ギルフォードご婦人方、猊下より皆様すべてへ
心から歓迎を。今宵を猊下は
麗しい喜びと皆様に捧げます。この高貴な花の一群には、
外の憂いを一つでも持ち込んだ方は
いないはず、と願っておられる。善き仲間、善き酒、善きもてなしが
善き方々を楽しませられる、その限りまで
全員に陽気でいてほしいと。おお、閣下、遅いお着きです。
ギルフォードこの美しい方々を思っただけで、
私には翼が生えました。
侍従長まだお若いな、ハリー・ギルフォード卿。
サンズトマス・ラヴェル卿、もし枢機卿に
俗人たる私の思いが半分でもあれば、この中の何人かには
お休みになる前に、立ったままの後宴を味わわせるはず、
そのほうがきっとお気に召すでしょう。命にかけて、
美しい方ばかりの、甘やかな一座だ。
ラヴェルああ、今こそ閣下がこの中の
お一人かお二人の聴罪司祭ならよかったのに!
サンズまったくだ。
さぞ軽い苦行で済ませてさしあげるのに。
ラヴェルこれは、その軽さはどれほど?
サンズ羽毛の寝床でできるかぎり軽く、だ。
侍従長愛らしいご婦人方、どうぞお掛けください。ハリー卿、
そちら側を頼む。私はこちらを引き受けよう。
猊下がお入りになる。さあ、凍えてはいけません。
女二人を並べると、寒い天気になる。
サンズ卿なら、この方々を眠らせずにおけるだろう。
どうぞ、お二人の間にお掛けを。
サンズこれはありがたい、
閣下に感謝します。ご婦人方、失礼して。
もし少々、野放図な話をしてもお許しを。
父譲りなのです。
アンお父様は気が触れていたのですか?
サンズええ、ひどく、途方もなく、恋にも狂っていた。
でも誰にも噛みつかなかった。ちょうど今の私のように、
ひと息のうちに、あなたへ二十回口づけしたものです。
侍従長お見事、閣下。
さあ、これで皆きれいに席へ着いた。紳士諸君、
この美しいご婦人方が眉をひそめたまま帰ったら、
苦行を受けるのは諸君だぞ。
サンズ私の小さな教区のことなら、
お任せを。
ウルジーようこそ、美しき客人の皆様。この高貴なご婦人、
または紳士のうち、心から陽気でない方は、
私の友ではありません。歓迎のしるしに、この一杯を。
そして皆様のご健康を。
サンズ猊下はなんと寛大な。
私の感謝を全部入れられる杯をください、
そうすれば、長話をせずに済みます。
ウルジーサンズ卿、
こちらこそ感謝します。お隣を楽しませてください。
ご婦人方、陽気さが足りませんな。紳士諸君、
これは誰の責任だ?
サンズまず赤い酒が昇らねば、
この方々の美しい頬へ、猊下。そうすれば、こちらが
黙り込むほど、おしゃべりになるでしょう。
アンずいぶん陽気な勝負師ですね、
サンズ卿。
サンズええ、私の手を打たせてもらえるなら。
あなた様へ乾杯。さあ、受けてください、奥方、
乾杯するのは、こんなものに——
アン私に見せられないものでしょう。
サンズ申したでしょう、猊下、この方々もじきに話し出すと。
ウルジー何事だ?
侍従長誰か、外を見てこい。
ウルジーこの勇ましい響きは何だ、
何のためだ? いや、ご婦人方、恐れずともよい。
あらゆる戦の掟により、皆様は保護されている。
侍従長どうした! 何事だ?
召使い高貴な異国人の一団です。
見たところ、そう思われます。川舟を離れて上陸し、
異国の君主から遣わされた大使のような
堂々たる様子で、こちらへ向かっています。
ウルジー善き侍従長、
迎えに出て、歓迎を。そなたはフランス語を話せる。
どうか礼を尽くして迎え、われらの前へ
案内してくれ。ここなら、この美の天国が
満ち満ちた光をあの方々へ注ぐだろう。誰か、お供を。
ウルジー宴は途中で切れてしまったが、すぐに繕いましょう。
皆様、よいご消化を。そしてもう一度、
歓迎を雨と降らせましょう。皆様、ようこそ。
ウルジー高貴な一団だ! 何をお望みかな?
侍従長英語を話せないので、こう伝えてほしいとのことです。
今宵、この場所に、かくも高貴で
美しい方々がお集まりになると
評判に聞き、美への深い敬意ゆえ、
羊の群れを置いて来ずにはいられなかった。
猊下のご親切なお導きのもと、
このご婦人方を眺めるお許しと、
一時間、ともに踊り楽しむことを願っております。
ウルジー侍従長、伝えてくれ、
この粗末な館に誉れを添えてくださった、そのことに
千度の感謝を申し上げ、心ゆくまでお楽しみ願いたいと。
ヘンリー王これまで触れた中で、最も美しい手! おお、美よ、
今まで私は、そなたを知らなかった!
ウルジー侍従長!
侍従長猊下?
ウルジー私から、こう伝えてくれ。
あの一団の中に、その御身から見て、
私よりこの上座にふさわしい方が一人おられるはず。
その方がどなたか分かりさえすれば、愛と忠誠をもって
この席をお譲りしたいと。
侍従長承知しました、猊下。
ウルジー何と申している?
侍従長そのような方が確かに一人いると、
全員が認めております。猊下ご自身に
見つけていただきたい、その方は席を受けるだろうと。
ウルジーでは、拝見しよう。
紳士の皆様、どうかお許しを。この中から
わが王を選ばせていただく。
ヘンリー王見つけたな、枢機卿。
ヘンリー王美しい方々を集めたものだ。よくやった、猊下。
そなたが聖職者でなければ、枢機卿よ、
私は今ごろ、とんだ邪推をするところだった。
ウルジー陛下が
これほど愉快でいらっしゃるとは、嬉しゅうございます。
ヘンリー王侍従長、
こちらへ来てくれ。あの美しい婦人は誰だ?
侍従長陛下、トマス・ブリン卿のご令嬢です——
ロッチフォード子爵の。王妃付きの女官の一人です。
ヘンリー王天にかけて、なんとも愛らしい。可愛い人、
踊りへ連れ出しておきながら、
口づけしないのは無作法というもの。諸君、乾杯だ!
杯を回せ。
ウルジートマス・ラヴェル卿、奥の間では
後宴の支度ができているか?
ラヴェルはい、猊下。
ウルジー陛下、
踊りで少しお熱くなられたのでは。
ヘンリー王少しどころではないようだ。
ウルジー次の間には、陛下、
もっと涼しい空気がございます。
ヘンリー王皆、ご婦人を中へお連れせよ。愛しき相手よ、
私はまだ、そなたを離すわけにはいかぬ。さあ、楽しもう。
善き枢機卿、私はこの美しい方々のために
まだ半ダースは乾杯し、もう一度
皆を踊りへ導かねばならぬ。それから夢で決めよう、
誰が一番の寵を得るか。音楽よ、打ち鳴らせ。
