アガメムノン諸侯よ、
いかなる憂いがそなたたちの頬を黄ばませたのか。
この地上のあらゆる企てにおいて、
希望が描き出す壮大な計画は、
約束された規模には届かないものだ。逆境と災難は、
最も高く掲げられた行動の葉脈にも生じる。
それは集まった樹液の淀みが節となり、
健全な松を蝕み、その木目を
本来の成長の軌道から捩れ逸らせるようなものだ。
諸侯よ、それゆえ我々にとっても新たな事態ではない、
我々の目論見がこれほどまでに外れ、
七年の包囲の後もなおトロイの城壁が建ち続けていることは。
なぜなら、これまでに記録された
あらゆる行動において、試練が
目的とは裏腹の偏りと妨げをもたらし、
それが想像の中で描かれていた
実体のない思考の姿を歪めてきたからだ。ならば、諸侯よ、
なぜそなたたちは恥じ入るような頬で我々の行いを見つめ、
それを恥と呼ぶのか。それらは実に、
大いなるジュピターが人々のなかに不屈の恒常性を見出すための、
長引く試練に他ならないのだ。
その金属の純度は、
幸運の愛のなかでは見出されない。その時、勇者も臆病者も、
賢者も愚者も、達人も無学な者も、
強者も弱者も、みな同じ血筋のように見えるからだ。
だが、幸運の女神の怒りの風と嵐のなかでは、
識別という広く強力な扇が
すべてに吹きつけ、軽いものを吹き飛ばす。
そして質量と中身を持つものだけが、それ自体で
豊かな真価を保ち、混じり気なく残るのだ。
ネスター神の如きその座にふさわしい敬意をもって、
偉大なるアガメムノンよ、このネスターが
最新の言葉を当てはめよう。運命の逆境にこそ、
人間の真の証明がある。海が穏やかな時、
どれほど多くの浅薄な玩具の小舟が、
堂々たる船体の船に混じって
波立たぬ海原を進もうとすることか。
だがひとたび荒々しい北風が
穏やかなる海神を怒らせたなら、見よ、
強靭な肋骨を持つ船が液体の山々を切り裂き、
ペルセウスの馬のように、
二つの湿った要素の間を跳ね回るのを。その時、つい先ほどまで
薄い板きれの側面で偉大なる船と
肩を並べていた生意気な小舟はどこにいるのか。港へ逃げ帰ったか、
あるいはネプチューンの餌食になったかだ。まさにそのようにして、
勇気の虚飾と勇気の真価は
運命の嵐のなかで分かたれる。幸運の光と輝きのなかでは、
群れなす獣は虎よりも
虻のほうに苛立つものだ。だが、切り裂くような風が
節くれだった樫の木の膝を曲げさせ、
蠅たちが日陰に逃げ込む時、勇気ある者は
怒りに呼び覚まされたように、その怒りと共鳴し、
同じ調子に合わせた響きをもって
吠え猛る運命に言い返すのだ。
ユリシーズアガメムノンよ、
偉大なる司令官、ギリシャの神経であり骨、
我々の軍勢の心臓、魂、そして唯一の精神、
すべての者の気質と心が
その内に収められるべき方よ、ユリシーズの言葉を聞いていただきたい。
称賛と賛同のほかに、
それらを私は、
ユリシーズその地位と支配力において最も力あるあなたと、
ユリシーズその長き生涯において最も尊きあなたに、
両者の言葉に対して捧げよう。それらは、
アガメムノンとギリシャの手が
真鍮に刻んで高く掲げるべきものであり、また
銀髪に覆われた尊きネスターが、
天空を乗せた車軸と同じほど強靭な空気の絆で、
すべてのギリシャ人の耳を
その経験豊かな舌に結びつけるべきものであった。それでもなお、
偉大にして賢明なるお二方よ、どうかユリシーズの言葉を聞いていただきたい。
アガメムノン話すがいい、イサカの君主よ。そして我々は期待していない、
無用な事柄や、重要でない意味の重荷が
そなたの唇を割ることを。下品なサーサイティーズが
その噛み砕く顎を開く時でさえ、
我々にはそれが音楽や機知や神託に聞こえるのだから。
ユリシーズトロイは、いまもその基盤の上に立っているが、すでにして陥落し、
偉大なるヘクターの剣は主を失っていたはずだ、
これらの事態がなければ。
秩序の特権が蔑ろにされている。
そして見よ、どれほど多くのギリシャの天幕が
この平原に虚しく立っているか、それと同数の空虚な派閥があるのだ。
将軍が、略奪者たちがすべて戻るべき
蜜蜂の巣のような存在でないなら、
いかなる蜂蜜が期待できようか。身分が仮面で隠されれば、
最も価値なき者もその仮面の下では立派に見えるものだ。
天そのもの、惑星、そしてこの中心も、
身分、優先順位、位置、
不変の法則、軌道、均衡、季節、形態、
役割、慣習を、あらゆる秩序の線に沿って守っている。
それゆえにこそ、栄光の惑星である太陽は、
気高き卓越さをもって玉座に就き、
他の星々の中心に球体として置かれている。その癒やしの目は
邪悪な惑星の悪しき様相を正し、
王の命令のように、善にも悪にも
妨げられることなく急行する。だが惑星が
悪しき混ざり合いによって無秩序に彷徨う時、
いかなる災厄が、いかなる凶兆が。いかなる反乱が。
いかなる海の狂瀾が。大地の震えが。
風の騒乱が。恐怖、異変、恐ろしさが、
国家の統一と調和ある平穏を
本来の固定された場所から
逸らせ、砕き、引き裂き、根こそぎにすることか。ああ、すべての高い企ての
梯子である身分の秩序が揺さぶられる時、
事業は病に冒されるのだ。共同体が、
学校の階級が、都市の同胞団が、
隔てられた岸辺からの平和な交易が、
長子相続権と出生の権利が、
年齢の特権、王冠、王笏、月桂冠が、
身分の秩序なしに、どうして正当な場所に立てようか。
身分を取り去り、その弦の調子を狂わせてみろ、
そして聞くがいい、いかなる不協和音が続くかを。あらゆる事物が
全くの敵対状態に出会うのだ。区切られた水は
その胸を岸辺よりも高く持ち上げ、
この強固な地球のすべてを水浸しにするだろう。
力が無能の主となり、
野蛮な息子は父親を打ち殺すだろう。
暴力が正義となる。いやむしろ、正義と不正が、
その終わりのない争いの間にこそ正義が住まうものだが、
共にその名を失い、正義もまた失われるだろう。
そしてあらゆる事物は自らを力に包み込み、
力は意志に、意志は欲望に変わる。
そして欲望は、普遍の狼となって、
意志と力に二重に支援され、
必然的にすべてを普遍の獲物とし、
最後には自らを食い尽くすのだ。偉大なるアガメムノンよ、
この混沌は、身分の秩序が窒息させられた時、
その息苦しさのあとに続くものだ。
そしてこの身分への軽視こそが、
登ろうとする目的をもって、
歩みを後退させているのだ。将軍は
一段下の者に侮られ、その者はさらに次の者に、
その次はさらに下の者に侮られる。そうしてすべての階層が、
上位の者に病んだ最初の歩みを
手本として、蒼白く血の気のない
対抗心の嫉妬深い熱病へと成長していく。
そしてトロイを立たせているのは、その自らの筋力ではなく、
まさにこの熱病なのだ。長い話を終わらせよう、
トロイは我々の弱さによって立っているのであり、自身の強さによってではない。
ネスター最も賢明にもユリシーズはここに、
我々の全軍を病ませている熱病を発見した。
アガメムノン病の正体はわかった、ユリシーズよ、
その治療法は何か。
ユリシーズ偉大なるアキリーズだ、世評が彼に
我らが軍勢の腱であり前衛であるという冠を被せているが、
彼は自らの空虚な名声で耳をいっぱいにし、
自身の価値を鼻にかけ、天幕のなかで
我々の計画を嘲笑しながら横たわっている。彼と共にパトロクラスが
怠惰なベッドに一日中横たわり、
下劣な冗談を飛ばし、
そして滑稽で不格好な身振りで、
誹謗者め、それを彼は物真似と呼ぶが、
我々を出し物にしているのだ。時に、偉大なアガメムノンよ、
彼はあなたに並ぶ者のない威厳を身にまとい、
威張って歩く役者のように、その自惚れが
膝の裏の筋にあり、舞台の足場と
その気取った足取りの間で鳴る
木の対話を聞くのを豊かだと思っている者のように——
そんな哀れむべき、過剰に捻じ曲げられた見せかけで、
彼はあなたの偉大さを演じる。そして彼が話す時、
それは修理中の鐘の音のようだ。粗削りな言葉づかいで、
吠えるタイフォンの舌からこぼれ落ちたなら
誇張とも思えるような言葉だ。この古臭い戯れに
巨大なアキリーズは、押し潰されたベッドに寝そべりながら、
深い胸の奥から大声で称賛の笑いを上げ、
叫ぶのだ、「素晴らしい。まさにアガメムノンだ。
次はネスターを演じてくれ。咳払いをして、髭を撫でろ、
彼が何かの演説をしようと準備している時のように」と。
それが終わると、平行線の極限の端ほども近くなく、
ヴァルカンとその妻ほども似ていないというのに、
それでも神アキリーズは叫ぶ、「素晴らしい。
まさにネスターだ。次は彼を演じてくれ、パトロクラス、
夜襲の警報に応えようと武装するところを」と。
そしてその次は、何と、老いの弱々しい欠点が
笑いの場面にならねばならない。咳き込み、唾を吐き、
中風のように喉当ての上で震える手で弄り、
留め金を入れたり外したりする。この余興に
勇者の殿は死にそうになり、叫ぶのだ、「ああ、十分だ、パトロクラス、
さもなくば俺に鋼鉄の肋骨をくれ。俺の脾臓は
喜びで張り裂けそうだ」と。そしてこの調子で、
我々のあらゆる能力、才能、性質、姿、
正確な優雅さを持つ個々の事柄や全体像、
功績、計画、命令、予防策、
戦場への鼓舞、あるいは休戦の演説、
成功や失敗、あること、ないこと、すべてが
この二人が逆説を作り出すための材料として使われているのだ。
ネスターそしてこの二人の物真似に——
ユリシーズが言うように、世評が彼に
皇帝の如き声の冠を被せているため——多くの者が感染している。
エイジャックスはわがままに育ち、
尊大なるアキリーズとまったく同じほど傲慢な立場で、
首の綱を張り詰めている。彼のように天幕に引きこもり、
派閥争いの宴を開き、我々の戦争の状況を罵り、
神託のように大胆に、そしてサーサイティーズという、
その胆汁が造幣局のように中傷を鋳造する奴隷をけしかけ、
我々を泥との比較に引きずり下ろし、
どれほど危険に囲まれていようとも、
我々の置かれた状況を弱め、信用を落とそうとしているのだ。
ユリシーズ彼らは我々の策を非難し、それを臆病と呼び、
知恵を戦争の一部とは見なさず、
先見の明を先回りして否定し、手の行い以外の
いかなる行動も評価しない。静かなる精神の働きは、
時宜が彼らを呼ぶ時に、どれほど多くの手が打撃を与えるべきかを考案し、
その観察に基づく苦労の尺度によって敵の重みを知るのだが——
なんと、これには指一本の尊厳もないのだ。
彼らはこれをベッドでの作業、地図作り、小部屋の戦争と呼ぶ。
そのため、城壁を打ち砕く破城槌を、
その重さの大いなる揺れと荒々しさゆえに、
彼らはその機械を作った者の手よりも、
あるいはその精神の精妙さをもって
理性によりその実行を導く者たちよりも上に置くのだ。
これが認められれば、アキリーズの馬は
ネスター多くの海の女神の息子たちを凌ぐことになる。
何のラッパだ。見よ、メネレイアス。
アガメムノントロイからです。
メネレイアス我々の天幕の前に何の用か。
アガメムノンここが偉大なるアガメムノンの天幕でしょうか、お尋ねします。
イーニアスいかにもここだ。
アガメムノン使者であり君主である者が、
イーニアス王の耳に正々堂々と言葉をお伝えしてもよろしいか。
アキリーズの腕よりも強い保証をもって。
アガメムノン異口同音にアガメムノンを頭であり将軍であると呼ぶ
すべてのギリシャの指導者たちの前で。
公の許可と十分な安全を。
イーニアスそれらの最も威厳ある顔立ちを知らぬよそ者が、
いかにして他の定命の者たちの目と見分けられようか。
何と。
アガメムノンはい、
イーニアス私は尋ねるのです、敬意を呼び覚ますために、
そして若き太陽神を冷ややかに見つめる朝のように、
慎み深い赤らみをもって頬に準備をさせるために。
人々を導く、職務に就く神はどの方か。
高く偉大なるアガメムノンはどの方か。
このトロイ人は我々を嘲っている。あるいはトロイの男たちは
儀礼的な宮廷人なのだ。
アガメムノン会釈する天使のように、自由で、愛想がよく、
武装していない宮廷人。それが平時における彼らの評判だ。
イーニアスだが彼らが兵士として見える時には、胆力があり、
良き武具、強靭な関節、真の剣を持ち、ジュピターの調和にかけて、
これほど心に満ちた者たちはない。だが静まれ、イーニアス、
静まれ、トロイ人よ。自分の唇に指を当てよ。
称賛の価値は、称賛される者自らが
その称賛を口にすれば、その価値を汚すことになる。
だが不満を抱く敵が褒め称えること、
その息こそが名声を吹き飛ばすのだ。その称賛こそが、唯一純粋に超越する。
卿、トロイの方よ、あなたは自らをイーニアスと呼ぶのか。
そうだ、ギリシャ人よ、それが私の名だ。
アガメムノンご用件は何だ、聞こう。
イーニアス卿、お許しを。これはアガメムノンの耳に入れるものです。
アガメムノン彼はトロイから来る話を、密かに聞くことはない。
イーニアス私もトロイから、彼に耳打ちするために来たのではない。
アガメムノン私は彼の耳を目覚めさせるためにラッパをもたらし、
イーニアス彼の感覚を注意深い方向へと向けさせ、
それから話すために来たのだ。
風のように率直に話せ。
今はアガメムノンの眠る時間ではない。
アガメムノンそなたに知らせよう、トロイ人よ、彼は目覚めていると、
彼自身がそうそなたに告げているのだ。
ラッパよ、高らかに鳴れ、
その真鍮の声をこの怠惰な天幕のすべてに響き渡らせよ。
イーニアスそして気骨あるすべてのギリシャ人に知らせよ、
トロイが正当に意図することを、大声で語るということを。
偉大なるアガメムノンよ、我々にはここトロイに
ヘクターと呼ばれる君主がいる——プライアムが彼の父親だ——
イーニアス彼はこの退屈で長く続く休戦のなかで
錆びついてしまった。彼は私にラッパを取れと命じ、
この目的のために話せと言った。王たち、君主たち、卿たちよ。
もしギリシャの最も美しい者たちのなかに、
自らの安楽よりも名誉を高く保つ者がいるなら、
危険を恐れるよりも称賛を求める者がいるなら、
自らの勇気を知り、恐れを知らぬ者がいるなら、
自らの愛する者の唇に向けた怠惰な誓いによる
告白以上に、自らの愛人を愛する者がいるなら、
そして彼女の腕のなか以外の戦いの腕のなかで、
彼女の美しさとその価値を証明する勇気があるなら——その者への挑戦だ。
ヘクターは、トロイ人とギリシャ人の面前で、
それを証明するか、あるいはそうするために最善を尽くすだろう。
彼には、いかなるギリシャ人がその腕に抱いた者よりも、
より賢く、より美しく、より貞淑な淑女がいるということを。
そして明日は、自らのラッパで
あなた方の天幕とトロイの城壁の中間に呼びかけ、
愛に真実なるギリシャ人を呼び覚ますだろう。
もし誰か来れば、ヘクターはその者を称えるだろう。
もし誰も来なければ、彼はトロイに引き上げる時にこう言うだろう、
ギリシャの貴婦人たちは日に焼け、
槍の破片ほどの価値もないと。以上だ。
これは我々の恋人たちに伝えられよう、イーニアス卿。
もし彼らのなかにそのような種類の魂を持つ者がいなければ、
アガメムノン我々は彼らを皆、故郷に置いてきたのだ。だが我々は兵士だ。
そして、その兵士が愛していない、愛を持たない、
あるいは恋をしていないなら、単なる卑怯者と証明されるがよい。
もしその時、誰かがそうであるか、
そう持っているか、あるいはそうなるつもりなら、
その者がヘクターと会う。もし他に誰もいなければ、私がその男だ。
彼にネスターのことを伝えよ。ヘクターの祖父が
ネスター乳を飲んでいた頃に男であった者のことを。彼はいまは老いている。
だが、もし我らがギリシャの軍勢のなかに、
自らの愛のために応える火花を一つでも持つ
高貴な男がいなければ、私から彼にこう伝えよ。
私は銀の髭を黄金の面頬に隠し、
この枯れ果てた筋肉を腕当てに押し込み、
彼と出会い、彼にこう告げるだろう、私の淑女は
彼の祖母よりも美しく、この世界にあり得る限り
貞淑であったと。彼が若さの絶頂にあろうとも、
私はこの真実を、私の三滴の血をもって証明しよう。
ああ、天よ、そのような若者の欠乏を禁じたまえ。
イーニアスアーメン。
ユリシーズ美しきイーニアス卿、そなたの手に触れさせてくれ。
アガメムノン我々の天幕までご案内しよう、卿。
アキリーズにはこの意図を言葉で伝えよう。
ギリシャの各々の君主にも、天幕から天幕へとそうしよう。
そなた自身は去る前に我々と共に宴を楽しみ、
高貴なる敵の歓迎を見出すが良い。
ネスター。
ユリシーズユリシーズは何と言う。
ネスター私の頭のなかに生まれたばかりの考えがある。
ユリシーズそれを何かの形にするための、私の時間となってくれ。
それは何だ。
ネスターこれだ。
ユリシーズ鈍い楔が硬い結び目を引き裂く。種を撒かれた傲慢さが、
階級の高いアキリーズのなかで
この成熟へと膨れ上がったからには、いま刈り取られるか、
あるいは種を落として同じ悪の苗床を育て、
我々すべてを圧倒するかだ。
なるほど、それでどうやって。
ネスター勇敢なヘクターが送ってきたこの挑戦は、
ユリシーズいかに一般的な名前で広められていようとも、
その目的においてはアキリーズだけに関係している。
その目的は実体と同じほど明白だ。
ネスターその全体像は小さな文字が合計している。
そして、その公表において、疑う余地はない。
ただアキリーズが、その頭脳が
リビアの砂漠と同じほど不毛であったとしても——アポロは知っている、
それは十分に乾いていると——大いなる判断の速度で、
そう、俊敏さをもって、ヘクターの目的が
自分に向けられていることを見出すだろうということ以外は。
そしてその答えへと彼を目覚めさせると、そう思うか。
ユリシーズそうだ、それが最も適切だ。他に誰を対抗させられる。
ネスターヘクターから彼自身の名誉を奪い取ることができるのは、
アキリーズでなくて誰だ。それが余興の戦闘であろうとも、
その試練のなかには世評が多く宿っている。
なぜならここでトロイ人は、我々の最も大切な名声を
彼らの最も鋭い味覚で味わうからだ。そして私を信じよ、ユリシーズ、
我々の評価はこの野蛮な行動において、
奇妙な天秤にかけられるだろう。なぜならその結果は、
個人的なものであっても、全体に対して
良きにつけ悪しきにつけ、その見本を与えるからだ。
そしてそのような索引には、あとに続く巻物への
小さな印にすぎないとはいえ、
やがて現れる事柄の巨大な塊の、
赤子のような姿が見えるのだ。
ヘクターと出会う者は我々の選択から出ると見なされる。
そして選択とは、我々すべての魂の相互の行為であり、
価値こそがその選抜を行い、沸き立たせるのだ、
あたかも我々すべての中から、我々の美徳から
抽出された一人の男を。その者が失敗すれば、
どのような心がそこから、打ち負かした側から、
自分たちに強固な世評を鍛え上げるためのものを受け取るだろうか。
それを受け入れたなら、手足はその道具となる。
手足によって指示される剣や弓と
同じほどの働きをして。
私の言葉をお許し願いたい。
ユリシーズそれゆえにこそ、アキリーズがヘクターに会わないことが適切なのだ。
商人のように、我々の最も汚い品物を見せよう、
そしてもしかすると、それは売れるかもしれないと考えよう。もし売れなければ、
より良い品物の輝きは、それを見せる時には、
さらに良く見えるだろう。絶対に同意してはならない、
ヘクターとアキリーズが出会うことには。
なぜなら、これに関する我々の名誉と我々の恥は共に、
二つの奇妙な付き人に付きまとわれているからだ。
私の古い目にはそれらが見えない。それらは何だ。
ネスター我々のアキリーズがヘクターから得る栄光は、
ユリシーズ彼が傲慢でなければ、我々すべてが彼と分かち合うはずのものだ。
だが彼はすでにあまりにも横柄だ。
そしてアフリカの太陽に焼かれたほうがまだましだ、
彼の目の傲慢さと塩辛い嘲りのなかにいるよりも、
もし彼がヘクターから見事に逃れたなら。もし彼が敗れたなら、
何と、我々は我々の最も優れた男の汚点において、
我々の主要な名声を押し潰したことになる。いや、くじ引きにするのだ。
そして企みによって、愚鈍なエイジャックスに
ヘクターと戦うためのくじを引かせるのだ。我々の間では
彼をより優れた男として認めてやろう。
なぜならそれが、大いなるミュルミドン兵への薬となり、
大声の称賛のなかで煮えたぎる彼を落とさせるからだ、
青き虹の女神よりも誇らしげに曲がるその鶏冠を。
もし鈍く脳のないエイジャックスが無事に逃れれば、
我々は彼を称賛の声で着飾らせよう。もし彼が失敗しても、
我々は依然として、
我々にはさらに優れた男たちがいるという世評の下を行くのだ。
だが、当たろうと外れようと、
我々の計画の命は、この意味の形をとる。
エイジャックスが使われることで、アキリーズの羽飾りが引き下ろされるのだと。
ネスターユリシーズよ、
私はいま、そなたの助言を味わい始めた。
そして直ちにその味見を
アガメムノンにさせよう。すぐさま彼のもとへ行こう。
二匹の野犬がお互いを飼いならすだろう。傲慢さだけが、
まるで骨であるかのように、その猛犬たちをけしかけるに違いない。
