ヴァレンタイン公爵様のご寵愛がこの調子で続けば、シザーリオ、きみは大出世をするだろうね。お目見えしてまだ三日だというのに、もう新参者どころではないのだから。
ヴァイオラ公爵様のご気性か、わたしの至らなさか、どちらかを疑っておられるのですね、ご寵愛が続くかどうかを問題になさるとは。あの方は、お気に入りを取り替えやすい方なのですか?
ヴァレンタインいや、決してそんなことは。
ヴァイオラありがとうございます。公爵様がおいでです。
公爵おい、シザーリオを見た者は?
ヴァイオラおそばに控えております、公爵様。ここに。
公爵皆はしばらく下がっていろ。シザーリオ、
おまえは何もかも知っているな。おまえには
わたしの魂の秘密の書物まで、留め金を外して見せた。
だから、いいか、あの方のもとへ足を運んでくれ。
門前払いを食っても引き下がるな。戸口に立ちはだかり、
取り次ぎの者に言ってやれ、お目通りが叶うまで、
この足はここに根を生やして動かん、とな。
ヴァイオラですが、公爵様、
あの方が噂に聞くほど深く悲しみに
沈んでおられるなら、決して会ってはくださらないでしょう。
公爵騒ぎ立てろ、礼儀の垣根など残らず跳び越えてしまえ、
実りなしで戻ってくるくらいならな。
ヴァイオラお目にかかれたとして、公爵様、それから何と?
公爵おお、そうしたら、わたしの恋の激情を繰り広げ、
わたしの深い真心を語って、あの方の心を奪ってくれ。
わたしの嘆きを演じるのは、おまえにこそ似合いの役。
おまえのような若者の口からのほうが、あの方も聞き入ってくださるだろう、
いかめしい顔つきの使者の口からよりはな。
ヴァイオラそうは思えませんが、公爵様。
公爵いや、信じろ、若いの。
おまえを男だなどと言う者は、
その花の年頃を偽ることになるぞ。ダイアナの唇とて、
おまえのより滑らかで紅くはない。おまえの細い声は、
乙女の声さながら、高く澄んで、
何もかもが女の役どころにそっくりだ。
おまえの生まれ星は、この役目に
おあつらえ向きにできている。——四、五人、供をしてやれ。
なんなら全員でもよい。わたしは人がそばにいないときが、
一番心地よいのでな。——首尾よく務めてくれれば、
おまえは主人と同じ気ままな身分になって、
主人の財産を、わが物と呼べるようになるぞ。
ヴァイオラ精一杯務めます、
あなた様の姫君を口説いて参りましょう。(傍白)それにしても、つらい骨折り!
誰を口説くのであれ、わたし自身が、あの方の妻になりたいのに。
