ピストル降参しろ、駄犬め!
フランス兵あなたは身分のよい紳士とお見受けする。
ピストルカリテ・カルミー・キュストル・ミーだ! 貴様は紳士か? 名は何だ? 申せ。
フランス兵おお、セニュール・デュー!
ピストルおお、セニュール・デュー殿とやらは紳士に違いない。
我が言葉をよく量れ、おおセニュール・デュー殿、そして心せよ。
おおセニュール・デュー殿、貴様はこの剣の切先で死ぬのだ、
おお旦那、貴様がこの俺に
とんでもない身代金を差し出さぬかぎりはな。
フランス兵おお、慈悲を! この私を憐れんでくれ、ピティエ・ドゥ・モワ!
ピストルモワ一つでは足りぬ。四十モワもらおう。
さもなくば貴様の腹の膜を、真紅の血の滴りとともに
喉から引きずり出してやる。
フランス兵あなたのその腕、ブラの力から逃れることはできぬのか?
ピストルブラスだと、真鍮だと、駄犬め!
この呪われた好色な山羊め、
この俺に真鍮を差し出すのか?
フランス兵おお、パルドネ・モワ、お許しを!
ピストルそう来るか? それは一トンのモワというわけか?
こっちへ来い、小僧。この奴隷にフランス語で聞いてくれ、
名は何だとな。
少年お聞きなさい。あなたは何とお呼ばれですか?
フランス兵ムッシュー・ル・フェール。
少年フェールの旦那という名だそうです。
ピストルフェールの旦那だと! フェールしてやる、フォークしてやる、フェレットしてやる。それをこいつにフランス語で言ってやれ。
少年フェールもフェレットもフォークも、フランス語では知りません。
ピストル覚悟しろと言え。俺はこいつの喉を掻き切るのだ。
フランス兵何と言っているのです、あなた?
少年覚悟しろとあなたにお伝えせよと命じられました。ここにいるこの兵士が、今すぐあなたの喉を掻き切るつもりでおりますので。
ピストルウィ、クッペル・ゴルジュ、まったくのところ、
百姓め、俺に金貨を寄越さぬかぎりは、立派な金貨をな。
さもなくばこの俺の剣で切り刻まれることになるぞ。
フランス兵おお、お願いです、神の愛にかけて、私をお赦しください! 私は良家の紳士です。命を助けてください、二百エキュ差し上げます。
ピストル何と言っている?
少年命を助けてくれと願っています。良家の紳士で、身代金として金貨二百枚を差し上げるそうです。
ピストル伝えろ、俺の怒りは収まる、そして
その金貨は受け取ってやると。
フランス兵小さな旦那、何と言っているのです?
少年どんな捕虜も赦さぬというのが彼の誓いに反することではありますが、それでも、あなたが約束されたエキュのために、あなたに自由を、解放を与えることに満足しております。
フランス兵膝をついて、千の感謝をあなたに捧げます。そして私は幸せに思います、イングランドで最も勇敢で、勇壮で、この上なく卓越した騎士のお方の手に落ちたのですから。
ピストル説明してくれ、小僧。
少年膝をついて千の感謝を捧げると言っています。そして、この方が思うところ、イングランドで最も勇敢で、勇壮で、三倍にも値打ちのある殿方の手に落ちたことを、自分は幸せだと思うと。
ピストル血を吸う俺も、いささか慈悲を見せてやろう。ついて来い!
少年偉大な大尉殿についていらっしゃい。
少年あれほど空っぽな心から、あれほど満ち満ちた声が出てくるのを、僕は見たことがなかった。だが諺は本当だ、「空の器がいちばん大きな音を立てる」。バードルフとニムのほうが、この吠える悪魔より十倍も勇気があった。昔の芝居の悪魔なんて、誰でも木の短剣で爪を切ってやれるようなしろものだ。だがあの二人はどちらも絞首刑になった。この男だって、思い切って何か盗む度胸があれば同じことになるだろう。僕は従僕たちと一緒に、陣の荷物のところに残らなきゃならない。フランス人がそれを知ったら、いい獲物にされてしまう。守っているのが小僧ばかりなんだから。
