コリオレイナス明日、ローマの城壁の前に
我らの軍を据えよう。この戦の相棒よ、
ヴォルサイの重臣たちに報告してくれ、私がどれほど
包み隠さずこの務めを担ってきたかを。
オーフィディアスあなたが尊重したのは
彼らの目的だけだった。ローマからの一般の嘆願にも
耳を塞ぎ、私的な囁きひとつ
受け入れなかった。あなたを頼りにできると思っていた
友たちのものでさえも。
コリオレイナスこの最後に来た老人は、
胸を裂かれる思いでローマへ送り返したが、
父親の度を越して私を愛していた。
いや、実際、私を神にしていた。彼らの最後の逃げ場が
あの人を寄越すことだったのだ。あの人の古い愛のために、
無愛想に接しはしたが、私はもう一度
最初の条件を差し出した。彼らはそれを拒み、
今となっては受け入れることもできぬ。もっとできると思っていた
あの人の顔を立てるためだけに、ほんのわずか
私は譲った。新たな使節も嘆願も、
国家からのものであれ私的な友からのものであれ、今後は
一切耳を貸すまい。は! この叫び声は何だ?
コリオレイナス誓いを立てたその同じ時に、
それを破るよう誘われるのか? 私はやらぬ。
コリオレイナス妻が先頭に来る。次に、この体が形づくられた
名誉ある鋳型が、そしてその手には
自分の血を引く孫が。だが、失せろ、情愛よ!
自然のあらゆる絆も特権も、断ち切れてしまえ!
頑なであることを徳としよう。
あの会釈に何の値打ちがある? あの鳩のような目に——
神々にさえ誓いを破らせるあの目に。私は溶けてしまう、私とて
他人より強い土でできてはいない。母が身をかがめる。
まるでオリンパスが土竜塚に向かって
嘆願のためにうなずくかのように。そして幼い我が子は
執り成しの面持ちをしている、それに向かって
偉大な自然が「拒むな」と叫ぶ。ヴォルサイ人には
ローマを鋤き返させ、イタリアを馬鍬にかけさせよう。私は決して
本能に従うような雛鳥にはならぬ。立っていよう、
人が自分自身の作り手であり、
ほかに縁者を知らぬかのように。
ヴァージリア我が主、我が夫!
コリオレイナスこの目は、ローマで身につけていた目とは違う。
ヴァージリア私たちをこれほど変わり果てさせた悲しみが、
あなたにそう思わせるのです。
コリオレイナス今の私は下手な役者のようだ、
自分の台詞を忘れ、まったくの醜態にまで
立ち往生している。我が肉の最良の部分よ、
私の暴虐を赦してくれ。だが、そのついでに
「我らローマ人を赦して」とは言わぬでくれ。おお、口づけを、
私の追放と同じだけ長く、私の復讐と同じだけ甘い口づけを!
今、天の嫉み深い女王にかけて、私はその口づけを
お前から持って行った、いとしい人。そして私の誠実な唇は
それ以来、それを処女のまま守ってきた。神々よ! 私は喋りながら、
この世で最も気高い母に
挨拶もせずにいる。膝よ、地に沈め。
コリオレイナスそなたの深い務めのしるしを、
並の息子たちのそれよりも深く刻め。
ヴォラムニアおお、お立ちなさい、祝福されて!
その間に私は、燧石より柔らかい座布団もなしに、
あなたの前に跪きましょう。そして、これまでずっと
子と親の間で取り違えられてきたかのように、
場違いに務めを示しましょう。
コリオレイナスこれは何事です?
私に膝を? あなたに罰せられた息子に?
それならば、飢えた浜辺の小石が
星々を弾き飛ばすがいい。反逆の風が
誇り高い杉を、燃える太陽に叩きつけるがいい。
ありえぬことを殺して、ありえぬことを
たやすい仕事にしてしまうがいい。
ヴォラムニアあなたは私の戦士です。
私はあなたを形づくるのを手伝いました。この方をご存じですか?
コリオレイナスパブリコーラの気高い妹君、
ローマの月、氷柱のように清らかな方。
最も純白な雪から霜で固められて、
ダイアナの神殿に垂れる氷柱のような。いとしいヴァレリア!
ヴォラムニアこれはあなたの粗末な縮図です。
時が満ちて解き明かせば、
あなたそのものに見えるようになるかもしれません。
コリオレイナス兵士たちの神が、
至高のジョーヴの同意を得て、お前の思いに
気高さを吹き込みますように。そしてお前が
恥に貫かれることのない者となり、戦の中で
大きな航路標識のように立ち、あらゆる突風に耐え、
お前を目印とする者たちを救えますように!
ヴォラムニア膝をおつきなさい、坊や。
コリオレイナスこれぞ我が勇敢な子だ!
ヴォラムニアこの子も、あなたの妻も、この方も、そして私も、
あなたへの嘆願者です。
コリオレイナスお願いです、おやめください。
それとも、もし願われるのなら、まずこれを覚えておいてください。
私が叶えぬと誓ったことを、
あなた方への拒絶と受け取らないでほしい。命じないでください、
兵を解散させろとも、ローマの職人どもと
もう一度取り決めをせよとも。言わないでください、
私のどこが人の情に背いているかなどと。願わないでください、
あなた方の冷たい理屈で、私の怒りと復讐を
和らげようなどとは。
ヴォラムニアおお、もうよい、もうよい!
あなたは私たちに何ひとつ叶えぬと言いました。
私たちが願うことは、あなたがすでに拒んだこと、
それ以外にないのですから。それでも私たちは願います。
そうすれば、あなたが私たちの願いを退けたとき、その責めは
あなたの頑なさに架かるでしょう。だからお聞きなさい。
コリオレイナスオーフィディアス、そしてヴォルサイの諸君、よく聞いてくれ。我らは
ローマからの言葉を内密には聞かぬ。願いとは?
ヴォラムニアたとえ私たちが黙って何も語らずとも、この衣装と
体の有様が、あなたの追放以来どんな暮らしを
してきたかを暴くでしょう。ご自分で考えてごらんなさい、
生きているどんな女よりも不幸な身で、
私たちがここへ来たことを。あなたを見ることは、本来なら
私たちの目を喜びで溢れさせ、心を慰めで躍らせるはずなのに、
恐れと悲しみで泣かせ、震えさせるのですから。
母に、妻に、子に、こうして見せるのですから——
息子が、夫が、父が、
祖国の臓腑を引きずり出すのを。そして哀れな私たちにとって、
あなたの敵意は何よりも致命的です。あなたは私たちから
神々への祈りさえ奪う。それは、私たち以外の誰もが
享けている慰めなのに。だって、どうして私たちが、
ああ、どうして祖国のために祈れましょう、
祖国に縛られていながら、同時に
あなたの勝利にも縛られていて。ああ、私たちは失うほかない、
いとしい乳母である祖国か、それとも祖国における
私たちの慰めであるあなた自身かを。どちらが勝つべきかという
願いが叶ったとしても、私たちは明らかな災いを
見出すほかありません。どちらにしても、あなたは
異国の裏切り者として、手枷をはめられ
私たちの街路を引かれていくか、さもなくば
祖国の廃墟を凱旋して踏み、
妻と子の血を勇ましく流したかどで
棕櫚の枝を受けるかです。私自身については、息子や、
この戦の決着まで運を待つつもりはありません。
一方の側を滅ぼすより、両方に気高い恵みを示すよう
あなたを説き伏せられぬのなら、あなたは祖国を襲うために
進軍するより先に——これは信じておきなさい、
そんなことはさせません——あなたをこの世に送り出した
母の胎を踏むことになるでしょう。
ヴァージリアええ、そして私の胎も。
あなたの名を時の中に生かし続けるために、
この子を産んだ胎を。
幼いマーシアス僕の上は踏ませない。
大きくなるまで逃げていく。でも、そうしたら戦う。
コリオレイナス女の柔らかさを持たぬ者でいるためには、
子供の顔も女の顔も見ぬことだ。
私は長く座りすぎた。
ヴォラムニアいいえ、そんなふうに私たちから去らないで。
もし私たちの願いが、ローマ人を救い、
それによってあなたが仕えるヴォルサイ人を
滅ぼそうとするものなら、あなたは私たちを責めてよい、
あなたの名誉を毒するものとして。いいえ、私たちの願いは、
あなたが両者を和解させることです。そうすれば、ヴォルサイ人は
「この慈悲を我らが示した」と言い、ローマ人は
「これを我らが受けた」と言えるでしょう。そして双方が
あなたに万歳を捧げ、こう叫ぶ——「祝福あれ、
この平和をまとめてくださった方に!」と。ご存じでしょう、偉大な息子や、
戦の結末は不確かです。けれどこれだけは確かです、
もしあなたがローマを征服したなら、それによって
あなたが刈り取る利益とは、口にするたびに
呪いがつきまとうような名です。その年代記にはこう記される——
「その男は気高かった。だが最後の企てでそれを拭い消した。
祖国を滅ぼし、その名は
後の世に忌み嫌われるものとして残った」と。私に返事をなさい、息子や。
あなたは名誉の精妙な調べを愛し、
神々の美質を真似ようとしてきました。
雷で大空の広い頬を引き裂きながら、
その硫黄には、樫を一本裂くだけの雷霆を
込めるという美質を。なぜ何も言わないのですか。
気高い人間が、受けた仕打ちをいつまでも覚えているのが
名誉なことだと思いますか。娘や、あなたが話しなさい。
この人はあなたの涙など気にかけない。坊や、あなたが話しなさい。
たぶんあなたの子供らしさのほうが、私たちの理屈よりも
この人を動かすでしょう。この世に、これほど母に恩のある男は
いません。それなのにここで、私を晒し台の女のように
喋らせておく。あなたは生涯に一度も、
いとしい母に礼を尽くしたことがありません。
この憐れな雌鳥は、二度目の雛を欲しがりもせず、
あなたを戦へ、そして無事に家へと呼び戻し、
名誉を背負わせてきたのに。私の願いが不当だと言って、
私を蹴り返しなさい。けれど、そうでないのなら、
あなたは不誠実です。そして神々はあなたを罰するでしょう、
母の分に属する務めを、
私から取り上げているのですから。この人は背を向ける。
ひざまずきなさい、皆さん。膝でこの人に恥をかかせましょう。
コリオレイナスというその添え名には、
私たちの祈りへの憐れみよりも、高慢のほうが多く宿っている。ひざまずきなさい。これで終わりです。
これが最後です。私たちはローマへ帰り、
隣人たちの間で死にましょう。いいえ、私たちを見なさい。
この子は、自分が何を望んでいるかも言えないのに、
仲間に加わろうと跪いて手を挙げている。
この子は私たちの嘆願を、あなたがそれを拒みうる以上の強さで
道理づけている。さあ、行きましょう。
この男はヴォルサイ女を母に持っていたのです。
妻はコリオライにいて、子も
たまたま似ているだけ。それでも、暇をください。
私は口をつぐみます、この町が火に包まれるまで。
そのときには、少しばかり口をきくとしましょう。
コリオレイナスおお、母上、母上!
何ということをなさった。ご覧なさい、天が開き、
神々が見下ろして、この人の情に背いた光景を
笑っておられる。おお、我が母、母上! おお!
あなたはローマのために幸いな勝利を勝ち取られた。
だが、あなたの息子にとっては——信じてください、おお、信じてください、
この上なく危うい形で息子に勝たれたのです、
息子にとって致命的でないとしても。だが、来るなら来い。
オーフィディアス、私は真の戦を続けられぬが、
ふさわしい平和を組み立てよう。さあ、善きオーフィディアス、
もしあなたが私の立場だったら、母の言葉を
これより少なく聞けただろうか。あるいはこれより少なく叶えられたか、オーフィディアス?
オーフィディアス私も心を動かされた。
コリオレイナスそうであったと誓ってもいい。
そして、この目に憐れみの汗をかかせるのは、
並大抵のことではないのだ。だが、善きお方、
どんな平和を結ぶか、助言してくれ。私自身は
ローマへは行かぬ、あなたと共に引き返す。そして頼む、
この件で私を支えてくれ。おお、母上! 妻よ!
オーフィディアス(傍白。)喜ばしいことだ、お前が自分の中で慈悲と名誉を
反目させてくれたとは。そこから私は
かつての地位を取り戻す仕事をしよう。
コリオレイナスああ、今すぐに。
コリオレイナスだが、まずは共に杯を交わしましょう。そしてあなた方は、
言葉よりも確かな証しを持ち帰ることになる。その証しには、
同じ条件のもとで、我らも
連署することにしよう。
さあ、我らと共に中へ。ご婦人方、あなた方は
神殿を建ててもらうに値する。イタリアじゅうの剣も、
その同盟軍の武力も、
この平和を作ることはできなかった。
