バードルフやあ、ニム伍長。
ニムおはよう、バードルフ中尉。
バードルフどうだ、ピストル旗手とお前はもう仲直りしたか?
ニム俺のほうはどうでもいい。俺は口数が少ない。だが時が来れば笑い顔も出ようさ。だがそれもなるようになる。俺は喧嘩する気はない。だが目をつぶってこの鉄を突き出すぐらいはする。粗末なものだが、それがどうした? チーズぐらいは炙れるし、ほかの男の剣と同じくらい寒さにも耐える。それだけのことだ。
バードルフ朝飯を一つ奢って仲直りさせてやろう。そして三人揃って、フランスへ行く義兄弟になろうじゃないか。そうしようぜ、ニム伍長。
ニムなるほど、俺は生きられるかぎり生きる、それだけは確かだ。そしてもう生きられなくなったら、そのときはそのときでやれることをやる。それが俺の腹づもりだ、そこが落ち合いの場所だ。
バードルフ伍長、確かなことはあの男がネル・クイックリーと結婚したってことだ。そして確かにあの女はお前に悪いことをした。お前と婚約していたんだからな。
ニム分からんね。物事はなるようになる。人は眠ることもある、そのとき喉を身につけたままでいることもある。そして刃物には刃があると言う者もいる。なるようになるさ。忍耐は疲れた牝馬だが、それでもとぼとぼ歩く。決着はつくものだ。まあ、分からんね。
バードルフピストル旗手と女房のお出ましだ。伍長、ここは我慢してくれ。どうだい、宿の亭主のピストル!
ピストル下郎め、この俺を亭主と呼ぶか?
さあ、この手にかけて誓う、俺はその呼び名を軽蔑する。
俺のネルに下宿人など置かせるものか。
内儀ええ、まったく、長くは置きませんとも。だって、針の先で正直に稼いでいる女の方を十二人か十四人も泊めて食べさせようものなら、たちまち淫売宿をやっていると思われてしまいますもの。
内儀おやまあ、大変だ、聖母様、抜いてしまったじゃないの! わざとの姦通と殺しが行われるのを見ることになりますよ。
バードルフ中尉! 伍長! ここでは何もするな。
ニムふん!
ピストルふん、はそっちだ、アイスランドの犬め! 耳の尖ったアイスランドの雑種め!
内儀ニム伍長、勇気をお見せなさい、剣をお納めなさい。
ニム失せてくれんか? お前をソーラスにしてやりたい。
ピストル「ソーラス」だと、とんでもない犬め! おお卑しい毒蛇め!
「ソーラス」をお前のその不思議千万な面に、
「ソーラス」をお前の歯に、喉に、
その憎らしい肺に、そう、その胃袋に、まったくのところ、
そしてもっと悪いことに、その汚らしい口の中に返してやる!
「ソーラス」をお前のはらわたに突き返してやるぞ。
俺は火を受けられるし、ピストルの撃鉄は上がっている、
そして火花と炎が続くのだ。
ニム俺はバーバソンじゃない、呪文で呼び出せると思うな。俺にはお前をそこそこ叩きのめしたい気分がある。俺に楯突くつもりなら、ピストル、俺はできるかぎり穏当な条件で、この細身の剣でお前をこすってやる。歩いて離れてくれるなら、できるかぎり穏当な言い方で、お前のはらわたを少しばかり突いてやる。そういう気分だ。
ピストルおお卑しい大法螺吹き、呪われた猛り狂う奴め!
墓は口を開き、耄碌した死が近づいている。
だから息を吐き出せ。
バードルフ聞け、俺の言うことを聞け。最初の一撃を打った奴は、兵士の名にかけて、柄まで突き刺してやる。
ピストル大いなる力を持つ誓いだ。怒りも収まろう。
その拳をくれ、その前足を俺に寄越せ。
お前の気概は実に高い。
ニムいつかお前の喉を掻き切ってやる、穏当な条件でな。そういう気分だ。
ピストル「クープ・ラ・ゴルジュ!」
それが合言葉だ。もう一度お前に挑む。
おおクレタの猟犬め、俺の妻を手に入れようというのか?
いや、施療院へ行け、
そして恥辱の垢すり桶から、
クレシダの類の病んだ鳶を引き出してこい、
ドル・ティアシートという名の女を。それを女房にしろ。
俺は昔のクイックリーを手に入れた、そしてただ一人の女として
握り続ける。そして——パウカ、もう十分だ。
これでよかろう。
少年ピストルの旦那、うちの旦那様のところへ来てください。それにおかみさんも。ひどく具合が悪くて、床に就きたいとおっしゃっています。バードルフさん、あなたの顔をシーツの間に入れて、湯たんぽの役をしてください。まったく、ひどく悪いんです。
バードルフあっちへ行け、この悪ガキ!
内儀まったく、あの人も近いうちに烏に肉の詰め物をくれてやることになりますよ。王様があの人の心を殺してしまったんだ。ねえあなた、すぐに帰ってきてちょうだい。
バードルフさあ、二人を仲直りさせてやろうか。俺たちは一緒にフランスへ行くんだぞ。何だってお互いの喉を掻き切る刃物を持ってなきゃならん?
ピストル洪水よ溢れ返れ、悪魔どもよ餌を求めて吠え続けろ!
ニム賭けで勝った八シリング、払ってくれるんだろうな?
ピストル払う奴は卑しい下僕だ。
ニム今すぐもらうぞ。そういう気分だ。
ピストル男らしさが決着をつけるとおりに。突いてこい。
バードルフこの剣にかけて、最初に突いた奴を俺は殺す。この剣にかけて、必ずやる。
ピストル剣は誓いだ。そして誓いはその道を行かねばならぬ。
バードルフニム伍長、仲直りする気なら仲直りしろ。その気がないなら、俺とも敵になってもらう。頼むから納めろ。
ニム賭けで勝った八シリングはもらえるんだな?
ピストル一ノーブルくれてやる、しかも即金で。
それに酒も奢ってやろう。
そして友情が結び合い、兄弟の契りも生まれよう。
俺はニムに寄りかかって生き、ニムは俺に寄りかかって生きる。
これで公平ではないか? 俺は陣営の
酒保商人になるつもりだ、利益は積み上がる。
その手をくれ。
ニム一ノーブルはもらえるんだな?
ピストル現金で間違いなく払う。
ニムよし、それならそういう気分だ。
内儀女から生まれた人なら、早くジョン卿のところへ来てくださいな。ああ、可哀想に! 毎日熱と三日熱がいっぺんに来て、あんなに震えて、見ていられないほどですよ。お優しい方々、あの人のところへ来てやってください。
ニム王様が騎士殿に悪い気分を注ぎ込んだんだ。それが正直なところだ。
ピストルニム、お前の言うとおりだ。
あの方の心は折れ、そして固まってしまった。
ニム王様はよい王様だ。だがなるようになる。あの方は気分と気まぐれを通されるからな。
ピストル騎士殿を悼もう。だが小羊たちよ、我らは生きるのだ。
