羊たちを見守る、羊飼いにとって、
山査子の茂みは、
臣下の裏切りを恐れる国王にとっての、
豪華な刺繍の天蓋より、心地よい陰を与えるのでは?
おお、確かに、そうだ。千倍も、心地よい。
すべてを言えば、羊飼いの素朴な凝乳、
革袋から飲む、冷たく薄い飲み物、
涼やかな木陰で取る、いつもの眠り。
それらを、安心して、甘やかに楽しむ方が、
君主の珍味より、はるかによい。
黄金の杯に、きらめく飲食物、
精緻な寝床へ横たわる体に、
心労と、疑いと、謀反が、つきまとうのだから。
息子誰の得にもならぬなら、まことに悪い風だ。
一対一で戦い、私が討った、この男は、
いくらか、金貨を蓄えているかもしれぬ。
そして今、運よく、それを奪えるとしても、
夜になる前に、私は、命と金貨の両方を、
ほかの誰かへ渡すかもしれぬ。この死人が、私へ渡すように。
これは、誰だ? おお、神よ! 父の顔だ。
この戦いの中で、知らずに、私が殺したのだ。
おお、このような出来事を生む、重苦しい時代!
私は、国王によって、ロンドンから徴兵された。
父は、ウォリック伯爵に仕える者で、
主君に徴兵され、ヨーク側へ加わった。
その手から、命を与えられた、この私が、
自らの手で、その命を奪ってしまった。
神よ、お許しください。自分の行いを、知らなかったのです!
父上、お許しください。あなたと、知らなかったのです!
わが涙で、この血の印を、拭い去ろう。
涙が、存分に流れ尽くすまで、もう、言葉は口にすまい。
ヘンリー王おお、何と哀れな光景! おお、何と血塗られた時代!
獅子たちが、巣穴をめぐり、戦う間に、
哀れで、無害な子羊が、その敵意を耐え忍ぶ。
泣け、惨めな男よ。私も、涙に涙を添えよう。
そして、われらの心と目を、この内戦のように、
涙で盲いさせ、溢れる悲しみに、張り裂けさせよう。
父親これほど強く、私へ抵抗した者よ、
金を持っているなら、その金を渡せ。
私は、百もの打撃をもって、買ったのだから。
だが、見せてくれ。これは、敵の顔か?
ああ、違う、違う、違う。私の、ただ一人の息子だ!
ああ、息子よ、少しでも命が残っているなら、
目を上げてくれ! 見よ、見よ、どれほどの雨が湧き起こるか。
わが心の、風強い嵐に吹かれ、
この目と心を殺す、そなたの傷へ降る雨が!
おお、神よ、この惨めな時代を、憐れみたまえ!
この死をもたらす争いが、日ごとに生む策略は、何と残忍で、
何と、屠殺人のようで、誤りと反逆と、自然への背きに満ちることか!
おお、息子よ、父は、そなたに命を与えるのが、早すぎ、
そなたの命を奪うのが、遅すぎた!
ヘンリー王悲しみの上に、悲しみ! 並の悲嘆を越える悲嘆!
ああ、わが死によって、この哀れな行いを、止められたなら!
おお、憐れみを、憐れみを、善き天よ、憐れみを!
赤薔薇と、白薔薇が、あの顔にある。
争う二つの家の、死をもたらす色が。
一方は、その紫の血に、まことによく似ている。
もう一方は、青ざめた頬を、表しているようだ。
一輪の薔薇を枯らし、もう一輪を咲かせよ。
二つが争えば、一千の命が枯れねばならぬ。
息子母は、父の死を思い、どれほど私を責め、
決して、嘆きやまぬだろう!
父親妻は、息子が殺されたことを思い、どれほど涙の海を流し、
決して、嘆きやまぬだろう!
ヘンリー王国は、この悲しい出来事を思い、どれほど国王を悪く考え、
決して、嘆きやまぬだろう!
息子父の死を、これほど嘆いた息子が、かつていただろうか?
父親息子を、これほど悼んだ父が、かつていただろうか?
ヘンリー王臣下の苦しみを、これほど悲しんだ国王が、かつていただろうか?
そなたたちの悲しみも大きい。私の悲しみは、その十倍だ。
息子父上を、ここから運び、存分に泣ける所へ行こう。
父親この両腕を、そなたの死装束にしよう。
愛する息子よ、わが心を、そなたの墓にしよう。
そなたの姿は、わが心から、決して去らぬからだ。
溜息を吐く、この胸を、そなたの葬送の鐘にしよう。
ただ一人のそなたを失い、父は、
勇ましい息子たちを、すべて失ったプリアモスと同じほど、
そなたの葬儀に、生涯を捧げよう。
そなたを、ここから運ぼう。戦いたい者には、戦わせておけ。
私は、殺してはならぬ者を、殺してしまったのだから。
ヘンリー王心悲しい男たち、心労に、打ちのめされた者たちよ、
ここには、そなたたち以上に悲しい、国王が座っている。
王太子逃げてください、父上、逃げて! 味方は、皆、逃げました。
ウォリックが、怒らされた雄牛のように、荒れ狂っています。
お逃げください! 死が、われらを追っています。
マーガレット王妃馬へ、わが君。バーウィックへ向け、急いでください。
エドワードとリチャードは、二頭の猟犬のように、
恐れ、逃げる野兎を、視界に捉え、
激しい怒りのため、燃える目を輝かせ、
怒りの手に、血塗られた鋼を握り、
われらの背後へ迫っています。ゆえに、急いで、ここから。
エクセターお逃げください! 復讐が、奴らとともに来ます。
いや、抗議の言葉を述べるため、立ち止まらず、急いで。
さもなくば、あとから来てください。私は、先に行きます。
ヘンリー王いや、私も連れていってくれ、善き、愛するエクセター。
留まることを恐れるからではない、王妃の向かう所へ、
行きたいからだ。前へ。行こう!
