ボリングブルック閣下、ここからバークリーまで、あとどれほどです?
ノーサンバランド信じてください、気高き閣下、
私はここグロスターシャーには不案内なのです。
高く荒れた丘と、険しくでこぼこの道が
一マイル一マイルを引き延ばし、旅をつらくする。
それでも、あなたの見事なお話が砂糖となって、
険しい道を甘く、楽しいものにしてくださいました。
ただ思えば、どれほどつらい道のりに感じるでしょう、
レイヴンズパーからコッツウォルドまでを行く
ロスとウィロビーには、あなたのお供がないのですから。
誓って申します、そのお話のおかげで私はずいぶん
この長旅の退屈と道のりを忘れられました。
もっとも、お二人の旅も甘くなりましょう、今の私が
手にしている喜びを、やがて得る望みによって。
喜びを待つ望みには、
かなって味わう喜びにほとんど劣らぬ喜びがある。だから疲れたお二人にも
道のりは短く思えるでしょう、この私が
目の前にある宝、あなたとのお供によってそう感じたように。
ボリングブルック私の供など、あなたのありがたいお言葉に比べれば、
はるかに値打ちがない。だが、あれへ来るのは誰だ?
ノーサンバランド息子の若いハリー・パーシーだ、
どこにいるか知れぬ弟ウスターから遣わされたのだろう。
ハリー、叔父上は息災か?
パーシー閣下から叔父の様子を伺えるものと思っておりました。
ノーサンバランド何、叔父上は王妃と一緒ではないのか?
パーシーいいえ、閣下。叔父は宮廷を捨て、
職杖を折り、
王家の者たちを解散させました。
ノーサンバランド何が理由だ?
この前話したときには、そこまで決意しておらなんだ。
パーシー閣下が反逆者と布告されたからです。
ですが叔父は、閣下、レイヴンズパーへ向かいました、
ヘリフォード公にお仕えするために。
そして私をバークリー経由でこちらへ遣わし、探らせました、
ヨーク公があそこでどれほどの軍勢を集めたかを。
そのうえでレイヴンズパーへ戻れとの指図です。
ノーサンバランドヘリフォード公を忘れたのか、若造?
パーシーいいえ、閣下、忘れたことはありません、
そもそも覚えたことがないのですから。私の知るかぎり、
これまで一度もお目にかかったことがありません。
ノーサンバランドならば今、しかと覚えろ。この方が公爵だ。
パーシー慈悲深き閣下、この身の奉仕を捧げます、
捧げる身は、まだ柔らかく、青く、若いながら。
歳月がこれを熟させ、確かなものとし、
さらに認められる奉仕と功へ育てましょう。
ボリングブルックありがとう、心優しいパーシー。覚えておいてくれ、
私が何にもまして幸せだと思うのは、
よき友を忘れぬ心を持つことだ。
そして私の運が、お前の愛とともに熟すにつれ、
その実りはいつも、お前の真心への報いとなろう。
この契りを心で結び、こうして手で封印する。
ノーサンバランドバークリーまで、あとどれほどだ? それに、よき老ヨークは
兵を率いて、あそこで何を騒いでいる?
パーシーあの木立のそばに、城が見えます、
聞くところでは、三百の兵が守っているとか。
中にはヨーク、バークリー、シーモアの諸卿がおられます。
名と身分のある方は、ほかにおりません。
ノーサンバランドロス卿とウィロビー卿がお見えだ、
拍車を血に染め、急ぎに炎のように赤くなって。
ボリングブルックようこそ、両卿。あなた方の真心が追って来たのは、
追放された反逆者だと承知している。私の金庫には
まだ、実の伴わぬ感謝の言葉しかないが、もっと豊かになれば、
あなた方の真心と骨折りに、必ず報いよう。
ロスあなたがおいでになる、それだけでわれらは豊かです、気高き閣下。
ウィロビーここへたどり着くまでの苦労など、はるかに上回る喜びです。
ボリングブルック重ねて感謝を。感謝は貧しい者の国庫だ。
幼いわが運が一人前になるまでは、
これを私の褒美の代わりとしよう。だが、あれへ来るのは誰だ?
ノーサンバランドあれはバークリー卿とお見受けする。
バークリーヘリフォード卿、あなたへお伝えすることがあります。
ボリングブルック閣下、私の答えは——ランカスターへ、と申す。
私はその名をイングランドに求めて、ここへ来た。
あなたの口からその称号を聞かぬうちは、
何を言われようと、返答するつもりはない。
バークリー誤解なさいますな、閣下。あなたの栄誉の称号を
一つでも削り取るつもりはありません。
閣下、何と呼ばれることをお望みであれ、私はあなたのもとへ参りました、
この国の、いとも慈悲深き摂政、
ヨーク公の使いとして。何があなたを駆り立て、
王の留守につけ込んで、
同胞相食む軍勢で祖国の平和を脅かすのか、伺うためです。
ボリングブルックあなたに言葉を運んでもらうには及ばない。
ご本人がお見えだ。気高き叔父上。
ヨーク見せるなら、へりくだった心を見せろ、膝ではない。
膝の忠義など、人を欺く偽りだ。
ボリングブルック慈悲深き叔父上——
ヨーク黙れ、黙れ。
「閣下」などと私を飾るな、「叔父」などと私を飾るな。
私は反逆者の叔父ではない。それに「閣下」という言葉も、
不届きな口から出れば、神聖を汚すだけだ。
なぜその追放され、禁じられた脚が、
イングランドの土の一粒に触れようなどと大胆にも企てた?
いや、さらになぜだ。なぜその脚が、
この国の穏やかな胸の上を、これほど長く行軍し、
青ざめた村々を戦で脅し、
法をなめきった武器を見せびらかした?
油を注がれた王が留守だから来たのか?
この愚か者。王は後ろに残っておられる、
この忠義に満ちた胸に、王の力は宿っている。
今の私が、あの血気盛んな若さの主でありさえすれば、
勇敢な父ゴーントと私が、
若き軍神、黒太子を、
幾千ものフランス兵の隊列から救い出したころの若さであれば、
ああ、この腕がどれほど素早く、
今は麻痺の囚人となったこの腕が、お前を懲らしめ、
その過ちにしかるべき罰を与えるものを。
ボリングブルック慈悲深き叔父上、私の過ちを教えてください。
どのような罪であり、どこにあるのです?
ヨーク最悪の罪にほかならぬ、
紛れもない反乱、忌まわしい大逆だ。
お前は追放された身、それがここへ戻った、
追放の期限が切れぬうちに、
主君へ刃向かう軍を率いてな。
ボリングブルック追放されたとき、私はヘリフォードとして追放されました。
だが戻った今、私はランカスターとして戻ったのです。
気高き叔父上、どうかお願いいたします、
私が受けた不正を、分け隔てのない眼でご覧ください。
あなたは私の父です。あなたの中に、
老いたゴーントが生きているように思える。ああ、ならば父上、
私が罪に定められたままでいるのをお許しになるのですか、
さすらう宿なしとして。私の権利も王族の特権も、
この腕から力ずくでもぎ取られ、
成り上がりの放蕩者に与えられた。それなら何のために私は生まれた?
従弟の王がイングランド王であるなら、
私がランカスター公であることも認めねばなりません。
あなたにはご子息オーマール、私の気高き従弟がいる。
もしあなたが先に亡くなり、彼がこうして踏みにじられたなら、
叔父ゴーントは彼の父となり、
彼を踏みにじった者どもをねぐらから狩り出し、窮地まで追い詰めたはずです。
私はここで相続財産の引き渡しを願い出ることさえ許されず、
それを認める勅許状を持っているのに無視された。
父の財産はことごとく差し押さえられ、売り払われ、
その金も、すべて残らず悪しきことに使われた。
私にどうせよとおっしゃる? 私は臣下です、
法に訴えます。だが代理人すら許されない。
だからこの身で、みずから請求するのです、
正当な血筋から受け継ぐ、わが相続財産を。
ノーサンバランド気高き公爵は、あまりにもひどい仕打ちを受けました。
ロス閣下には、この方の正義を取り戻す責務があります。
ウィロビーこの方の財産で、卑しい者どもが成り上がっています。
ヨークイングランドの諸卿よ、これだけは言っておく。
私は従弟の受けた不正を身に感じ、
正すため、できるかぎりの力を尽くした。
だが、こんな形で、刃向かう軍を率いて戻り、
みずから包丁を持って行く手を切り開き、
不正をもって正義を探し出すなど、許されぬ。
そして、このやり方で彼を助けるお前たちは、
反乱を育てる、みな反逆者だ。
ノーサンバランド気高き公爵は誓われました、ここへ戻ったのは
ただご自分のものを取り戻すためだと。その権利のため、
われらも力を尽くして助けると、固く誓いました。
その誓いを破る者には、二度と喜びが訪れぬように。
ヨーク分かった、分かった。この軍が行き着く先は見える。
それを正せぬことは、認めざるをえない、
私の力は弱く、何の備えもできておらぬからだ。
だが力があれば、命を授けた神に懸けて、
お前たちを一人残らず捕らえ、屈服させ、
王たる陛下の慈悲にすがらせるものを。
だが、それができぬ以上、よく覚えておけ、
私は中立の立場にとどまる。では、さらばだ。
もっとも、城へ入って、
今夜そこで休みたいというなら別だが。
ボリングブルック叔父上、そのお申し出、ありがたく受けましょう。
ですが、どうしても叔父上にもご同行願わねばなりません、
ブリストル城まで。聞けば、あそこを守っているのは
ブッシー、バゴットと、その一味、
この国に巣食う毛虫どもです。
私は、あれらを除き、根こそぎ抜くと誓いました。
ヨーク一緒に行くことになるかもしれぬ。だが、まだ考えさせろ。
この国の法を破るのは気が進まぬ。
友も敵も、私には歓迎できぬ客だ。
もはや正せぬことは、私にとって、もはや心配の外にある。
