ヘンリー王この会見に平和を、そのために我らは会したのだ!
我らの兄弟たるフランス王に、そして我らの姉妹たる王妃に、
健やかさと佳き日を。そしてこの上なく美しく王女らしき
従妹キャサリンには、喜びと善き祈りを。
そしてこの大いなる会合を取り計らわれた、
この王家の一枝であり一員であられる方として、
ブルゴーニュ公、あなたにご挨拶申し上げる。
そしてフランスの王子方、諸侯方、皆様に健やかさを!
フランス王あなたのお顔を拝することを我らは心から喜んでおります、
この上なく値打ちある兄弟イングランド王よ。よくぞお会いできた。
イングランドの王子方も、お一人お一人、同じことです。
王妃イザベルこの善き日と、この慈悲深い会見から生まれるものが、
兄弟イングランド王よ、幸いなものでありますように、
我らが今あなたの目を拝して喜んでいるのと同じように。
その目は、これまでフランス人に対して、
真正面から出会った者たちに対して、
人を殺すバジリスクの宿命の球を宿しておりました。
そのような眼差しの毒も、我らは心から望みますが、
その力を失い、そしてこの日が
あらゆる嘆きと争いを愛に変えてくれますように。
ヘンリー王それにアーメンと唱えるために、我らはこうして参ったのです。
王妃イザベルイングランドの王子方、皆様にご挨拶申し上げます。
ブルゴーニュ等しい愛をもって、お二方に私の務めを。
フランスとイングランドの偉大な王たちよ! 私が知恵のかぎり、
労苦のかぎり、力強い努力のかぎりを尽くして、
この上なく帝王たるお二方の陛下を
この場と王者の会見へお連れしようとしたことは、
双方の強大なお力が何よりよくご証言くださいましょう。
さて私の務めがこれほどまでに功を奏し、
顔と顔を合わせ、王者の目と目を合わせて
ご挨拶を交わされた以上、
この王者の御前で私が問うことをお許しいただきたい、
いったいどんな障りが、どんな妨げがあって、
裸で、貧しく、切り刻まれた平和が——
技芸と豊穣と喜ばしき誕生のいとしき乳母が——
この世界で最良の庭たる我らの肥沃なフランスに、
その愛らしい顔を上げてはならぬのでしょうか?
ああ、平和はフランスからあまりに長く追い立てられ、
その耕作の一切は打ち捨てられて山積みとなり、
自らの肥沃さのうちに腐っていく。
その葡萄の木、心を陽気にするものは、
剪定されずに枯れる。平らに編まれていた生垣は、
髪を伸び放題にした囚人のように、
乱れた小枝を吹き出す。休閑地には
毒麦と毒人参と生い茂るカラクサケマンが
根を張り、その間に、そのような野生を根絶やしにすべき
犁の刃は錆びていく。
かつて甘やかに斑のあるキバナノクリンザクラや
ワレモコウや緑のクローバーを咲かせた平らな牧草地は、
大鎌もなく、まったく手を入れられず、伸び放題で、
怠惰によって孕み、生み出すものといえば
憎らしいギシギシ、荒々しい薊、シャクの枯れ茎、いが草ばかり。
美も有用さもともに失っています。
そして我らの葡萄畑、休閑地、牧草地、生垣が、
その本性において欠けて野生に返っていくのと同じように、
我らの家々も、我ら自身も、我らの子供らも、
我らの国にふさわしいはずの学問を失うか、
時がないために学ばぬままでいる。
そして野蛮人のように育っていく——血のことばかり
思い巡らす兵士がそうであるように——
罵りと厳しい面つきと、だらしのない身なりと、
不自然に見えるあらゆるものへと。
それをかつての我らの姿へ戻すために
あなた方はお集まりになった。そして私の言葉が乞い願うのは、
その妨げを知ることです、なぜ優しい平和が
これらの不都合を追い払い、
そのかつての性質で我らを祝福してくれぬのかを。
ヘンリー王ブルゴーニュ公、もしあなたが平和を望まれるなら——
その欠如があなたの挙げられた不完全さを
育てているのですが——その平和を買われねばならぬ、
我らの正当な要求のすべてに全面的に同意することによって。
その趣旨と個々の効力は、
あなたの手のうちに簡潔に書き記されている。
ブルゴーニュ王はそれをお聞きになりました。それに対してはまだ
何のお答えもなされておりませぬ。
ヘンリー王それではその、
あなたが先ほどあれほど強く求められた平和は、その答えのうちにある。
フランス王私はざっと目を通しただけで
条項を一覧したにすぎませぬ。恐れ入るが、
あなたの評議のうちの何名かをただちにお指名いただき、
今一度我らと席を同じくして、より念入りに
それを見直させてくださるなら、我らはただちに
受諾と最終の答えを出しましょう。
ヘンリー王兄弟よ、そういたそう。行け、エクセター叔父上、
そして弟クラレンス、そしてそなた、弟グロスター、
ウォリックとハンティントン、王とともに行け。
そして批准し、増補し、あるいは変更する自由な権限を
携えていけ。そなたたちの知恵が我らの威信にとって
最も有利と見るとおりに、
我らの要求の内にあるものも外にあるものも、何であれな。
そして我らはそれに署名しよう。麗しき姉妹よ、あなたは
王子たちとともに行かれるか、それともここに我らと留まられるか?
王妃イザベル慈悲深き兄弟よ、私はあの方たちと参りましょう。
条項があまりに細かく主張されて譲らぬときには、
女の声が幾分か役に立つかもしれませぬ。
ヘンリー王ですが従妹キャサリンだけはここに我らとともに残してください。
あの方は我らの主たる要求であり、
我らの条項の最前列に含まれているのですから。
王妃イザベル喜んでお許しいたします。
ヘンリー王麗しきキャサリン、この上なく麗しき方よ、
一人の兵士に、貴婦人の耳に入り、
その優しい心にその恋の訴えを届けるような言葉を
教えてはくださらぬか?
キャサリン陛下、私をお笑いになりますでしょう。私、あなたのイングランドの言葉、話せません。
ヘンリー王おお麗しきキャサリン、あなたがそのフランスの心で私をしっかりと愛してくださるなら、私はあなたがそれをそのイングランドの舌でたどたどしく打ち明けるのを喜んで聞こう。私を好いてくださるか、ケイト?
キャサリンお許しを。「好いている」が何のことか分かりません。
ヘンリー王天使があなたに似ている、ケイト。そしてあなたは天使に似ている。
キャサリン何とおっしゃったの? 私が天使たちに似ていると?
アリスはい、まことに、恐れながら、そうおっしゃいました。
ヘンリー王そう言ったのだ、いとしいキャサリン。そして私はそれを断言するのに赤面する必要はない。
キャサリンおお善き神よ! 男の舌は偽りに満ちております。
ヘンリー王何と言っておられる、麗しい方? 男の舌は偽りに満ちている、と?
アリスはい、男の舌は偽りに満ちている、と。それが姫様のおっしゃったことです。
ヘンリー王姫のほうがよほど立派なイングランド女性だ。まことに、ケイト、私の求婚はあなたの理解にちょうど合っている。あなたがこれ以上うまくイングランドの言葉を話せなくてよかった。もし話せたら、あなたは私をあまりに飾り気のない王だと思い、王冠を買うために農場を売り払ったのだろうと考えるに違いない。私は恋を上品に刻む術を知らぬ、ただ真っ直ぐに「あなたを愛している」と言うだけだ。そのうえであなたが「本当に?」と言う以上のことを私に迫るなら、私の言い分は擦り切れてしまう。答えをください。まことに、そうしてください。そして手を打って取引成立だ。いかがです、姫?
キャサリン恐れながら、私、よく分かりました。
ヘンリー王まったく、あなたのために詩を作れとか踊れとか言われたら、ケイト、それは私を破滅させることになる。詩のほうは言葉も韻律もない。踊りのほうは韻律に合わせる力がない。もっとも力のほうにはそこそこの寸法があるが。もし蛙跳びで、あるいは鎧を背負ったまま鞍に飛び乗ることで貴婦人を勝ち取れるなら、自慢の咎めは覚悟のうえで言うが、私はたちまち妻の中へ飛び込めよう。あるいは恋のために殴り合いができるなら、あるいは思いを得るために馬を跳ねさせられるなら、私は肉屋のように打ちかかり、猿のようにしがみついて決して落ちはしない。だが神の前で言うが、ケイト、私は色恋めいた顔つきもできず、雄弁を息も絶え絶えに吐き出すこともできず、愛の宣言に何の技巧も持たぬ。あるのはただ率直な誓いだけで、それも迫られるまでは決して使わず、迫られても決して破らぬ。もしこういう気質の男を愛せるなら、ケイト——日に焼ける値打ちもない顔をして、鏡に映るものを愛おしんで鏡を覗くこともない男を——あなたの目を料理人にしてください。私はあなたに飾り気のない兵士として話している。これで私を愛せるなら、私を取ってください。愛せぬのなら、私が死ぬだろうと言うのは本当だ。だがあなたの愛ゆえに死ぬかといえば、主にかけて、そうではない。それでも私はあなたを愛している。そして生きているあいだは、いとしいケイト、飾り気なく打ち出されぬままの誠実さを持つ男を取りなさい。そういう男はどうしてもあなたに正しく振る舞わざるをえぬ、ほかの場所で口説く才を持たぬのだから。あの限りない舌を持つ男どもは、韻を踏んで貴婦人の心に入り込むが、いつも理屈をこねてまた出ていってしまう。なんと! 弁士など単なるお喋りにすぎぬ。韻文など単なる俗謡にすぎぬ。よい脚も痩せ衰える。真っ直ぐな背も曲がる。黒い髭も白くなる。巻き毛の頭も禿げる。美しい顔も萎む。潤んだ目も落ち窪む。だが善き心は、ケイト、太陽であり月だ。いや、むしろ月ではなく太陽だ。明るく輝いて決して変わらず、その道を真っ直ぐに保つのだから。そういう者をお望みなら、私を取ってください。そして私を取れば兵士を取ることになる。兵士を取れば王を取ることになる。それで私の愛に何と答えてくださる? お話しください、麗しい方、そして麗しく、どうか。
キャサリン私がフランスの敵を愛するなど、ありうることでしょうか?
ヘンリー王いや、あなたがフランスの敵を愛するなどありえぬ、ケイト。だが私を愛することで、あなたはフランスの友を愛することになる。私はフランスをこよなく愛しているので、その村ひとつ手放しはせぬ。すべて我がものにする。そしてケイト、フランスが私のものとなり、私があなたのものとなれば、そのときフランスはあなたのものであり、あなたは私のものだ。
キャサリンそれが何のことか、私、分かりません。
ヘンリー王分からぬか、ケイト? ではフランスの言葉で言ってみよう。きっと新婚の妻が夫の首にしがみついてなかなか振り落とせぬように、私の舌にしがみつくだろうが。私、フランスを所有するとき、そしてあなたが私を所有するとき——ええと、それから何だ? 聖ドニよ助けたまえ!——ゆえにフランスはあなたのもの、そしてあなたは私のもの。ケイト、これ以上フランスの言葉を話すよりは、王国を征服するほうが私には容易い。私はフランスの言葉であなたの心を動かすことなど決してできまい、私を笑わせるためを除いてはな。
キャサリン恐れながら、あなたのお話しになるフランスの言葉のほうが、私の話すイングランドの言葉よりずっとよろしゅうございます。
ヘンリー王いや、まことに、そうではない、ケイト。だがあなたが私の言葉を話し、私があなたの言葉を話すのは、この上なく真実に、この上なく下手に、まったく同じくらいだと認めるほかない。だがケイト、これだけのイングランドの言葉は分かるか——あなたは私を愛せるか?
キャサリン分かりません。
ヘンリー王あなたの近所の誰かなら分かるか、ケイト? その者たちに尋ねてみよう。さあ、私はあなたが私を愛していると知っている。そして夜、自分の部屋へ戻ったら、この女官に私のことを尋ねるだろう。そして私は知っている、ケイト、あなたはこの女官に対して、心から愛している私のあの部分を、けなしてみせるに違いない。だが善きケイト、私を嘲るなら慈悲深くしてくれ。むしろ、優しい姫よ、私があなたを残酷なほど愛しているのだから。もしあなたが私のものとなるなら、ケイト——私の内には、あなたはそうなるという救いの信仰があるが——私はあなたを掻き集めるようにして手に入れるわけだから、あなたはどうしてもよい兵士の産み手となるほかない。あなたと私とで、聖ドニと聖ジョージの間に、半分フランス人で半分イングランド人の男の子をこしらえて、コンスタンティノープルへ行かせてトルコ人の髭を掴ませるとしないか? どうだ? 何と言われる、我が麗しき百合の花よ?
キャサリン私、そのようなことは存じません。
ヘンリー王いや、それはこれから知ることだ。だが今は約束することだ。今ただ約束してください、ケイト、そのような男の子のフランス側の分をあなたが努めてくださると。そして私のイングランド側の半分については、王であり独り身である者の言葉を取ってください。いかがお答えになる、世界で最も美しいキャサリン、我がこの上なくいとしく神々しき女神よ?
キャサリン陛下は、フランスにいる最も賢い令嬢をも欺けるほどの、偽りのフランスの言葉をお持ちです。
ヘンリー王さて、私の偽りのフランス語などくたばれ! 我が名誉にかけて、真のイングランドの言葉で言うが、私はあなたを愛している、ケイト。その名誉にかけて、あなたが私を愛していると誓う勇気はない。それでも私の血は、この顔の貧しく人を動かさぬ効き目にもかかわらず、あなたがそうだと私に囁き始めている。ええい、我が父の野心め! 父は私を作ったとき内乱のことを考えていたのだ。それゆえ私は頑固な外側と鉄の面つきをもって創り出され、貴婦人を口説きに行くと相手を怯えさせてしまう。だがまことに、ケイト、私は年を取るほどよく見えるようになる。私の慰めは、美を悪しく蓄える老年も、この顔にこれ以上の損害を与えようがないということだ。私を手に入れるなら、あなたは最悪の状態で手に入れる。そして私を身につけるなら、ますますよくなっていく私を身につけることになる。それゆえ言ってください、この上なく麗しきキャサリン、私を受けてくださるか? 乙女の赤面を脱ぎ捨て、女帝の眼差しで心の思いを言明してください。私の手を取って、「イングランドのハリー、私はあなたのもの」と言ってください。その言葉であなたが私の耳を祝福したとたん、私は声高く言おう、「イングランドはあなたのもの、アイルランドはあなたのもの、フランスはあなたのもの、そしてヘンリー・プランタジネットはあなたのもの」と。その男は、本人の前で言うことだが、最良の王と肩を並べぬとしても、善き仲間たちの中では最良の王だとお分かりになろう。さあ、答えをたどたどしい調べで。あなたの声は音楽で、あなたのイングランドの言葉はたどたどしいのだから。それゆえ、すべての女王よ、キャサリン、たどたどしいイングランドの言葉であなたの心を私に開いてください。私を受けてくださるか?
キャサリンそれは、父上たる王のお心にかなうままに。
ヘンリー王いや、それは大いにお気に召すだろう、ケイト。必ずお気に召す、ケイト。
キャサリンそれなら、私も満足いたします。
ヘンリー王それをもって、私はあなたの手に口づけし、あなたを我が女王と呼ぼう。
キャサリンおやめください、我が君、おやめください、おやめください。まことに、あなたのご身分にふさわしくない下僕の手に口づけして、その偉大さを低められることを、私は少しも望みませぬ。お許しください、お願いいたします、この上なく力ある我が君よ。
ヘンリー王それならあなたの唇に口づけしよう、ケイト。
キャサリン淑女や令嬢が婚礼の前に口づけされるのは、フランスの習わしではございませぬ。
ヘンリー王通訳の奥方よ、何と言っておられる?
アリスそれはフランスの淑女方の習わしではないと——「口づけする」がイングランドの言葉で何と申すか、私には分かりませぬ。
ヘンリー王口づけすること、だ。
アリス陛下のほうが私よりよくお分かりでいらっしゃいます。
ヘンリー王フランスの乙女が結婚前に口づけするのは習わしではない、そうおっしゃりたいのか?
アリスはい、まことに。
ヘンリー王おおケイト、細かな習わしは偉大な王たちに膝を折るものだ。いとしいケイト、あなたと私は一国の習わしという弱い柵の内に閉じ込められてはいられぬ。我らこそ作法を作る者だ、ケイト。そして我らの地位に伴う自由が、あらゆる粗探しの口を塞ぐ。ちょうど私があなたの口を塞ぐのと同じようにな、あなたの国の細かな習わしを守って私に口づけを拒むその口を。それゆえ、辛抱して、身を委ねてください。
ヘンリー王あなたの唇には魔法がある、ケイト。その砂糖のような一触れには、フランスの評議会の舌のすべてよりも多くの雄弁がある。そしてそれは、君主たちの総がかりの請願よりも早く、イングランドのハリーを説き伏せてしまう。父君がおいでになった。
ブルゴーニュ陛下に神のご加護を! 我が王者の従弟よ、我らの姫にイングランドの言葉をお教えですかな?
ヘンリー王私がこの方に学んでいただきたいのは、麗しき従弟よ、私がどれほど完全にこの方を愛しているかということだ。そしてそれこそが善きイングランドの言葉だ。
ブルゴーニュ姫は覚えがよくありませぬかな?
ヘンリー王我らの言葉は荒く、我が気質も滑らかではない、従弟よ。それゆえ、追従の声も心も持ち合わせぬ私には、この方のうちに愛の霊を呼び出して、それを真の姿で現れさせることができぬのだ。
ブルゴーニュそれについてお答えするにあたり、私の戯れの率直さをお許しください。もし姫のうちに呪文をかけようとされるなら、まず円を描かねばなりませぬ。もし姫のうちに愛をその真の姿で呼び出そうとされるなら、その愛は裸で目隠しをして現れねばなりませぬ。ならば姫を責められましょうか、まだ慎みの処女の紅に染まった乙女が、裸で目の見える自分自身のうちに、裸の目隠しをした少年が現れるのを拒んだとしても? それは、陛下、乙女が同意するには厳しい条件でしょう。
ヘンリー王それでも乙女たちは目をつぶって身を委ねる、愛が盲目で、しかも強いるものである以上はな。
ブルゴーニュそれならば言い訳が立ちますな、陛下、自分のしていることが見えぬのですから。
ヘンリー王ならば善き公よ、あなたの従妹に、目をつぶって同意することを教えてやってくれ。
ブルゴーニュ私が姫に目配せして同意させましょう、陛下、もしあなたが姫に私の意味するところを分からせてくださるなら。というのも、よく夏を過ごし暖かく飼われた乙女というものは、聖バーソロミューの祭りの頃の蠅のようなもの、目はあっても見えぬのです。そしてそのときには触られるのも我慢する、それまでは見られることさえ堪えられなかったのに。
ヘンリー王この教訓は私を時と暑い夏に縛りつけるわけだ。そうすれば私はあの蠅を、あなたの従妹を、夏の終わりに捕まえられる。そして姫もまた目が見えぬというわけだな。
ブルゴーニュ愛がそうであるように、陛下、愛する前には。
ヘンリー王そのとおりだ。そしてあなた方の何人かは、私の盲目を愛に感謝してよい。私の行く手に立つ一人の麗しいフランスの乙女のために、多くの麗しいフランスの都市が見えぬのだからな。
フランス王そうです、陛下、あなたはそれを遠近の技でご覧になっている、都市が一人の乙女に変わって。というのも、都市はみな戦の入ったことのない処女の城壁に囲まれておりますから。
ヘンリー王ケイトは私の妻となりますか?
フランス王お望みのままに。
ヘンリー王私は満足だ。ただしあなたのおっしゃる処女の都市がこの方に付き従うならば。そうすれば我が望みの行く手に立っていた乙女が、我が意志への道を示してくれることになる。
フランス王我らは道理あるすべての条件に同意いたしました。
ヘンリー王そうか、イングランドの諸卿?
ウェストモーランド王はすべての条項をお認めになりました。
まず姫君を、次いで順を追ってすべてを、
提示された確たる内容のとおりに。
エクセターただ一つ、これにはまだ署名しておられませぬ。陛下がお求めになった、フランス王が下賜の件について書き記す機会があるときには、陛下をこの形式でこの称号を添えて名指すべしという条項です。フランスの言葉では、「ノートル・トレシェール・フィス・アンリ、ロワ・ダングルテール、エリティエ・ド・フランス」——我らのこの上なくいとしき子ヘンリー、イングランド王、フランスの世継ぎ。そしてラテンの言葉ではこうです、「プレクラリッシムス・フィリウス・ノステル・ヘンリクス、レクス・アングリエ、エト・ヘレス・フランキエ」。
フランス王兄弟よ、これとて拒んだわけではない、
そなたの求めがあれば通させよう。
ヘンリー王それではお願いする、愛といとしき同盟のうちに、
その一条項をほかのものと並べてください。
そしてそのうえで、あなたの姫を私に与えてください。
フランス王連れて行かれよ、麗しき息子よ。そしてその血から
私のために子孫を興されよ。それによって、
互いの幸福を妬み合ってその岸辺までもが青ざめている
フランスとイングランドという争う王国が
その憎しみをやめ、そしてこのいとしい結びつきが
その甘やかな胸に隣人としての交わりと
キリスト教徒らしき和合を植えつけ、
イングランドと麗しきフランスの間に、戦が二度と
その血を流す剣を掲げることのありませんように。
一同アーメン!
ヘンリー王さて、ようこそ、ケイト。そして皆、我が証人となってくれ、
ここで私が我が至高の女王としてこの方に口づけすることの。
王妃イザベルあらゆる婚姻の最良の作り手たる神が、
お二人の心を一つに、お二人の王国を一つに結び合わせてくださいますように!
夫と妻が、二人でありながら愛において一つであるように、
お二人の王国の間にもそのような婚姻がありますように。
そして祝福された結婚の床をしばしば乱す悪意も、
残忍な嫉妬も、
この王国同士の契りの間に決して割り込んで、
その一体となった同盟を離縁させることのありませんように。
イングランド人はフランス人として、フランス人はイングランド人として、
互いを受け入れられますように。神がこれにアーメンと語られますように!
一同アーメン!
ヘンリー王婚礼の支度をしよう。その日には、
ブルゴーニュ公、あなたの誓いを、
そして諸侯すべての誓いを、我らの同盟の保証として受けよう。
そのうえで私はケイトに誓い、そなたたちは私に誓おう。
そして我らの誓いがよく守られ、栄えあるものとなりますように!
