王優しき友らよ、物音を立てぬように。
ただ、鈍く穏やかな手が、
疲れた我が魂へ音楽を囁くなら、かまわぬ。
ウォリック隣の部屋へ、楽師を呼ばせよ。
王王冠を、ここ、枕の上へ置いてくれ。
クラレンス目が落ちくぼみ、すっかり変わられた。
ウォリック静かに、もっと静かに。
ヘンリー王子クラレンス公を見た者は。
クラレンスここにいます、兄上。心は悲しみでいっぱいです。
ヘンリー王子何だ。外には降らず、屋内で雨か。王のご容体は。
グロスターひどく悪い。
ヘンリー王子よい知らせは、もうお聞きになったか。お伝えしろ。
グロスターお聞きになると、ひどくご様子が変わりました。
ヘンリー王子喜びで病んだのなら、薬なしで治るだろう。
ウォリック諸卿、物音を立てぬように。優しき王子、声を低く。
父君は眠りにつこうとしておられます。
クラレンス隣の部屋へ下がりましょう。
ウォリック殿下も、ご一緒くださいますか。
ヘンリー王子いや。ここに座り、王のおそばで見守ろう。
ヘンリー王子なぜ王冠が枕の上にある。
これほど寝苦しい添い寝の相手なのに。
ああ、磨かれた心の乱れ。黄金の心労。
幾夜も眠りの門を大きく開け、
人を目覚めさせ続けるもの。今は王冠と眠るがよい。
それでも、粗末な頭巾で額を包み、
夜の見張りを鼾で過ごす者の眠りほど、
深くもなければ、半分も甘くない。
ああ、王威よ。身につける者を締めつけるとき、
そなたは暑い日に着た豪華な鎧のように座り、
身を守りながら、焼き苦しめる。
父上の息の門のそばに、柔らかな羽毛がある。
だが動かない。もし一息でも吐けば、
軽く目方のない羽毛は、必ず動くはず。
慈悲深き我が君。父上。
この眠りは、まことに深い。
この黄金の輪から、幾人ものイングランド王を
引き離してきた眠りだ。
私があなたへ負うものは、涙と血に染みる深い悲しみ。
自然と愛と、子としての優しさが、
ああ愛しい父上、豊かにお支払いするでしょう。
あなたが私へ負うものは、この帝王の冠。
地位と血筋に直接続く私へ、受け継がれるもの。
見よ、ここにある。神がこれを守られる。
世界の全力を、巨人の片腕へ集めても、
この直系の名誉を私から奪うことはできぬ。
父上から得るこれを、私へ残されたとおり、
私も我が子へ残そう。
王ウォリック。グロスター。クラレンス。
クラレンス王がお呼びですか。
ウォリック陛下、何をお望みです。ご気分はいかがです。
王諸卿、なぜ私を一人でここへ置いた。
クラレンス陛下、兄の王子を、ここへ残しました。
おそばに座り、見守ると申しましたので。
王ウェールズ公を。どこだ。会わせよ。
ここにはおらぬ。
ウォリックこの戸が開いています。こちらへ出たのでしょう。
グロスター我らがいた部屋は通りませんでした。
王王冠はどこだ。誰が枕から取った。
ウォリック陛下、我らが下がったとき、ここへ残しました。
王王子が持ち去ったのだ。行って、捜せ。
あれほど性急に、私の眠りを
死と思ったのか。
ウォリック卿、見つけて、叱りながらここへ連れてこい。
王あの子の、この一面が我が病と一つになり、
私の終わりを早める。息子たちよ、自分たちの姿を見よ。
黄金を目の前にすると、自然の情が、
何とすばやく反乱を起こすことか。
これを得るため、愚かで心配性の父親たちは、
考え事で眠りを破り、心労で頭を壊し、
働きすぎで骨を折ってきた。
これを得るため、見知らぬ手段で獲得した、
腐食した黄金の山を、買い占め、積み上げてきた。
これを得るため、息子たちへ学芸と武術を
身につけさせようと、心を砕いてきた。
蜂のように、あらゆる花から優れた甘みを集め、
脚へ蝋を詰め、口へ蜜を満たし、
巣へ運んだところで、蜂と同じく、
苦労への報いに殺されるのだ。
この苦い味こそ、買い占めた財産が
死にゆく父へ与えるもの。
王さて、友である病が私を始末するまで、
待っていられぬ男はどこだ。
ウォリック陛下、王子は隣の部屋におられました。
自然にあふれる涙で、優しい頬を洗い、
大きな悲しみの中で、あまりに深く沈んでおられました。
血のほか何も飲まぬ暴君でさえ、
その姿を見れば、優しい涙で
己の短刀を洗ったでしょう。こちらへ参ります。
王だが、なぜ王冠を持ち去った。
王ほら、来た。ハリー、こちらへ来い。
皆、部屋を出よ。我ら二人だけにせよ。
ヘンリー王子父上のお声を、二度と聞けるとは思いませんでした。
王ハリー、その考えを生んだ父親は、そなたの願いだ。
私は長居しすぎ、そなたを疲れさせている。
この空になる椅子へ、それほど飢えているのか。
時が熟す前に、どうしても我が名誉を身につけたいのか。
ああ、愚かな若者よ。
そなたは己を押し潰す偉大さを求めている。
あとわずか待て。我が威厳という雲は、
これほど弱い風に支えられ、落ちずにいるだけ。
すぐ滴り落ちる。私の日は暗い。
あと数時間すれば、罪なくそなたのものになる物を、
盗んだのだ。私の死に際して、
そなたへの予想を封印した。
生きている間、そなたは私を愛さぬと示した。
そして死ぬ私へ、それを確信させるのだ。
そなたは思いの中へ、千本の短刀を隠し、
石の心で、その刃を研いだ。
残る我が命、半時間を刺すために。
何だ。私を半時間も我慢できぬのか。
ならば去れ。自分の手で私の墓を掘り、
陽気な鐘へ、私が死んだのでなく、
そなたが戴冠したと、その耳へ鳴らさせよ。
我が棺を濡らすはずの涙をすべて、
そなたの頭を聖別する香油の滴にせよ。
私だけを、忘れられた土へ混ぜよ。
そなたへ命を与えたものを、虫へ与えよ。
我が役人を引きずり下ろし、命令を打ち砕け。
今や礼式を嘲る時が来た。
ヘンリー五世が戴冠した。立て、虚栄よ。
倒れよ、王の秩序。賢き顧問たちは皆、去れ。
そして、あらゆる国から、怠惰な猿どもよ、
今こそイングランド宮廷へ集まれ。
隣り合う国々よ、そなたらの滓を一掃せよ。
悪態をつき、飲み、踊り、夜通し騒ぎ、
盗み、人を殺し、最も古い罪を
最も新しいやり方で犯す悪党がいるか。
喜べ。もう、そなたらを悩ませぬ。
イングランドが三重の罪へ、二重に金めっきを施す。
イングランドが、役職、名誉、力を与える。
五人目のハリーが、抑えられていた放縦から
抑制の口籠を外す。野犬は、すべての罪なき者で
牙を血肉になじませるだろう。
ああ、内乱の打撃に病む、哀れな我が王国よ。
我が心労でも、そなたの放埒を抑えられなかった。
放埒そのものが、そなたを気遣う者となれば、どうする。
ああ、そなたは再び荒野となり、
昔の住民、狼どもで満ちるだろう。
ヘンリー王子ああ、陛下、お許しください。涙が、
言葉を湿らせ、妨げてさえいなければ、
父上が悲しみとともに、ここまでお語りになり、
私が愛ある深い叱責の行く末を、ここまで聞く前に、
言葉を遮っておりました。こちらが王冠です。
そして不滅の王冠をかぶるお方が、
末長く、これを父上のものとして守られますように。
父上の名誉、父上の栄光として以上に、
私がこれを欲しているなら、
この服従から、二度と立ち上がれませんように。
心の最も奥にある、真実で忠実な魂が教える服従を、
今、外にひれ伏す姿で示しております。
神よ、証人となってください。ここへ入り、
陛下から一筋の息も見つけられなかったとき、
どれほど冷たい衝撃が心を打ったことか。
これが偽りなら、今の放埒のまま死なせてください。
そして生きて、疑う世の人々へ、
心に決めた気高い変化を決して示せませんように。
父上を見ようと近づき、亡くなられたと思いました。
父上が亡くなられたと思い、私も死にかけました。
そして、この王冠を心あるものとして語りかけ、
こう責めたのです。
「そなたにかかる心労が、我が父の体を食った。
ゆえに最上の黄金であるそなたは、最悪の黄金。
純度の低い、ほかの金のほうが貴い。
飲み薬となって、命を保つからだ。
だが最も純粋で、最も尊ばれ、最も名高いそなたは、
身につける者を食い尽くした」
王たる陛下、こう王冠を責め、頭へ載せました。
私の目の前で父を殺した敵を相手にするように、
真の相続人として、争いを決するためです。
ですが、もし王冠が我が血を喜びで汚したなら、
あるいは心を、少しでも誇りで膨らませたなら。
もし我が内の反逆する虚栄の霊が、
その力をほんのわずかでも歓迎し、
迎え入れたなら、
神よ、永遠に王冠を我が頭から遠ざけ、
畏れと恐怖で、その前に跪く
最も貧しい臣下と同じ身にしてください。
王ああ、我が息子よ。
神が王冠を持ち去る思いを、そなたへ与えられたのだ。
これほど賢く弁明し、父の愛を
さらに勝ち取れるように。
こちらへ来い、ハリー。寝台のそばに座れ。
おそらく私が息にして語る、最後の助言を聞け。
我が子よ、神はご存じだ。どのような脇道と、
真っすぐでない曲がった道を通り、この王冠へ出会ったか。
そして私自身、この頭の上で
どれほど重苦しく座ったか、よく知っている。
そなたへは、もっと平穏に、もっとよい評判と、
もっと確かな権利とともに受け継がれる。
獲得についた汚れのすべては、
私とともに土へ入るからだ。
私の頭では、乱暴な手で奪った名誉にしか見えなかった。
私は大勢の生者を残し、その者たちは、
自分の助けで王冠を得たと、私を責めた。
それが日々、争いと流血へ育ち、
平和と思われたものを傷つけた。
こうした大胆な恐れのすべてへ、私は危険を冒して答えてきた。
我が治世は最初から最後まで、
この主題を演じる一つの舞台にすぎなかった。
だが今、私の死が、その形を変える。
私には買い取ったものだった王冠が、
そなたへは、もっと美しい形で落ちてくる。
そなたは正しい継承により、花冠をかぶるのだ。
それでも、私より確かな場所に立つとはいえ、
まだ十分には安定していない。不満の傷は新しい。
そなたが友とせねばならぬ我が友たちも、
針と牙を、つい最近抜かれたばかりだ。
あの者たちの激しい働きで、私は最初に引き上げられた。
同じ力で再び引きずり下ろされる恐れも、
当然抱くことができた。その恐れを避けるため、
私はあの者たちを切り捨てた。そして今、
多くの者を聖地へ率いるつもりだった。
休み、じっとしていれば、我が地位を
あまりに近く眺めるようになるからだ。
ゆえにハリー、浮ついた心を、
外国との争いで忙しくさせよ。
戦の力を国外へ運び出すことで、
過ぎた日々の記憶を使い果たさせるのだ。
もっと話したい。だが肺がすっかり衰え、
語る力をまるごと拒んでいる。
私がどのように王冠を得たか、ああ神よ、お許しください。
そして、そなたとともに、真の平和の中で生きますように。
ヘンリー王子慈悲深き陛下、
父上が勝ち取り、かぶり、守り、私へくださった。
ならば私の所有は明白で正当です。
世にある並の苦しみを超える苦難に耐えても、
全世界を相手に、その正しさを守りましょう。
王見よ、見よ、我がランカスターのジョンが来た。
ランカスター王たる父上に、健康、平和、幸せを。
王息子ジョン、そなたは私へ幸せと平和を運んだ。
だが健康は、ああ、若々しい翼で、
この裸の枯れた幹から飛び去った。
そなたの姿を見たことで、現世の務めは終止符を打つ。
ウォリック卿はどこだ。
ヘンリー王子ウォリック卿。
王私が最初に気を失った部屋に、特別な名はあるか。
ウォリック気高き陛下、エルサレムと呼ばれています。
王神を讃えよ。まさにそこで、我が命は終わるのだ。
長年、私はエルサレムでなければ死なぬと、
予言されてきた。
私はむなしく、それを聖地だと思っていた。
だが、あの部屋へ運べ。そこで横たわろう。
そのエルサレムで、ハリーは死ぬのだ。
