ピザーニオ何と? 姦通ですと? なぜお書きにならぬ、
どんな怪物が姫様を訴えたのか? レオネータス様!
ああ、旦那様! なんという奇怪な毒が
あなたの耳に入り込んだのです! どんな偽りのイタリア人が、
手と同じほど毒に満ちた舌で、
信じやすすぎるあなたの耳を負かした? 不実ですと! いいえ。
姫様はその誠ゆえに罰されている。妻というより
女神のごとく、そのような襲撃を耐えておられる、
多少の貞節なら陥落させる襲撃を。ああ、旦那様!
姫様へ向ける今のあなたの心は、
かつてのご身分ほど卑しい。何と! 私が姫様を殺す?
あなたの命に従うと誓った
愛と誠と誓約にかけて? 私が、姫様を? あの血を?
それがよい奉公なら、二度と
私を役立つ僕と数えないでくれ。私のどこを見て、
人の心がこれほど欠けていると
お思いなのか、この行いが要求するほどに?
ピザーニオ「やれ。私が
彼女へ送った手紙が、彼女自身の求めによって
お前に機会を与える」。ああ、呪われた紙!
お前に載ったインクのように黒い! 心なき玩具め、
お前もこの行いに加担する家臣か、それで外見は
処女のように白いのか? 見ろ、姫様が来られる。
私は命じられたことを、何一つ分かっていない。
イモージェンどうしたの、ピザーニオ!
ピザーニオ姫様、旦那様からの手紙です。
イモージェン誰? お前の旦那様? それは私の旦那様、レオネータス!
ああ、なんと博識な天文学者でしょう、
私があの人の文字を知るように星を知る者なら。
未来のすべてを開いて見せるでしょう。慈悲深い神々よ、
ここに収められたものが、愛の味でありますように、
旦那様の健康、旦那様の喜びを。ただし、
二人が離れていることだけは、喜びでありませんよう。それは悲しんで。
薬になる悲しみもある。それがその一つ、
愛を治療するのだから。旦那様が満ち足りていること、
それを除くすべてに! よい封蝋よ、開けさせて。祝福あれ、
秘密の錠を作る蜜蜂たちに! 恋人と
危険な契約に縛られた男は、同じ祈りをしない。
契約を破る者を牢へ閉じ込める封でも、
若いキューピッドの手紙なら優しく抱く。神々よ、よい知らせを!
イモージェン「正義も、あなたの父上の怒りも、もしその領内で私を捕らえたなら、この上なく愛しい人よ、あなたがその目で私を生き返らせてくれるほど、私に残酷ではありえない。お知らせしよう、私はカンブリアのミルフォード・ヘイヴンにいる。この知らせから、あなた自身の愛が勧めることに従ってほしい。誓いに忠実であり、あなたのものであり、愛を増しつづける者が、あなたのあらゆる幸せを願っている。
レオネータス・ポステュマス」
ああ、翼のある馬がほしい! 聞いている、ピザーニオ?
あの人はミルフォード・ヘイヴンにいる。読んで、教えて、
そこまでどのくらい? つまらぬ用事の人でも
一週間でてくてく行けるなら、どうして私は
一日で滑るように行けない? さあ、忠実なピザーニオ——
私と同じく、旦那様に会いたいお前。会いたい——
ああ、言葉を弱めなくては——私ほどではない——でも会いたい、
ただし、もっと淡い形で。ああ、私ほどではない。
私の思いは「何よりも」をも遥かに越える。さあ、言って、厚く言葉を重ねて。
愛の助言者なら、耳の穴をいっぱいにして、
感覚を息詰まらせるほど語るべき。どれほど遠いの、
その祝福されたミルフォードまでは? 道すがら、
ウェールズはどうしてそれほど幸せになれたのかも教えて、
そんな港を受け継ぐほどに。でも何より先に、
どうすればここから抜け出せる? そして私たちが
出発してから戻るまで、時に開ける
空白をどう弁解する? でもまず、どう出るか。
なぜ弁解を、事が生まれる前から生まねばならない?
その話はあとで。お願い、言って、
一時間ごとに、私たちは何十マイルずつ
無理なく走れる?
ピザーニオ日の出から日の入りまで二十マイル、
姫様にはそれで十分です。
ピザーニオいや、それでも多すぎる。
イモージェン処刑場へ馬で向かう者だって、
そんなに遅くは進めない。競馬の賭けの話を聞いたことがある、
その馬は時計のために流れ落ちる
砂より素早かったとか。でも、こんな話は愚かね。
行って、侍女に病気のふりをさせて。父親の家へ
帰ると言わせなさい。そしてすぐに私のため、
馬に乗る服を用意して、
自作農の妻に似合うより高価でないものを。
ピザーニオ姫様、よくお考えになったほうが。
イモージェン目の前は見えている、ねえ。ここにも、ここにも、
その先に起きることにも霧がかかっているけれど、
見通すことはできない。行って、お願い。
言ったとおりにして。もう話すことはない。
道が開けているのは、ミルフォードへだけ。
