アントニーあの男は私と戦おうとせぬのだな、ドミティアス。
イノバーバスはい。
アントニーなぜ戦わぬ?
イノバーバス運が二十倍もよい以上、
自分は一人で二十人分だと考えているのです。
アントニー明日だ、兵士よ、
海でも陸でも私は戦う。生き延びるか、
それとも死にゆく我が名誉を、それを再び甦らせるだけの
血で洗うかだ。お前は立派に戦ってくれるか?
イノバーバス斬りかかって、「すべて取れ」と叫びましょう。
アントニーよく言った。さあ来い。
家の召使いたちを呼び出せ。今夜は
食卓を惜しみなく賑わそう。
アントニーその手をくれ、
お前は本当に正直だった。——お前もだ。——
お前も——お前も——お前も。よく仕えてくれた、
そして王たちがお前たちの同輩だったのだ。
クレオパトラ(イノバーバスに傍白。)これはどういうこと?
イノバーバス(クレオパトラに傍白。)悲しみが心から放つ、あの奇妙な仕草の
ひとつです。
アントニーそしてお前も正直だ。
私が幾人もの人間になれたらよいのだが、
そしてお前たちが皆ひとつに束ねられて
一人のアントニーになってくれたら。そうすればお前たちがしてくれたのと同じだけの
よい奉公を、私がお前たちにしてやれるのに。
一同神々がそれをお許しになりませぬ!
アントニーさて、善き者たちよ、今夜は私に仕えてくれ。
杯を惜しむな。そして私の帝国もまたお前たちの同輩で、
私の命令に従っていた頃と同じように、
私をもてなしてくれ。
クレオパトラ(イノバーバスに傍白。)何をおっしゃりたいの?
イノバーバス(クレオパトラに傍白。)従う者たちを泣かせようというのです。
アントニー今夜は私に付いてくれ。
これがお前たちの務めの終わりになるかもしれぬ。
もう私に会えぬかもしれぬ。会えたとしても、
切り刻まれた影にな。ひょっとすると明日には
お前たちは別の主人に仕えているだろう。私は別れを告げる者として
お前たちを見ている。正直な友たちよ、
私はお前たちを追い払うのではない。お前たちの善い奉公と
夫婦になった主人のように、死ぬまで離れぬのだ。
今夜、二時間だけ私に付いてくれ、それ以上は求めぬ。
それに対して神々がお前たちに報いてくださるように!
イノバーバス何のおつもりです、閣下、
この者たちにこんな辛い思いをさせるとは? ご覧なさい、泣いております。
そしてこの俺まで、馬鹿者めが、玉葱を切った目だ。お恥ずかしい、
我らを女に変えないでください。
アントニーほう、ほう、ほう!
そんなつもりだったなら、魔女に取り憑かれてもよい!
その滴の落ちるところに恵みが生えるように! 心からの友たちよ、
お前たちは私の言葉をあまりに悲しく取りすぎた。
私はお前たちを慰めるために話したのだ。この夜を
松明で燃やしてほしいと願ったのだ。よいか、我が心の者たちよ、
私は明日に望みを抱いている。そしてお前たちを、
死と名誉よりはむしろ勝利ある生を
期待できる場所へ導こう。さあ、夕餉へ行こう、
そして思案は溺れさせてしまえ。
