お気に召すまま
第 5 幕 第 3 場
タッチストーンとオードリー登場。
タッチストーン明日はめでたい日だぞ、オードリー。明日、われわれは夫婦になる。
オードリー心の底からそう願ってます。それに、一人前の世帯持ちの女になりたいって願うのは、ふしだらな願いじゃないと思うんです。ほら、追放された公爵様のお小姓が二人、来ましたよ。
小姓二人登場。
第一の小姓良いところでお会いしました、正直な旦那。
タッチストーンまったく、良いところで会った。さあ、お座り、座って、歌を一つ。
第二の小姓お安いご用で。真ん中にお座りなさい。
第一の小姓前置き抜きで、ぱっと始めましょうか。咳払いも、唾吐きも、「声がかれてまして」の言い訳もなしで。あれはどれも、下手な声の前口上と決まってますからね。
第二の小姓そうこなくちゃ、そうこなくちゃ。それも二人ぴったり同じ調子で、一頭の馬に乗ったジプシー二人みたいに。
歌。
小姓たち恋する男とその娘が
ヘイ、ホー、ヘイ・ノニノと
青い麦畑を通ってく
春、春、指輪の季節に
鳥が歌うよ、ヘイ・ディンガディン・ディン
恋人たちは春が好き。
ライ麦畑の畝の間で
ヘイ、ホー、ヘイ・ノニノと
かわいい田舎の二人が寝ころんだ
春、春、指輪の季節に
鳥が歌うよ、ヘイ・ディンガディン・ディン
恋人たちは春が好き。
ヘイ、ホー、ヘイ・ノニノと
かわいい田舎の二人が寝ころんだ
春、春、指輪の季節に
鳥が歌うよ、ヘイ・ディンガディン・ディン
恋人たちは春が好き。
そのとき二人が歌い出す
ヘイ、ホー、ヘイ・ノニノと
人の命は花にすぎぬと
春、春、指輪の季節に
鳥が歌うよ、ヘイ・ディンガディン・ディン
恋人たちは春が好き。
ヘイ、ホー、ヘイ・ノニノと
人の命は花にすぎぬと
春、春、指輪の季節に
鳥が歌うよ、ヘイ・ディンガディン・ディン
恋人たちは春が好き。
だから今このときをつかまえて
ヘイ、ホー、ヘイ・ノニノと
恋の冠は盛りの春よ
春、春、指輪の季節に
鳥が歌うよ、ヘイ・ディンガディン・ディン
恋人たちは春が好き。
ヘイ、ホー、ヘイ・ノニノと
恋の冠は盛りの春よ
春、春、指輪の季節に
鳥が歌うよ、ヘイ・ディンガディン・ディン
恋人たちは春が好き。
タッチストーン正直なところ、お若い方々、歌詞のほうは大した中身ではなかったが、節のほうは実に調子っぱずれだったな。
第一の小姓お間違いですよ、旦那。拍子はちゃんと保ちました。調子を外してなんかいません。
タッチストーンいやまったく、外したとも。こんな阿呆な歌を聞かされたのは、時間を外して失くしたようなものだ。神のご加護を。ついでに神様、この二人の声もお直しください! おいで、オードリー。
一同退場。
