ホットスパー「されど私自身につきましては、閣下、貴家に寄せる愛情ゆえに、喜んでそこへ馳せ参じたく存じます」——喜んで、だと。それならなぜ来ん? 我らの家に寄せる愛情ゆえに、だと。これで分かる、この男は我らの家より自分の納屋のほうを愛しているのだ。もう少し見てやろう。「ご企図なさる目論見は危険であり」——なに、そんなことは当たり前だ。風邪をひくのも、眠るのも、飲むのも危険だ。だが言っておくぞ、この阿呆殿、我らはこの危険という刺草から、安全という花を摘み取るのだ。「ご企図なさる目論見は危険であり、お挙げになったご友人方は当てにならず、時機そのものも整わず、ご計画の全体は、これほど大きな敵対勢力と釣り合うには軽すぎましょう」——そう言うか、そう言うのか? こちらからも言ってやる、お前は浅はかで臆病な田舎者だ、そして嘘つきだ。なんという頭のない男だ! 主にかけて、我らの計画はこれまで立てられたどんな計画にも劣らぬ良い計画だ。友たちは誠実で不動だ。良い計画、良い友たち、期待に満ちている。優れた計画、実に良い友たち。なんという氷の心の悪党だ! なんとヨークの大司教閣下はこの計画と全体の進め方をお褒めになっている。ちくしょうめ、今この悪党がそばにいたら、あいつの奥方の扇で脳天をかち割ってやるものを。父も、叔父も、この私もいるではないか。エドマンド・モーティマー卿も、ヨークの大司教閣下も、オーウェン・グレンダワーもいるではないか。そのうえダグラスもいるではないか。来月の九日までに武装して落ち合うという、あの者たち全員の書状を持っているではないか。しかもそのうち何人かはもう出発しているではないか。なんという異教徒の悪党だ! 不信心者め! は! 今に見ろ、まったく正直な恐怖と冷たい心から、あの男は王のところへ行って我らの計画を洗いざらいぶちまけるだろう。おお、自分を二つに割って自分を殴りつけてやりたい、あんな脱脂乳の器を、これほど名誉ある行動に誘ったとは! 首を吊れ! 王に告げるがいい。こちらは支度ができている。私は今夜出発する。
ホットスパーどうした、ケイト! 二時間のうちにお前と別れねばならん。
夫人おお、あなた、なぜそんなに一人でいらっしゃるの?
どんな罪で、私はこの二週間、
ハリーの寝床から追放された女でいるのですか。
教えてください、いとしい人、何があなたから
食欲も、楽しみも、黄金の眠りも奪ってしまうのですか。
なぜ目を地面に落とし、
一人で座っているとき、あんなに何度もびくりとなさるの。
なぜ頬から生き生きした血の色を失って、
私の宝、私のものであるあなたを、
どんよりした物思いと呪わしい憂鬱に明け渡してしまわれたの。
浅いお眠りのそばで、私はあなたを見守り、
鉄の戦の話をつぶやくのを聞きました。
跳ねる軍馬に手綱さばきの言葉をかけ、
「勇気を出せ! 戦場へ!」と叫ぶのを。そしてあなたは語りました、
出撃と退却を、塹壕を、天幕を、
柵を、前線の堡塁を、胸壁を、
バジリスク砲を、大砲を、カルヴァリン砲を、
捕虜の身代金を、討たれた兵士たちを、
そして激しい戦のあらゆる流れを。
あなたの中の魂がそれほどまでに戦い、
眠りの中であなたをそれほど揺さぶったので、
額には汗の粒が浮かびました、
かき乱されたばかりの流れの泡のように。
そしてお顔には奇妙な動きが現れました、
人が何か大きな急な命令に接して
息を殺すときに見せるような動きが。おお、これは何の前兆なのですか。
何か重い一大事をあなたは抱えていらっしゃる。
私はそれを知らねばなりません、でなければあなたは私を愛していない。
ホットスパーおおい、誰かおらぬか!
ホットスパーギリアムズは書状の包みを持って行ったか?
召使い行きました、一時間前に。
ホットスパーバトラーは保安官のところからあの馬を連れてきたか?
召使い一頭は、たった今連れてまいりました。
ホットスパーどの馬だ? 葦毛の、耳を切った馬だろう?
召使いさようでございます。
ホットスパーあの葦毛が私の王座になる。
よし、すぐに乗ってやろう。おお、エスペランス!
バトラーに言って、庭園へ引き出させろ。
夫人でも聞いてください、あなた。
ホットスパー何を言うのだ、我が奥方?
夫人何があなたを連れ去るのですか。
ホットスパーなに、私の馬だ、我が愛しい人、私の馬だ。
夫人まあ、この気の狂った猿!
鼬だって、あなたが揺さぶられているほどの
癇癪は持っていません。まことに、
私はあなたの用向きを知りますよ、ハリー、きっと知ります。
兄のモーティマーが王位継承権のことで動き出し、
その企てを支えてもらおうと
あなたを呼び寄せたのではないかと心配です。でも、もし行くのなら——
ホットスパーそんなに遠くまで徒歩でか、疲れてしまうな、愛しい人。
夫人まあまあ、この小鸚鵡、
私の尋ねるこの問いに、まっすぐ答えなさい。
まことに、あなたの小指を折ってしまいますよ、ハリー、
何もかも本当のことを言ってくださらないなら。
ホットスパーやめろ、
やめろ、この悪ふざけ屋! 愛だと! 私はお前を愛していない、
お前のことなど構っていられぬ、ケイト。今は
人形と遊んだり、唇で槍試合をしたりする世の中ではない。
我らは血まみれの鼻と、割れた冠を手に入れ、
しかもそれを金貨として通用させねばならんのだ。おお、私の馬!
何と言った、ケイト? 私に何の用だ?
夫人私を愛してくださらないの? 本当に、愛してくださらないの?
それならそれで結構です。あなたが私を愛してくださらないなら、
私も自分を愛しません。私を愛してくださらないの?
ねえ、冗談で言っているのかどうか、教えてください。
ホットスパーさあ、私が馬に乗るのを見に来るか。
馬にまたがったら、誓ってやろう、
お前を限りなく愛していると。だが聞け、ケイト。
これから先は、私がどこへ行くのか、何のためかと、
お前に問い質されるのはご免だ。
行かねばならぬところへは行くのだ。そして結論を言えば、
今夜、私はお前と別れねばならん、優しいケイト。
お前が賢いのは知っている。だが、ハリー・パーシーの妻である以上には
賢くない。お前は不動だ、
だが、やはり女だ。そして秘密を守ることにかけては、
お前ほど口の堅い婦人はいない。私はよく信じているからな、
お前は自分が知らぬことは口に出せぬと。
そこまでは、私はお前を信じよう、優しいケイト。
夫人まあ! そこまでですって?
ホットスパーそれ以上は一寸たりとも。だが聞け、ケイト。
私が行くところへは、お前も行くのだ。
今日は私が発ち、明日はお前が発つ。
これで満足か、ケイト?
夫人そうするほかありませんもの。
