伯爵夫人ああ、哀れなこの目は、なんとむなしく見つめ続けることか、
わが君がお遣わしになるはずの救援を求めて!
ああ、モンタギュー、わが甥よ、もしやそなたには欠けているのか、
生き生きとした気迫が、激しく訴え、
私のため王へ必死に願い出る気迫が。
そなたは王に伝えていない、この苦しみを、
スコットランド人に侮られ、その虜になる苦しみを。
野卑で調子外れの誓いの言葉で口説かれるか、
無法で傲慢な蛮行に、力ずくで屈するか。
そなたは王に伝えていない、敵がここで勝てば、
北部でどれほど、われらが嘲られるか。
野蛮で無作法な、跳ね回る踊りに合わせ、
やつらの勝利とわれらの敗北を、驢馬のようにがなり立て、
不毛で寒々しく、実りなき大気にまで響かせるかを。
伯爵夫人身を隠さねば。宿怨の敵が
城壁へ来る。そっと脇へ退き、
鈍く高慢な世迷い言を聞いてやろう。
スコットランド王デイヴィッドロレーヌ卿、わが兄弟フランス王へ
よろしく伝えよ、キリスト教世界で
われらが最も敬い、心から愛するお方だとな。
そなたの使節としての話には、こう返答せよ、
われらはイングランドと談判などせぬ、
機嫌を取ることも、休戦することも決してない。
やつらの近隣の町を焼き、そのまま
ヨークの都を越えて、猛々しく襲撃を重ねる。
わが勇ましい騎兵たちは決して休まず、
錆の虫に食わせる暇も与えぬ、
軽やかな轡も、素早く駆る拍車も。
輪を組み合わせた鎖帷子も脱がぬ、
木目も堅いスコットランド産トネリコの槍を
平和よろしく城壁に掛けることもせぬ。
留め金をした黄褐色の革帯から
牙ある短剣を外すこともない、そなたの王が
「もうよい、哀れと思ってイングランドを許せ」と叫ぶまではな。
さらばだ。われらをこの城の前に
残してきたと伝えよ。そなたが発ったその時には
すでに城はわれらの手に落ちていた、とな。
ロレーヌお暇いたします。そして喜ばしいご挨拶を
つつがなく、わが王へお伝えいたしましょう。
スコットランド王デイヴィッドさてダグラス、先ほどの仕事に戻ろう、
確実に手に入る戦利品の分け前だ。
ダグラス陛下、私はあのご婦人だけを。ほかには何も望みません。
スコットランド王デイヴィッドまあ待て、まず余が選ぶ。
そして最初に、あの女は余がもらうと取り置く。
ダグラスでは陛下、私はあの女の宝石をいただきます。
スコットランド王デイヴィッド宝石は女自身のもの、いつまでも女に付き従う。
女を手に入れる者が、宝石も一緒に手に入れるのだ。
使者陛下、われらが丘を馬で駆け、
戦利品をかき集めて、こちらへ進んでおりますと、
大軍の姿が見えました。
鎧に照り返す日差しは、
一面の鎧の原、突き上げた槍の森を映し出しました。
陛下、ただちにご決断を。
ゆるやかな行軍でも四時間のうちには、
最後尾までこの場所へ到着します。
スコットランド王デイヴィッド陣を払え、陣を払え。イングランド王だ。
ダグラスジェミー、相棒、俺のご自慢の黒馬に鞍を置け。
スコットランド王デイヴィッド戦うつもりか? ダグラス、こちらは兵が少なすぎる。
ダグラスよく存じております、陛下。ですから逃げるのです。
伯爵夫人スコットランドの殿方、残って一杯いかが?
スコットランド王デイヴィッドわれらを嘲っておる。ダグラス、我慢ならん。
伯爵夫人ねえ殿方、どちら様がご婦人をもらい、
どちら様が宝石を? まさか、皆様、
獲物を分けずにお帰りにはなりませんわね。
スコットランド王デイヴィッド伝令の話も、われらの相談も聞かれた。
援軍の知らせを力に、われらを嘲っておる。
使者武装を、陛下! ああ、すっかり不意を突かれました!
伯爵夫人フランス大使のあとを追われませ、陛下、
ヨークまでは馬を進められぬとお伝えに。
ご自慢の馬が脚を痛めた、とお言い訳なさいませ。
スコットランド王デイヴィッドそれも聞いたか。耐えがたい屈辱だ!
女、さらばだ。余はここに留まらぬが——
伯爵夫人——怖いからではない、でもお逃げになる。
ああ、うれしい救いよ、わが城へようこそ!
自信満々、騒々しく大口を叩いたスコットランド人——
この城壁の前で、断じて退かぬと誓った、
この国の全軍を向こうに回しても、と——
いつも背を向けて顔を見せぬ臆病風に吹かれ、
荒れすさぶ北東の風は、ここから逆戻り、
軍勢という、ただその報せと名前を聞いただけで。
伯爵夫人ああ、夏の日差し! ほら、わが甥が来た。
モンタギュー叔母上、ご機嫌はいかが? おや、叔母上、われらはスコットランド兵ではありません。
なぜ味方に門を閉ざしておいでです?
伯爵夫人よく来てくれた、甥よ。心から歓迎します、
ちょうど敵をここから追い払ってくれたのだから。
モンタギュー国王陛下みずから、こちらへお越しです。
叔母上、下へ降りて、陛下をお迎えください。
伯爵夫人どうおもてなしすればよいでしょう、
私の忠節と、陛下のご威光をともに示すには?
エドワード王何だ、盗人狐どもは、猟犬を放って
追い立てる前に逃げ去ったか?
ウォリックはい、陛下。ですが、勇ましく声を上げ、
血気盛んな猟犬たちが、果敢にその踵を追っております。
エドワード王これが伯爵夫人か、ウォリック、そうだな?
ウォリックさようです、陛下。ですが、その美しさは暴君への恐れに、
害風にさらされた五月の花のように、
汚され、萎れ、曇らされ、損なわれております。
エドワード王以前は今より美しかったのか、ウォリック?
ウォリック慈悲深き陛下、今の姿など美しいとは申せません、
かつてのあの方が隣に立てば、今のご自分を霞ませるほど、
あの方が真のあの方であった頃を、私は見ております。
エドワード王いかなる妖しい魔力が、その瞳に潜んでいたのだ、
今あるこの妙なる美しささえ凌いでいた時には。
今は光も衰えたというのに、それでもなお
貫く王者の威光で、余の目を臣下に引き下ろし、
恋に呆けた驚嘆で、あの女を見つめさせるとは?
伯爵夫人忠節ゆえ、地面よりなお低くひざまずき、
鈍い膝に代わって、感じ入る心を深く垂れ、
陛下への服従の証しといたします。
一臣下として、幾百万もの感謝を捧げます、
陛下みずからのお出ましに。そのご到来が
戦と危険を、この城門から追い払いました。
エドワード王奥方、立たれよ。そなたに平和をもたらしに来た、
そのため余は、戦を買うことになったが。
伯爵夫人陛下に戦などございません。スコットランド勢は去り、
憎しみを抱え、スコットランドへ一目散です。
エドワード王ここで屈し、恥ずべき恋に焦がれて衰えぬうちに——
行くぞ、スコットランド勢を追う。アルトワ、出発だ!
伯爵夫人慈悲深き陛下、今しばらくお留まりになり、
偉大な王のご威光をもって
この屋根をお飾りください。戦場にいる夫も、
その知らせを聞けば、喜びに勝ちどきを上げましょう。
ならば大切な陛下、今はご身分の威光を出し惜しみなさらず、
城壁まで来られたのです、粗末な門をお入りください。
エドワード王許せ、伯爵夫人。これ以上近づくまい。
昨夜、謀反の夢を見た。それが恐ろしい。
伯爵夫人醜い謀反など、この地から遠く離れておりますよう!
エドワード王いや、企みを宿すあの目ほどにも遠くない、
その目は、毒に冒された矢を余の胸へ射込み、
理性にも退けられず、医術にも癒やせぬ傷を負わせる。
今や、光によって人の目から
光を奪えるのは、太陽だけではない。
ここに二つの昼の星がある。余の目はそれを
太陽以上に見たがるが、その星々が余自身の光を奪う。
思いに耽る欲望よ! ただ思索の中にいたいと願え、
その思索が、おまえをねじ伏せられるようにな!
ウォリック、アルトワ、馬へ。さあ行くぞ!
伯爵夫人何を申し上げれば、陛下をお引き留めできるでしょう?
エドワード王あれほど雄弁な瞳に、舌など何のためにある?
人を射止める弁舌より、なお強く説き伏せるのに。
伯爵夫人陛下のお出ましを、四月の陽のように、
ひととき大地を喜ばせ、すぐ終わりとはなさいませぬよう。
外の城壁だけを幸せになさらず、
内なる館にも、同じご威光をお授けください。
陛下、わが館は、田舎の百姓に似ております、
粗末な身なりに、ぶっきらぼうで飾らぬ物腰、
見た目は何も期待させず、けれど内には
豊かな恵みと、ひそかな美を誇っております。
金の鉱脈が地中に眠るところでは、
自然の綴れ織りに飾られぬ大地は、
荒れ、枯れ、不毛で、実らず、乾いて見えます。
ところが大地の上の芝が
美しさと香り、色とりどりの装いを誇る場所を
そこを掘らせれば、その実りも誇りも
糞土と腐敗の脇から芽吹くと知れましょう。
さて、あまりに長い喩えを畳みますと、
この崩れた城壁は、
中にあるものを証しはしません。外套のように隠すのです、
風雨の荒らす手から、内に飾った誇りを。
私の言葉で願える以上に、お情け深くあらせられ、
どうかご自身をお説き伏せになり、しばし私とお留まりください。
エドワード王美しいだけでなく賢い——愚かな熱など起こりようがあるか、
知恵が門を守り、美の番人を務めるなら?
伯爵夫人、急ぎの用が余をせき立ててはいるが、
余がそなたに付き添うあいだ、用のほうを待たせよう。
参れ、諸卿。今宵はここに宿を取る。
