プランタジネット諸侯、紳士諸君、この沈黙はどういうことだ?
真実が問われるこの件で、誰も答える勇気がないのか?
サフォークテンプル法学院の大広間では、われらは声が大きすぎた。
ここなら庭園だから、話をするのに都合がよい。
プランタジネットでは、ただちに言ってくれ。真実を主張したのは私か、
それとも、口やかましいサマセットが間違っていたのか?
サフォーク実を言えば、私は法律の勉強をさぼってばかりで、
いまだ自分の意志を法に合わせる気になれぬ。
だから法のほうを、自分の意志に合わせるのさ。
サマセットではウォリック卿、われら二人のあいだを裁いてください。
ウォリック二羽の鷹なら、どちらがより高く舞い上がるか。
二匹の犬なら、どちらの吠え声がより太いか。
二振りの剣なら、どちらがよく鍛えられているか。
二頭の馬なら、どちらが乗り手をうまく運ぶか。
二人の娘なら、どちらの目がより陽気か。
それなら私にも、多少は見分ける知恵がありましょう。
だが、法律のこんな細かく鋭い屁理屈となると、
まったくのところ、私は烏より知恵がありません。
プランタジネットふん、ふん、これはまた礼儀正しい遠慮だな。
真実は私の側であまりにも裸だから、
かすみ目にさえ、はっきり見える。
サマセット私の側では、真実はあまりにも見事に装い、
あまりにも鮮やかに輝き、明白だから、
盲人の目を通してさえ、きらめいて見える。
プランタジネット舌を縛られ、それほど話すのが嫌ならば、
声なき印で、おのおのの考えを示してくれ。
正統な生まれの紳士であり、
己の血筋の名誉を重んじる者は、
私の論じたことが真実だと思うなら、
この茨から、私とともに白薔薇を摘み取れ。
サマセット臆病者でも追従者でもなく、
あえて真実の側を守ろうという者は、
この棘から、私とともに赤薔薇を摘み取れ。
ウォリック私は、どちらの色にも心を売らぬ。
卑しい追従で言葉をもっともらしく色づける気もない。
その私が、プランタジネットとともに、この白薔薇を摘む。
サフォーク私は若きサマセットとともに、この赤薔薇を摘み、
あわせて言おう。正しいのは彼だったと思う。
ヴァーノンお待ちを、諸侯、紳士諸君。これ以上摘む前に、
まず、こう決めていただきたい。どちらの側にせよ、
薔薇の木から摘まれた花が少なかった者は、
正しい見解を示した相手に譲る、と。
サマセットヴァーノン殿、もっともな提案だ。
私のほうが少なければ、黙って従おう。
プランタジネット私もだ。
ヴァーノンでは、この件の真実と明白さにかけて、
ここにある青白い、汚れなき花を摘み、
白薔薇の側が正しいと評決を下します。
サマセット摘むときに指を棘で刺さぬように。
流れる血で白薔薇を赤く染め、
望みもしないのに、私の側へ転じることになるぞ。
ヴァーノン閣下、この意見のため私が血を流したなら、
意見そのものが傷を治す医者となり、
今いる側に、なおも私を留めるでしょう。
サマセットよし、よし、続けよう。ほかには?
法律家私の学問と書物が誤りでないかぎり、
あなたの論じたことのほうが間違っていました。
法律家その証しに、私も白薔薇を摘みます。
プランタジネットさあ、サマセット、君の論拠はどこにある?
サマセットここだ。鞘のなかで思い巡らせている、
君の白薔薇を血まみれの赤に染めようとな。
プランタジネットそのあいだにも、君の頬はわれらの薔薇を真似ている。
恐怖で青ざめているぞ。まるで、
真実はわれらの側にあると証言するように。
サマセット違うぞ、プランタジネット。
恐怖ではない。怒りのために、君の頬が
まったく恥知らずにもわれらの薔薇を真似て、赤らんでいるのだ。
それでも君の舌は、自分の誤りを認めようとしない。
プランタジネット君の薔薇には害虫がついていないか、サマセット?
サマセット君の薔薇には棘があるだろう、プランタジネット?
プランタジネットああ、鋭く突き刺さる棘だ、己の真実を守るためのな。
一方、君の薔薇の嘘は、内から蝕む虫に食い尽くされる。
サマセットよし、私の血の色の薔薇を身につける味方を見つけよう。
私の言葉こそ真実だと守り抜く者たちを、
偽り者のプランタジネットなど、姿も見せられぬ場所でな。
プランタジネット今、手にしたこの汚れなき花にかけて、
君も、その振る舞いも軽蔑するぞ、気短な小僧め。
サフォークその侮りをこちらへ向けるな、プランタジネット。
プランタジネット高慢なポール、向けてやる。彼も君も侮ってやる。
サフォークその侮り、私の分まで、そっくり君の喉へ押し返してやる。
サマセット行こう、行こう、善きウィリアム・ド・ラ・ポール!
こんな百姓と話せば、かえって箔をつけてしまう。
ウォリックまったく、神にかけて、彼を侮辱するな、サマセット。
彼の祖父はクラレンス公ライオネル、
イングランド王エドワード三世の第三王子だ。
これほど深い根から、紋章なき百姓が生えるものか?
プランタジネット奴は、この場所の特権を頼みに強がっているのだ。
さもなければ、臆病な心で、あんなことは言えまい。
サマセット私をお造りになった神にかけ、今の言葉は曲げぬ。
キリスト教世界のいかなる土地でも言い通してやる。
君の父、ケンブリッジ伯リチャードは、
先王の御代、反逆罪で処刑されたのではなかったか?
そして父の反逆によって、君も私権を剥奪され、
血を汚され、由緒ある貴族の列から外されたのではないか?
父の罪はいまも、君の血のなかに罪深く生きている。
名誉を回復されるまで、君はただの百姓だ。
プランタジネット父は拘引されたが、血統まで剥奪されたのではない。
反逆の罪で死を宣告されたが、反逆者ではなかった。
それはサマセットより立派な男たちを相手に証明してやる、
時が育ち、私の望む機会を実らせたならば。
君も、君の仲間のポールも、
私の記憶の帳面に、しかと書き留める。
その思い込みへの鞭をくれてやるためにな。
覚悟しておけ。警告はしたぞ。
サマセットああ、われらはいつでも相手になるとわかるだろう。
この色を見れば、われらが敵だとわかるはずだ。
君への当てつけに、仲間たちが身につけるのだから。
プランタジネットならば、わが魂にかけ、この青白く怒れる薔薇を、
血を飲む憎しみの印として、
私とわが一派は、永久に身につけよう。
私とともに墓のなかで枯れ果てるまで、
さもなくば、わが身分の頂まで咲き誇るまで。
サフォークそのまま進んで、野望に喉を詰まらせろ!
では、さらばだ。次に会うときまで。
サマセット待て、ポール。私も行く。さらばだ、野心家リチャード。
プランタジネットこの私が、あれほど愚弄され、耐えるしかないとは!
ウォリック奴らがあなたの家に投げつけた、この汚名は、
次の議会で拭い去られるでしょう。
ウィンチェスターとグロスターの和解のため、招集される議会で。
もし、そのとき、あなたがヨーク公に叙せられなければ、
私はウォリックと呼ばれて生きるつもりはありません。
それまで、あなたへの愛の印として、
高慢なサマセットとウィリアム・ポールに対抗し、
あなたの側に立って、この薔薇を身につけます。
そして今、私は予言する。今日のこの口論が、
テンプル庭園で、この党派争いへ育ち、
赤薔薇と白薔薇のあいだで、
千もの魂を、死と死の夜へ送り込むだろう。
プランタジネットヴァーノン殿、ご恩に感じる。
私のために花を摘んでくださったことを。
ヴァーノンこれからも、あなたのために、この花を身につけます。
法律家私もそういたします。
プランタジネットありがとう、心優しき方よ。
さあ、われら四人で食事に行こう。断言してもいい、
この争いは、いつの日か血を飲むことになる。
