ヨーク王妃の軍が、戦場を制した。
叔父上方は、二人とも、私を救おうとして討たれ、
従う者たちは皆、猛り立つ敵に背を向け、
風に追われる船のように、
飢えきった狼に追われる子羊のように、逃げていく。
息子たちに、何が起きたかは、神のみぞ知る。
だが、これだけは分かる。生きようと、死のうと、
名声を得るために生まれた男らしく、振る舞った。
リチャードは三度、敵を切り開き、私への道を作り、
三度、叫んだ、「勇気を、父上! 最後まで戦え!」と。
そして、同じだけ、エドワードも、わがそばへ来た。
紫に染まった大刀は、鍔まで、
戦った者たちの血に、塗り込められていた。
最も勇敢な戦士たちさえ、退いたとき、
リチャードは叫んだ、「突撃! 一歩も土地を譲るな!」
そして叫んだ、「王冠か、さもなくば、栄えある墓!
王笏か、さもなくば、大地の墓所!」と。
その言葉で、われらは、再び突撃した。だが、ああ!
またも、しくじった。私が見たことのある白鳥のように、
むなしい苦労で、流れに逆らって泳ぎ、
力の及ばぬ波に、その力を使い果たした。
ヨークああ、聞け! 死をもたらす追っ手が、迫ってくる。
私は、弱り果て、その猛威から、逃げることができぬ。
たとえ、力があっても、その猛威を避けようとは思わぬ。
わが命を成す、砂時計の粒は、数え尽くされた。
ここに留まり、ここで、わが命は終わらねばならぬ。
ヨーク来い、血に飢えたクリフォード、荒々しいノーサンバランド。
消せぬ、その怒りを、さらに激しくしてみろ。
私は、そなたたちの的、矢を受けて立とう。
ノーサンバランドわれらの慈悲に、身を委ねよ、高慢なプランタジネット。
クリフォードああ。あの情け容赦ない腕が、
真っ向からの支払いとして、わが父へ示したのと、同じ慈悲にな。
今や、ファエトンは、戦車から転げ落ち、
正午の時刻に、夕暮れをもたらした。
ヨークわが灰から、あの不死鳥のように、
そなたたち皆に、復讐する鳥が、生まれるだろう。
その望みによって、私は、目を天へ投げ、
そなたたちが加える、どのような苦しみも、蔑もう。
なぜ、来ぬ? 何だ! 大勢いながら、恐れるのか?
クリフォード臆病者も、これ以上、逃げられぬときは、そのように戦う。
鳩も、鷹の鋭い鉤爪を、そのように啄む。
命の望みを失った、捨て身の盗賊も、
役人へ向かい、そのように罵言を吐くものだ。
ヨークおお、クリフォード、もう一度、よく考えよ。
思いの中で、私の過ぎた年月を駆け戻れ。
そして、赤面せずにできるなら、この顔を見よ。
かつて、この眉を顰めただけで、
気力を失い、逃げた、お前が、
この私を臆病者と謗る、その舌を噛み切れ!
クリフォードそなたと、一言ずつ、言葉を打ち返しはせぬ。
一撃に二撃、打撃をもって、組み合ってやる。
マーガレット王妃待ちなさい、勇ましいクリフォード! 千もの理由から、
この逆賊を、しばらく、生かしておきたいのです。
怒りで、耳に入らぬようね。ノーサンバランド、あなたが話しなさい。
ノーサンバランド待て、クリフォード! 心臓を傷つけようとして、
指を刺すほど、この男へ名誉を与えるな。
犬が、歯を剥いて唸るとき、
足で蹴り飛ばせるのに、
その歯の間へ手を差し入れることが、勇気だろうか?
あらゆる有利を得るのが、戦の褒美。
十対一でも、武勇の傷にはならぬ。
クリフォードそうだ、そうだ。山鴫も、罠の中で、そのようにもがく。
ノーサンバランド兎も、網の中で、そのようにもがく。
ヨーク盗賊も、奪い取った獲物を前に、そのように勝ち誇り、
まことの人も、多勢の強盗には、そのように屈する。
ノーサンバランド王妃は、今、この男を、どうなさりたいのです?
マーガレット王妃勇ましい戦士、クリフォード、ノーサンバランド、
来なさい。この男を、この土くれの丘へ立たせて。
伸ばした腕で、山々に届こうとしながら、
その手では、影を分けただけの男を。
まあ! イングランドの国王になろうとしたのは、あなた?
議会で、勝手気ままに振る舞い、
高貴な血筋について、説教したのも、あなた?
今、あなたを支える、ひと揃いの息子たちは、どこ?
放埒なエドワード、たくましいジョージは?
そして、あの勇敢な、せむしの怪物は、どこ?
不平を鳴らす声で、いつも、
謀反の父親を励ました、坊やのディッキーは?
あるいは、ほかの者たちとともに、愛するラトランドは、どこ?
見なさい、ヨーク。この布を、私は、あの子の血で染めた。
勇ましいクリフォードが、細身の剣の切っ先で、
少年の胸から、流れ出させた血で。
あの子の死を思い、目から水を流せるなら、
これをあげましょう。頬を拭うために。
ああ、哀れなヨーク! あなたを、死ぬほど憎んでいなければ、
その惨めな有様を、嘆いたでしょうに。
お願い、悲しんで、私を楽しませて、ヨーク。
何です、燃え盛る心が、内臓まで焼き尽くし、
ラトランドの死へ、涙一滴、落とせないの?
なぜ、耐えているの? あなたは、狂うべきよ。
狂わせるために、私は、このように、嘲っているのです。
足を踏み鳴らし、荒れ狂い、苛立ちなさい。私が歌い、踊れるように。
あなたは、私を楽しませるため、報酬を求めているようね。
ヨークは、王冠をかぶらなければ、話せない。
ヨークへ王冠を! 諸卿、あの方へ、深く頭を下げなさい。
この男の手を押さえて。私が、王冠を載せます。
マーガレット王妃そう、まったく、今は、国王らしく見えます!
そう、これは、ヘンリー王の椅子を奪った男。
そして、陛下の、指名された世継ぎとなった男。
でも、なぜ、偉大なるプランタジネットは、
これほど早く、王冠を戴き、厳粛な誓いを破ったの?
思い返せば、わがヘンリー王が、
死と握手するまでは、あなたは、国王にならぬはず。
それなのに、ヘンリーの栄光で、その頭を囲み、
まだ生きているのに、聖なる誓いに背き、
その額から、王冠を奪おうというの?
おお、あまりにも、あまりにも、許しがたい罪!
王冠を取れ。そして、王冠とともに、その首も。
われらが、息をしている間に、時を逃さず、この男を殺しなさい。
クリフォードそれは、父のために、私が果たす務めです。
マーガレット王妃いいえ、待って。この男が、どのような祈りを捧げるか、聞きましょう。
ヨークフランスの雌狼、いや、フランスの狼より、さらに悪い女、
その舌は、毒蛇の牙より、毒に満ちている!
運命の囚人となった者たちの苦しみに対し、
アマゾンの娼婦のように勝ち誇るとは、
女の性に、何と似つかわしくないことか!
悪事を重ね、厚顔となった、そなたの顔が、
仮面のように、変わることを知らなければ、
高慢な王妃よ、そなたを赤面させようと、試みるものを。
どこから来て、誰の血を引くか、それを語るだけで、
恥知らずでなければ、そなたを辱めるには十分だ。
そなたの父は、ナポリ、両シチリア、エルサレムの、
国王という肩書を持つ。
だが、イングランドの自作農よりも、富に乏しい。
その貧しい国王が、人を侮辱することを、そなたに教えたのか?
教える必要もなければ、そなたの役にも立たぬ。
ただし、「馬に乗った物乞いは、馬を死ぬまで走らせる」という、
諺が、真実となる必要があるなら、別だがな。
美しさは、しばしば、女を高慢にする。
だが、神もご存じのとおり、そなたの取り分は、わずかだ。
徳こそが、女を、最も称賛される者にする。
その反対のものが、そなたを、驚きの的にする。
慎みが、女を、神々しく見せる。
それがないため、そなたは、忌まわしい。
そなたは、あらゆる善に対し、
われらと正反対の、地球の裏側に住む者のように、
あるいは、北に対する南のように、反している。
おお、女の皮に包まれた、虎の心!
どうして、子の命の血を、すべて流し尽くし、
その血で、父に目を拭えと命じながら、
女の顔を、持っていられる?
女は、優しく、穏やかで、憐れみ深く、しなやかだ。
そなたは、厳しく、頑なで、石の心を持ち、
荒々しく、慈悲を知らぬ。
私に、怒れと命じるのか? 今、望みは、かなった。
私に、泣けと望むのか? 今、その意志も、かなった。
荒れ狂う風は、絶え間ない驟雨を、吹き起こす。
怒りが鎮まったとき、雨が降り始めるのだ。
この涙は、愛するラトランドへの弔い。
その一滴、一滴が、あの子の死への復讐を叫ぶ、
残忍なクリフォード、そして、偽りのフランス女よ、
そなたたちに向かって。
ノーサンバランド災いあれ。だが、この男の激しい悲しみに、これほど心を動かされ、
目から、涙が落ちるのを、ほとんど抑えられぬ。
ヨークあの子の顔なら、飢えた人食い人種さえ、
触れず、血で汚しもしなかっただろう。
だが、そなたたちは、ヒュルカニアの虎よりも、
さらに非情で、さらに情けを知らぬ。
おお、十倍も、虎より非情だ。
見よ、情け容赦ない王妃、運なき父親の涙を。
そなたが、愛する息子の血へ浸した、この布を、
私は、涙で洗い、血を落とす。
この布を持っていけ。そして、この行いを、自慢せよ。
この重い物語を、正しく語るなら、
わが魂にかけて、聞く者たちは、涙を流す。
そう、わが敵さえ、次々と、涙を落とし、
こう言うだろう、「ああ、何と哀れな行い」と。
さあ、王冠を取れ。そして、王冠とともに、わが呪いも。
そなたが困窮するとき、今、そなたの、
あまりにも残酷な手から、私が得るのと同じ慰めが、訪れよ!
心の硬いクリフォード、私を、この世から取り去れ。
魂は天へ。わが血は、そなたたちの頭上へ!
ノーサンバランドこの男が、わが一族すべてを屠った殺し屋であっても、
これほど深い悲しみが、魂を締めつけるのを見れば、
命にかけて、私は、ともに泣かずにいられぬ。
マーガレット王妃何です、泣き出しそうなの、ノーサンバランド卿?
この男が、われら皆に加えた害を、思いなさい。
そうすれば、溶け出す涙も、すぐに乾きます。
クリフォードこれは、わが誓いのため。これは、わが父の死のため。
マーガレット王妃そして、これは、心優しい国王の権利を取り戻すため。
ヨーク慈悲の門を開きたまえ、慈悲深き神よ!
わが魂は、この傷を通り、あなたを求め、飛んでいく。
マーガレット王妃その首を刎ね、ヨークの城門へ掲げなさい。
そうすれば、ヨークが、ヨークの町を、見下ろせる。
