クレオパトラお前には仕返しをしてやる、疑うでない。
イノバーバスだが、なぜです、なぜ、なぜ?
クレオパトラお前は私がこの戦に加わることに難癖をつけ、
ふさわしくないと言った。
イノバーバスそれで、ふさわしいのですか、ふさわしいのですか?
クレオパトラ我らに対して名指しで禁じられていないのなら、
なぜ私が自らそこにいてはならぬ?
イノバーバス(傍白。)いや、返す言葉はある——
もし牡馬と牝馬を一緒にして戦に出せば、
牡馬は丸損だ。牝馬は兵士とその馬を
まとめて背負うことになる。
クレオパトラ何を言っている?
イノバーバスあなたのご臨席は、必ずやアントニー様を惑わせます。
その心から、脳から、時間から、
惜しんではならぬものを奪ってしまう。あの方はすでに
軽率だと中傷されている。そしてローマではこう言われております、
宦官のフォティーナスとあなたの侍女たちが
この戦を差配していると。
クレオパトラローマなど沈んでしまえ。我らを悪く言う者どもの
舌は腐ってしまえ! 我らはこの戦で費用を負担している。
そして我が王国の統治者として、
一人の男としてそこに姿を見せる。反対するな。
私は後には残らぬ。
イノバーバスいや、もう申しませぬ。
将軍がおいでです。
アントニー奇妙ではないか、キャニディアス、
あの男がタレンタムとブランディジアムから
あれほど素早くイオニア海を横切って、
トライニーを占領したとは。聞いたか、いとしい人?
クレオパトラ迅速さがこれほど感嘆されるのは、
怠っていた者の目にだけですわ。
アントニーよい叱責だ。
最良の男が緩慢さを咎めるのにも
ふさわしかったろう。キャニディアス、我らは
海であの男と戦う。
クレオパトラ海で! ほかに何が。
キャニディアスなぜ閣下はそうなさるのです?
アントニーあの男がそれを我らに挑んでいるからだ。
イノバーバス閣下もあの男に一騎討ちを挑まれました。
キャニディアスそうです。そしてファルサリアでこの戦を交えようとも、
シーザーがポンペイと戦った地でも。ですがあの男は、
自分に有利でない申し出は振り払ってしまう。
あなたもそうなさるべきです。
イノバーバスあなたの船には人手が足りません。
水夫といえば騾馬引きに刈り手、
慌ただしい徴発でかき集めた者ばかり。シーザーの艦隊には
ポンペイと何度も戦った者たちがいる。
あちらの船は身軽で、こちらは重い。海で戦うのを断ったところで、
陸で備えができている以上、
何の不名誉にもなりませぬ。
アントニー海だ、海だ。
イノバーバスこの上なく立派なお方、それではあなたは
陸で持っておられる絶対の兵ぶりを投げ捨てることになる。
戦の傷跡を帯びた歩兵が大半を占める軍を
散り散りにし、あなた自身の名高い知識を
使わずに終わらせ、確実を約束する道を
まるごと捨て去って、堅固な安全から離れ、
ひたすら偶然と危険に
身を委ねることになるのです。
アントニー私は海で戦う。
クレオパトラ私には六十隻の船がある。シーザーにもこれ以上のものはない。
アントニー余分な船は焼いてしまおう。
そして残りに人手を満たし、アクティウムの岬から
迫り来るシーザーを打ち破る。だがもし失敗すれば、
そのときは陸でやればよい。
アントニー用件は?
使者知らせは本当です、閣下。あの男の姿が認められました。
シーザーがトライニーを取りました。
アントニーあの男が自らそこにいるというのか。ありえぬ。
兵力があそこにあるだけでも奇妙だ。キャニディアス、
そなたは我らの十九の軍団を陸で保て、
それに一万二千の騎兵も。我らは船へ行く。
さあ行こう、我がテティスよ!
アントニーどうした、立派な兵士。
兵士おお気高い将軍、海で戦われますな。
腐った板を信じなさるな。この剣と、この私の傷を
お疑いですか。エジプト人と
フェニキア人には水に潜らせておけばよい。我らは
大地に立ち、足と足を突き合わせて戦って
勝ってきたのです。
アントニーよし、よし。行くぞ!
兵士ヘラクレスにかけて、私が正しいと思う。
キャニディアス兵士よ、そなたは正しい。だがあの方の行動全体が、
その本来の力から出ていない。我らの指揮官は導かれ、
我らは女に仕える男というわけだ。
兵士陸には軍団と騎兵をそっくり
残されるのでしょうな。
キャニディアスマーカス・オクテイヴィアス、マーカス・ジャスティーアス、
パブリコーラ、シーリアスが海へ回る。
だが我らは陸にそっくり残る。このシーザーの速さは
信じがたいほどだ。
兵士まだローマにいた頃から、
あの男の兵力は細かく分けて出されていたので、
どんな密偵も欺かれました。
キャニディアス副官は誰だと聞いている?
兵士トーラスとかいう男だそうです。
キャニディアスあの男ならよく知っている。
使者将軍がキャニディアスをお呼びです。
キャニディアス時は知らせを孕んで陣痛にあり、
一刻ごとに何かを産み落とす。
