ガワーどうです、フルーエリン大尉! 橋から来られたのですか?
フルーエリン請け合いますがな、橋ではまことに見事な働きがなされておりますぞ。
ガワーエクセター公はご無事ですか?
フルーエリンエクセター公はアガメムノンに劣らず度量の大きいお方ですぞ。私が魂をもって、心をもって、務めをもって、命をもって、暮らしをもって、そして力の限りをもってお慕いし敬っているお方だ。あの方は——神を讃え祝したてまつれ!——この世で何の傷も負っておられませぬ。まことに勇ましく、見事な軍規をもって橋を守っておられます。あそこの橋には旗手の中尉が一人おりましてな、良心にかけて思いますに、あれはマーク・アントニーに劣らぬ勇ましい男ですぞ。この世では何の評判もない男ですが、あれほど勇壮な働きをするのをこの目で見ましたぞ。
ガワー何という名です?
フルーエリンピストル旗手と申しますな。
ガワー知りませんね。
フルーエリンこれがその男ですぞ。
ピストル大尉、お願いがあって参上した。
エクセター公はあなたを大いに愛しておられる。
フルーエリンそう、神を讃えますとも。私はいくばくかあの方の愛を受けるだけのことをしましたからな。
ピストルバードルフ、心堅く健やかな一人の兵士、
生き生きとした勇気の持ち主が、残酷な運命と、
目まぐるしい運命の女神の猛り狂う気まぐれな車輪——
あの目の見えぬ女神、
転がってやまぬ石の上に立つ女神によって——
フルーエリンご辛抱を、ピストル旗手。運命の女神は目を布で覆われて盲目に描かれておりますな、それは運命が盲目であることをあなたに示すためですぞ。そしてまた車輪とともに描かれる、それはあなたに示すためです、その教訓とは、運命が回っており、定まらず、変わりやすく、移ろうということですな。そしてその足は、いいですかな、球形の石の上に据えられており、それが転がり、転がり、転がるのです。まことのところ、詩人はそれを実に見事に描いておりますぞ。運命の女神は見事な教訓ですな。
ピストル運命はバードルフの敵であり、あの男に顰め面をする。
あの男は聖具を盗んだので、絞られねばならぬ。
呪われた死だ!
絞首台は犬のために口を開けておけ。人間は放してやれ。
麻縄にその気管を締めさせるな。
だがエクセターは、値打ちもない聖具のために
死の宣告を下したのだ。
それゆえ行って口をきいてくれ。公爵はあなたの声に耳を貸されよう。
バードルフの命の糸を、一ペニーの縄の刃と
卑しい辱めで断ち切らせないでくれ。
語ってくれ、大尉、あの男の命のために。私はあなたに報いよう。
フルーエリンピストル旗手、あなたのおっしゃることはいくぶん分かりましたぞ。
ピストルそれでは、そのことを喜ばれよ。
フルーエリン確かにですな、旗手殿、それは喜ぶような事柄ではありませんぞ。というのは、いいですかな、たとえあの男が私の兄弟であっても、私は公爵に、ご随意になさって処刑にしていただきたいとお願いしますからな。軍規は用いられるべきものですぞ。
ピストル死んで地獄に堕ちろ! そしてお前の友情など指くわえていろ!
フルーエリンそれは結構ですな。
ピストルスペインの指くわえだ!
フルーエリンたいへん結構。
ガワーいや、あれは正真正銘の食わせ者の悪党です。今思い出しました。女衒で、巾着切りだ。
フルーエリン請け合いますがな、あの男は夏の一日に見られるかぎりの立派な言葉を橋で吐いておりましたぞ。だがまあよろしい。あの男が私に言ったこと、それはそれで結構ですぞ、請け合いますが、時が来ればな。
ガワーいや、あれは間抜けで、阿呆で、ならず者です。ときどき戦に出るのは、ロンドンへ帰ったときに兵士の格好で箔をつけるためです。ああいう連中は偉い将軍たちの名前を完璧に覚えている。そしてどこでどんな働きがあったかを丸暗記して聞かせるのです。どこそこの砦で、どこそこの突破口で、どこそこの輸送隊で。誰が勇ましく退き、誰が撃たれ、誰が恥をかき、敵はどんな条件を持ち出したか。それを戦の言い回しで完璧に暗誦し、そこへ新調の悪態を飾りつける。そして将軍と同じ刈り込みの髭と、陣中のひどい身なりが、泡立つ酒瓶とエールに洗われた頭の間でどれほどの効き目を持つか、考えてみれば大したものです。だがこういう時代の中傷者どもを見分けられるようにならないと、とんでもない見当違いをすることになりますよ。
フルーエリン申し上げますがな、ガワー大尉。私にはあの男が、世間に見せたがっているとおりの男ではないと分かりますぞ。もしあの男の上着に穴を見つけたら、私は思うところを言ってやりますとも。
フルーエリンお聞きなされ、王がおいでになる。私は橋のことを申し上げねばなりませんぞ。
フルーエリン神が陛下を祝福されますように!
ヘンリー王どうした、フルーエリン! 橋から来たのか?
フルーエリンはい、恐れながら陛下。エクセター公はまことに勇壮に橋を保たれましたぞ。フランス人は引き揚げました、いいですかな。そして勇壮でまことに立派な場面がございました。いや、敵は橋を占領しておったのですが、退却を強いられ、エクセター公が橋の主となられました。陛下に申し上げますが、公爵は立派なお方ですぞ。
ヘンリー王どれほどの兵を失った、フルーエリン?
フルーエリン敵の損失はまことに大きゅうございました、かなり大きい。いや、私のほうについて申せば、公爵は一人も失っておられぬと思いますな。ただ一人、教会から盗みを働いて処刑されそうな者を除いては。バードルフとかいう男です、陛下がご存じであればですが。顔じゅうが腫れ物と吹き出物と瘤と炎の火だらけで。唇は鼻に息を吹きかけていて、まるで炭火のようだ、あるときは青く、あるときは赤い。ですがその鼻も処刑され、その火も消えました。
ヘンリー王そのような罪人はすべてそうやって切り落としてほしいものだ。そして厳重に命じておく、我らがこの国を行軍する間、村々から何一つ強奪してはならぬ、対価を払わずに何一つ取ってはならぬ、フランス人の誰一人として侮蔑の言葉で罵ったり虐げたりしてはならぬ。寛容と残酷とが王国を賭けて勝負するとき、より穏やかな打ち手のほうが早く勝つのだから。
モンジョイ私が誰かは装いでお分かりでしょう。
ヘンリー王ではそなたが誰かは分かった。そなたから何を知ることになる?
モンジョイ我が主君の意向を。
ヘンリー王述べよ。
モンジョイ我が王はこう申されます。イングランドのハリーにこう言え。我らは死んでいるように見えたが、ただ眠っていただけだ。優位を待つことは無謀よりも優れた兵士である。伝えよ、我らはアルフルールで奴を叱りつけることもできたが、傷は十分に熟すまで潰さぬがよいと考えたのだ。今こそ我らは出番を得て語る。そして我らの声は帝王の声だ。イングランドはその愚行を悔い、その弱さを知り、我らの忍耐に感嘆するがよい。それゆえ身代金を考えよと命じよ。それは我らが被った損失、失った臣民、呑み込んだ屈辱に釣り合うものでなければならぬ。それに見合うだけの重みで応えようとすれば、奴の小ささでは腰が折れよう。我らの損失に対しては、奴の国庫はあまりに貧しい。我らの血の流出に対しては、奴の王国の総召集でも数があまりに乏しい。そして我らの屈辱に対しては、奴自身が我らの足元に跪いても、弱く値打ちのない償いにすぎぬ。これに挑戦を加えよ。そして結びに伝えよ、奴は自らに従う者たちを裏切ったのだ、その者たちの断罪はすでに宣せられていると。我が王にして主君の言葉はここまで。私の務めもここまでです。
ヘンリー王そなたの名は? 役目は分かっている。
モンジョイモンジョイ。
ヘンリー王そなたは務めを立派に果たしている。引き返して、
そなたの王に伝えよ、私は今あの方を求めてはいないと。
だが差し障りなくカレーまで行軍できるなら
そうしたいと思っている。実を言えば——
狡知と優位を持つ敵にこれほど打ち明けるのは
賢明ではないが——
我が兵は病でひどく衰え、
我が数は減り、その残り少ない者たちも
同じ数のフランス人とほとんど変わらぬ有様だ。
彼らが健やかであった頃には、伝令使よ、そなたに言うが、
イングランド人の一組の脚が三人のフランス人分を行軍すると
私は思っていたものだ。だが赦したまえ、神よ、
こんな大言を吐いたことを! このフランスの空気が
その悪徳を私に吹き込んだのだ。悔いねばならぬ。
それゆえ行って、そなたの主君に伝えよ、私はここにいると。
私の身代金はこの脆く値打ちのない胴体、
我が軍は弱く病んだ護衛にすぎぬ。
それでも、神を先頭に、伝えよ、我らは進み行くと、
たとえフランス王自身と、もう一人そのような隣人が
我らの道に立ちはだかろうともな。これはそなたの労への礼だ、モンジョイ。
行って、そなたの主君によく思案するよう伝えよ。
通れるものならば通ろう。妨げられるならば、
そなたたちの黄褐色の大地をそなたたちの赤い血で
染め替えることになろう。ではモンジョイ、達者でな。
我らの答えのすべてはただこれだけだ。
今の有様では、我らは戦を求めはせぬ。
だが今の有様でも、我らはそれを避けるとは言わぬ。
そなたの主君にそう伝えよ。
モンジョイそのようにお伝えいたします。陛下に感謝申し上げます。
グロスター今すぐ攻めてこないことを願います。
ヘンリー王我らは神の手のうちにある、弟よ、彼らの手のうちにではない。
橋へ行進せよ。もう夜が近づいている。
河の向こうで我らは陣を張り、
明日は彼らに立ち去れと命じよう。
