ケイド野心など、くそくらえ! 剣を持ちながら、飢え死にしかけている、この私も、くそくらえ! この五日間、私は、この森に身を隠し、外を覗くことさえ、できなかった。辺り一帯で、私を捕らえようと、待ち伏せているからだ。だが今や、あまりにも腹が減り、命を一千年、借り受けられるとしても、これ以上は、待てぬ。そこで、煉瓦塀を登り、この庭へ入ってきた。草でも食えるか、しばらくサレット、つまり、葉野菜でも摘めるか、見ようと思ったのだ。この暑さなら、腹を冷やすのに悪くない。そして、この「サレット」という言葉は、私の役に立つため、生まれたのだと思う。幾度も、サレット、つまり兜がなければ、わが頭蓋は、褐色の鉤槍に、かち割られていた。また幾度も、喉が渇きながら、勇ましく行軍したときには、その兜が、一クォートの酒杯代わりになった。そして今は、同じ名のサレット、葉野菜が、食べ物となってくれる。
アイデンおお、誰が、宮廷の騒乱の中で、生きようとするだろう、
このように、静かな散歩を、楽しめるというのに?
父が私に残した、この小さな領地は、
私を満足させ、王国にも値する。
他人が衰えることで、偉くなろうとは思わず、
人の妬みを、どれほど買おうと、かまわず富を集めようとも思わぬ。
わが身分を支えるものがあり、
貧しい者を、満ち足りた心で、門から帰せれば、それで十分だ。
ケイドここへ、土地の領主が来たぞ。勝手に迷い込んだ家畜として、私を捕らえ、許しなく、完全所有地へ入ったと、責めるつもりだ。ああ、悪党、お前は私を裏切り、この首を国王へ運んで、一千クラウンを得るつもりだな。だが、お前と別れる前に、駝鳥のように鉄を食わせ、この剣を、大きな針のように呑み込ませてやる。
アイデン何を言う、無礼な男、そなたが何者であれ、
私は、そなたを知らぬ。ならば、なぜ裏切るのだ?
わが庭へ押し入り、
盗人のように、わが土地から、物を奪うだけでは足りぬのか?
所有者である、この私をものともせず、塀を乗り越え、
そのうえ、その生意気な言葉で、私を脅すというのか?
ケイド脅すとも! これまで流された、最も尊い血にかけて、お前へ牙を剥いてもやる。よく、私を見ろ。この五日、肉を、一切れも食べていない。それでも、お前と、五人の手下を連れてこい。皆を、戸の鋲ほどにも、ぴくりとしない死体にできなければ、二度と、草さえ食べられぬよう、神に願おう。
アイデンイングランドがあるかぎり、こうは言わせぬ、
ケントの郷士、アレグザンダー・アイデンが、
飢えた、哀れな男を相手に、多勢を頼んだと。
じっと見つめる、その目を、私の目へ向けよ。
眼差しによって、私を怯ませられるか、試してみろ。
手足を、手足と比べれば、そなたは、はるかに小さい。
そなたの手は、わが拳に比べれば、指にすぎず、
そなたの脚は、この太い脚に比べれば、棒きれだ。
わが足だけでも、そなたの全力と戦える。
そして、この腕を、空へ振り上げれば、
そなたの墓は、もう、大地に掘られたも同じ。
言葉の大きさには、言葉で応じた。
言葉が語らぬことは、この剣に報告させよう。
ケイドわが勇気にかけて、これほど完全無欠な豪傑は、聞いたことがない! わが鋼よ、もし、刃を背け、鞘で眠る前に、この骨太の田舎者を、牛肉の背身のように切り分けぬなら、跪いて神に願おう、お前が、靴底の鋲に変えられるように。
ケイドおお、私は、殺された! 私を殺したのは、飢えだ。それ以外にはない。一万の悪魔が、かかってきても、食べ損ねた十度の食事さえ与えられれば、皆に立ち向かおう。この庭は、枯れよ。そして、これより、この家に住む者、すべての墓場となれ。征服されることなき、ケイドの魂が、飛び去ったのだから。
アイデン私が殺したのは、ケイドなのか、あの怪物のごとき逆賊を?
剣よ、この働きのため、そなたを聖別しよう。
私が死んだとき、わが墓の上に、そなたを掛ける。
この血を、切っ先から、決して拭い去りはせぬ。
主人が得た名誉を、紋章として描き出す、
伝令の上着のように、そなたは、その血をまとえ。
ケイドアイデン、さらばだ。勝利を誇れ。私からケントへ、最も優れた男を失ったと伝えよ。そして、全世界へ、臆病者になれと勧めるのだ。誰をも恐れなかった私は、武勇ではなく、飢えに敗れたのだから。
アイデンそなたが、どれほど、私を不当に扱っているか、天が裁きたまえ。
死ね、呪われた者、そなたを産んだ女の呪いよ。
この剣で、そなたの体を突き刺すように、
そなたの魂も、地獄へ突き落とせればよいものを。
ここから、そなたの踵をつかみ、逆さに引きずり、
墓となる糞の山まで、運んでいこう。
そこで、最も恵みなき、その首を切り落とし、
凱旋のしるしとして、国王へ運ぶ。
胴は残し、烏どもに、食わせよう。
