モロッコこの顔の色ゆえに、わたしをお嫌いくださるな。
これは燃える太陽が着せてくれた、陰影のお仕着せ——
わたしはあの太陽の隣人にして、その膝元で育った者。
北の果ての生まれの、どんな色白の美男でも連れてくるがいい、
フェーバスの火も氷柱をろくに溶かせぬ、あの北国のだ。
そしてあなたへの愛にかけて、互いの肌を切り開き、
どちらの血がより赤いか、あの男か、わたしか、試そうではないか。
申し上げるが、姫よ、このわたしの面構えは、
勇者をも怯ませてきた。わが愛にかけて誓うが、
わが国で一番もてはやされる乙女たちは、
この色をも愛してくれたのだ。この色合いを取り替える気はない、
あなたのお心を盗むためなら別だがな、わが優しの女王よ。
ポーシャ選ぶことにかけては、わたしは乙女の目の
気むずかしい指図だけに、導かれているわけではありません。
それに、わたしの運命は籤引き次第、
自分の意志で選ぶ権利は、閉ざされています。
けれど、父がわたしを縛らず、
お話ししたあの方法で射止めてくださった方に嫁ぐようにと、
その知恵で垣根を巡らせていなければ、
名高い大公様、あなたも、これまでお見えになったどなたにも劣らず、
わたしの心を得る見込みのあるお方でした。
モロッコそのお言葉だけでも、かたじけない。
それゆえ、どうか、あの箱のもとへご案内願いたい、
わが運を試すために。この半月刀にかけて——
ペルシャの王と、ソリマン皇帝を三たび戦場で破った
ペルシャの王子とを、討ち取ったこの刀にかけて——
どんな厳しい眼も睨み返し、
この地上で一番剛胆な心臓をも威圧し、
乳を吸う仔熊を母熊の懐からもぎ取り、
そうとも、獲物を求めて吠える獅子をも嘲ってみせよう、
あなたを勝ち取るためならば、姫よ。だが、ああ、口惜しいことよ!
ヘラクレスとその小姓リカスがサイコロを振って、
どちらが上の男かを競えば、大きな目は
運まかせ、弱いほうの手から出ることもある。
そしてアルシデスは、小姓に負かされるのだ。
このわたしも同じこと、盲目の運命に引かれて、
値打ちの劣る男の手に入るものを取り損ね、
悲嘆のあまり死ぬことになるやもしれん。
ポーシャ運はお任せになるほかありません。
そもそも選ぶことをお諦めになるか、
それとも、お選びになる前に誓っていただくか——万一外れたときは、
以後、いかなる女人にも、結婚のことでは
二度と口をきかない、と。ですから、よくよくお考えを。
モロッコ誓おう、二度と口をきかぬ。さあ、わが運試しの場へ案内を。
ポーシャまずは礼拝堂へ。お食事のあとで、
運試しをしていただきましょう。
モロッコでは、幸運を祈るのみ!
人界一の果報者となるか、人界一の呪われ者となるかだ。
